見出し画像

「このまま40歳になっていいのか」34歳、係長だった僕が転職を決めた理由

「5年後も、僕は同じような仕事をしているのだろうか」

34歳の頃、そんなことを考えることが増えました。

僕は公務員として10年働き、係長になっていました。

仕事がものすごく嫌だったわけではありません。給料は安定しているし、10年かけて築いた人間関係もありました。

それでも「このままでいいのかな」という感覚が消えませんでした。

怖かったのは、何も変わらないまま、40歳になることでした。

「できない理由」を考えることに慣れていないか


仕事をしていると、住民からさまざまな要望をもらいました。

「これはオンラインでできないんですか?」

たとえば、転出届はオンラインでできるのに、転入するときには役所に行かなければならない。

もちろん、制度やセキュリティなど、できないことには理由があります。

それでも僕は、

「できない理由を説明することに慣れてしまっていないか」


と思うようになりました。

同じような違和感は、業務改善でもありました。

「この事務処理、本当に大変なんです」

そんな声がある一方で、その仕事を減らせるかもしれないシステムや業務改善を提案すると、

「それをやるのも大変だから」

となかなか手をつけられない。

忙しいから、改善できない。
改善しないから、忙しいままになる。

もちろん、改善にも時間と労力が必要です。

それでも当時の僕は、「じゃあ、この大変な仕事をこれからも続けるのだろうか」と絶望に近いものを感じたことを覚えています。

「誰もが喜ぶ仕事」を体験した


一方で、僕自身が役所で業務改善に取り組んだ経験もあります。

紙だった申請をデジタル化して、住民がスマホから申請できるようにしました。

利用者の満足度は約9割。

さらに、申請後の事務処理にRPAを導入しました。

対象は約数千件。

それまで1件約5分かかっていた作業が、ほぼ0分になりました。

繁忙期には8人ほどが1日2時間程度残業することもありましたが、それもほぼなくなりました。

住民は便利になる。

職員は楽になる。

残業も減る。

誰もが喜ぶ仕事でした。

「仕事のやり方を変えれば、こんなに変わるんだ」

僕は、こういう仕事が好きでした。

だからこそ、もっとやりたくなりました。

ところが役職が上がってからと実際の仕事では、議会で質問される「かもしれない」ことに備えて想定問答をつくり、細かな書式や「てにをは」を何度も直すこともありました。

もちろん、それも必要な仕事です。

でも一方で、世の中ではデジタルやAIがものすごい速度で進化していました。

個人でいくら興味を持って勉強しても、仕事で使わなければ実務経験にはなりません。

役職は上がっていく。

でも、

「このまま40歳になったとき、僕には何が身についているのだろう」

という焦りが強くなっていきました。

当時は「35歳転職限界説」も意識していました。

本当に35歳が限界なのかは分かりません。

それでも34歳の僕は、「動くなら今かもしれない」と思いました。

転職するのも怖い。でも、残るのも怖かった

もちろん、転職も怖かったです。

年収が下がるかもしれない。

民間で通用しないかもしれない。

10年かけて築いた人間関係も、係長というキャリアも、公務員という安定も手放すことになります。

最初に妻に相談しました。

返ってきたのは、

「よく考えて、後悔しないようにね」

という言葉でした。

その後、転職エージェントに相談して、転職活動を始めました。

そこで意外だったのが、公務員時代のDXや業務改善の経験を企業から評価してもらえたことです。

紙の申請をスマホでできるようにしたこと。

約3,000件の事務処理を自動化したこと。

残業をほぼなくしたこと。

自分では「役所の中でやってきたこと」と思っていた経験を、外の人が評価してくれました。

そこで初めて、

「自分が10年間やってきたことは、外でも価値があるのかもしれない」

と思えました。

そして現在、36歳。

民間に転職して感じる大きな違いの一つが、

「もっと良くできないか」

と考えることです。

「このやり方は本当に必要なのか」

「もっと効率的にできないか」

「新しい技術を使えないか」

そう考えることも、「考えよう」とすることも、当たり前の雰囲気があります。

僕には、それが合っていました。

だからといって、「公務員は辞めた方がいい」とは思いません。

転職した方がいいかどうかは、人によります。

ただ、34歳の僕には「もっとやりたい仕事」がありました。

住民が便利になる。

働く人も楽になる。

今まで当たり前だった不便が、仕組みを変えることでなくなっていく。

そして、

「自分はこういう仕事をして、誰かの役に立った」

と、自分自身が納得して言える。

僕は、そんな仕事をもっと増やしたかったのだと思います。

34歳の僕が怖かったのは、40歳になることではありません。

自分がやりたい仕事に気づいているのに、それを見ないふりをしたまま40歳になることでした。

もし今、「このまま40歳になっていいのかな」と感じている人がいたら。

転職するかどうかを決める前に、

「自分は、どんな仕事なら『やってよかった』と思えるだろう」

と考えてみるのもいいかもしれません。

みなさんは、「このままでいいのかな」と思ったことはありますか?

いいなと思ったら応援しよう!