【ホラーショートショート】探している。#さぶいぼ選手権
中学3年生の思い出に僕たちは仲の良いメンバーで花火をする事になっている。
そこには僕が、片想い中の美姫も来ていた。
22時いつもの神社。
そこの神社は木造民家に囲われた鳥居が今にも倒れそうな、そんな神社だった。
僕が10分ばかり早く到着すると、数名のメンバーが先に到着していた。
「お。お前、打ち上げ花火持って来てくれたん」
「おーよ!細々した花火よりドカンとでかいの打ち上げたいやん。これ、2500円したんだぜ!」
僕は腕ほどある打ち上げ花火を掲げて誇らしげに鼻を鳴らした。
その後すぐ、美姫がカラカラと渇いた下駄を鳴らしながらやって来た。
水色の着物で裾には朝顔が咲いている。
ハーフアップのポニーテールから覗かせる白いうなじ。学校とは、また違う雰囲気で僕はドキリとした。
22時になる頃、メンバーが全員揃った。
僕らは、神社の階段を上る。
足元がやっと見えるくらいで、誰かが持って来てくれた懐中電灯を頼りに転ばないように一段一段登って行く。
「きゃー、不気味悪い」
「いつもの雰囲気とまた違うね」
女子のそんな声を背後に受けながら、僕は少しでも美姫に格好良く思われたいから先頭を歩いた。
境内に着くと、僕らは持って来た花火を1ヶ所に集めた。
手持ち花火セット、ネズミ花火、ロケット花火、色んな花火がある中、やっぱり僕の打ち上げ花火が一番目立っている。お小遣いがこの一発にほぼ消えたんだから、目立って当たり前だ。
「打ち上げ花火は最後な」
「最後にでかいので閉めようや」
そう言う事で僕の打ち上げ花火は大鳥になり、手持ち花火から始めた。
パチパチ、ゴーゴー
赤や紫、オレンジに黄色。色んな色とツンとする花火の匂い。
「綺麗だね」
「うーん」
美姫も友達とはしゃいでて可愛かった。僕はすっかり見惚れてしまった。
ブーン。ブーン。
ビューン、パン!!
ネズミ花火の後にロケット花火も飛ばした。
手持ち花火は綺麗だけど、回ったり、飛んだりした方が僕は好きだ。派手なのがやっぱりいい。
そんな事を思っていると、もう残すは僕の打ち上げ花火だけになった。
「最後、締めるか!」
僕は大きな打ち上げ花火の口が空に向くように置くと、導線に火をつけた。
シューっと火花を撒き散らせながら、短くなる導線。
僕以外のメンバーは離れて観ている。
美姫も身を屈めて耳を塞いで観ている。
シュー、シュー、段々短くなる導線。
そろそろ僕も離れた方がいい。そう思って駆け出したその時、僕の足が打ち上げ花火にひっかかり倒れてしまった。
ビューーーン……ドカン。
倒れた打ち上げ花火から丸いドデカイ火の玉が、神社の階段を沿うように飛び、神社の外の古民家目掛けて飛んでいってしまった。
「やばい!やばい!どうする?」
「どうしよう。え?ホントどうする?」
そう言っている内にメンバーの1人が階段を駆け下り逃げ出したので、僕たちはそれにつられるように神社を後にした。
***
「次のニュースです。昨日、夜半過ぎ○○町一丁目で出火元不明の火災がありました。消防隊の消火活動の末、鎮火しましたが、そこから身元不明の遺体が発見されました。尚……」
写し出された、映像には暗闇に赤く燃え盛る炎の映像。
時折、その炎の映像は、窓から覗き叫びながら探す人のように観えた。
「僕じゃない。僕じゃない。僕じゃない。僕じゃない」
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【1401文字】
おしまい。
-tano-
とても面白そうなので、こちらの企画に参加させていただきました!!
よしまるさん宜しくお願い致します😊😊
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