「写ルンです」に新型が出ると聞いて、Zfで撮る理由を考え直した
ラジオを聴いていたら、「写ルンです」に20年ぶりの新型が出るというニュースが流れてきた。
富士フイルムが発表したのは2機種。8月上旬に発売される防水モデル「写ルンです Active」と、9月以降に発売されるモノクロ専用モデル「写ルンです Black and White」。1986年の発売から今年でちょうど40周年ということで、そのタイミングに合わせての投入らしい。
パッケージ変更などを除けば、新製品の追加自体が2006年以来ということだから、これはかなり久しぶりの出来事だ。
なぜ今、写ルンですなのか
正直、最初にニュースを聞いたときは「今さらフィルムカメラの新型?」と思った。でも発表の内容を追っていくうちに、そこに込められたメッセージがなんとなく分かってきた。
デジタルカメラやスマートフォンが写真を「正確に記録する」道具として極まっていく一方で、写ルンですはずっと「不自由さ」を売りにしてきたカメラだ。
ピントを合わせられない
露出も選べない
撮った瞬間に結果が見えない
27枚撮ったら終わり
この不自由さが、今の若い世代にとってはむしろ新鮮に映っているらしい。撮影直後に確認できないからこそ、その場の空気を壊さずに自然体の瞬間をそのまま残せる。そういう「時間の価値」こそが写ルンですの本質だと、富士フイルムは今回改めて言葉にしていた。
自分のカメラの使い方と重ねてみる
これを聞いて、自分が普段Zfで写真を撮っている理由を考え直した。
自分の場合、レンズを選ぶときに意識しているのは「どんなレンズを使っても、どんな風に写るのか、どんな仕上がりになるのか」ということだ。仕上がりが自分の記憶に近いものになって、納得感があれば「撮って良かったな」と思える。
つまり自分は、デジタルの正確さを使いながらも、最終的には「記憶に近づける」ことを目指している。これは実は、写ルンですが持っている価値と方向性は同じなんじゃないかと気づいた。
写ルンですは技術的な制約によって不完全さが生まれる。自分はレンズやフィルムシミュレーションを選ぶことで、意図的に不完全さや癖を作り出す。手段は違うけれど、目指している場所は近い。
夕暮れの多摩川沿いを歩きながら撮る写真も、夕焼けそのものを正確に記録したいわけじゃない。あのとき感じた空気とか、歩いていた時間の感覚を残したい。そう考えると、フィルムライクな表現に惹かれる理由にも納得がいく。
モノクロモデルへの期待
個人的に気になっているのは、9月発売予定の「写ルンです Black and White」だ。
特別な設定や技術がなくても、日常の何気ない風景をアーティスティックに切り取れるという触れ込みらしい。シャープで粒状感のある描写ということなので、スナップとの相性は良さそうだ。
普段はニコンのシステムで撮ることが多いけれど、こういう単焦点・固定設定のカメラを持ち歩く感覚も久しぶりに味わってみたい。選択肢がないからこそ、被写体や瞬間そのものに集中できるという体験は、デジタルではなかなか得られないものだと思う。
撮る理由を思い出させてくれる存在
写ルンですは、技術的には最新のカメラに敵うはずがない。それでも今回の新型発表がニュースになるのは、単なる新商品情報としてではなく、「写真って何のために撮るんだろう」という原点を思い出させてくれるからなんだと思う。
カメラの楽しみ方は人それぞれで、その「人それぞれ」であることこそがカメラの面白さだ。色々な写真家を見ていても、みんな表現が違っていて、それぞれに個性がある。
自分もまだまだ模索中だけど、今はとにかく色々なカメラで撮りながら、自分なりの表現を探していきたいと思っている。写ルンですの新型も、8月と9月、実際に手にとって試してみるつもりだ。
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