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#04 「頑張ってるのに心が折れる」人が、やっている目標の立て方

ゴールを決めた。過去のパターンを断つ決断もした。それでも、現実が動かない。

こういう人を、たくさん見てきました。不思議に思うかもしれませんが、当たり前なんです。決断は、覚悟を決めることであって、行動そのものじゃない。現実に差分を作るのは、いつだって具体的な行動——アクションなんです。

だからセッションでは、ゴールを決めて、決断をしたあとに、アクションプランを立てます


「アクションプラン」と「成果」は別物です

ところが、このアクションプラン。多くの人が、判で押したように同じ間違え方をします。僕も同じ過ちを犯し続けてました。

アクションプランを考えてもらうと、クライアントがこの先どこで苦しくなるか、だいたいわかるんです。

たとえばこんなプラン。

  • 売上を上げる

  • 契約を3件取る

  • フォロワーを増やす

一見よさそうなアクションプランに見えますよね?
企業に勤めている方なら、こんな目標設定をしているんじゃないでしょうか。

なぜだめなのか。
この3つ、ぜんぶアクションプランじゃないからなんです。

定義をはっきりさせましょう。

アクションプランとは、「100%自分でコントロールできる行動計画」のこと。やるかやらないか、自分だけで決められるもの。

一方、成果とは、相手や環境が最終決定権を持っている本当に得たい現実。自分は影響を与えられるけど、決定はできないもの。

この定義で見直すと、さっきのプランの正体が見えます。

「契約を取る」

契約するかどうかを決めるのは、お客さんです。自分じゃない。

「フォロワーを増やす」

フォローするかどうかを決めるのは、相手です。

つまり、さっきのアクションプランは、アクションの顔をしているけど、中身は成果——もっと言えば、小さなゴールなんですよね。「契約を3件取る」は、立派なゴールです。ゴールなのに、それを「今日やること」の欄に書いてしまう。すると、自分ではコントロールできないものに向かって走り出すことになる。これが、つまずきの始まりなんです。

なぜ混同すると心が折れるのか

「別にいいじゃん、目標は高い方が」と思うかもしれません。

でも、これが構造的に心が折れる罠になっているんです。

成果を「やること」にすると、結果が出なかった日が、すべて「失敗の日」になります。

今日も契約が取れなかった。

今日もフォロワーが増えなかった。

でも、それは自分のコントロールの外側で決まったことです。つまりこの人は、自分では決められないことで、自分を毎日責め続けている。

これを続けると、エフィカシー(=自己効力感、「自分ならできる」という感覚)が削れていきます。エフィカシーが削れると行動量が落ちる。行動量が落ちると成果はさらに遠のく。そして更に自分を責める。この負のスパイラルに、真面目な人ほどはまってしまうんです。

しかも、この混同は、ビジネスの話になるほど増えます。ダイエットなら「毎日2キロ走る」がコントロール可能なアクションだと、わりとすぐわかる。でも仕事になると、「契約を取る」「いい人を採用する」「リピートを増やす」——コントロールできないことを、平気でアクション欄に並べてしまう。頭のいい人も、仕事で成果をあげている人も、面白いように間違えます。こうやって、コントロールできないことに、脳のいちばん大事なリソースを取られてしまうんです。

ゴールだけを、握っていないか

ここで、ひとつ実験をさせてください。

手を、5回叩いてみてください。ただし条件が1つ。絶対に、行動はしないでください。

……無理ですよね。頭の中で「5回叩く」とどれだけ願っても、手を動かさない限り、1回も叩けない。

当たり前の話に聞こえますか? でも、ゴールでこれをやっている人が、本当に多いんです。ゴールが達成できない人の頭の中は、たいていゴールだけが置いてあります。「独立する」「年収を上げる」。願って、眺めて、また願う。でも、そこに紐づくアクションがない。手を叩くゴールを、ずっと願っているだけの状態です。

逆に、ゴールを達成していく人の頭の中は、いつもゴールとアクションがセットになっています。このゴールを達成するために、今日これをやる。その一手が、必ず自分の中にある。

現実を動かすのはアクション

だからアクションプランは、ゴールありきで立てるんです。宙に浮いたアクションをいくら並べても、方向のない努力になってしまう。まず「今、どのゴールに向かうのか」を1つに決めて、ピン止めする。そのゴールに紐づく行動だけを、アクションにしていく。この順番が、抜けている人がとても多いんですよね。

やったかどうかを、自分でコントロールできるものにする

直し方は、シンプルです。さっきのリストを、100%コントロール可能なものに翻訳する。

100%コントロール可能なアクションプラン
  • 売上を上げる → 提案書を10件作成する

  • 契約を3件取る → 見込み顧客5人に訪問を打診する

  • フォロワーを増やす → 毎日1本投稿する

違いがわかりますか? 翻訳後のリストは、やったかやらなかったか、夜寝る前に自分で判定できます。自分だけでなく、誰が見てもやったかやっていないかが明確です。そして、「できた」が積み上がる。エフィカシーは削れるどころか、育っていきます。

このとき、アクションの隣に「この行動で、どんな成果が欲しいか」を、成果としてセットで設定していきます。「毎週5人会う(→月末までに、3件の商談が組まれている)」みたいに。成果そのものはコントロールできませんが、目印として持っておくと、何のための行動なのかを見失わずにすみます。

「でも、アクションをやっても成果が出なかったら意味なくないですか?」。よく聞かれます。ここで思い出してほしいのが、種まきと刈り取りです。まいた種は、その日には刈り取れません。成果には必ず時間差がある。アクションは種まきです。種をまき続けている人の畑に、何も実らないことは、まずありません。逆に、刈り取りの心配ばかりして種をまく手が止まることが、一番の機会損失なんですよね。

センターピンを狙う

最後にもう一つ。アクションを洗い出すと10個も20個も出てくることがあります。全部やろうとしないでください。散らばった10個を60点でやるより、センターピンを倒した方が圧倒的に成果に近づきます。

センターピンは、ボウリングの1番ピン(真ん中のピン)です。そこに当てれば、後ろのピンがまとめて倒れる一点。「このアクションが動けば、他も連鎖して動き出す」という最重要の一本を決めて、まずそこに集中する。それで十分、現実が動き始めます。

ゴールを決めて、決断して、そのゴールに紐づくアクションプランを、自分で決められる形にする。ここまで来て、ようやく現実が動き出します。願うだけでは、理想の現実に近づくことはないですから。


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