校長、快腸、ゼッコーチョー!
朝食後、身支度を整え
私は鏡にうつる
白髪交じりの自分の顔をまじまじと見ると親指を立てて叫んだ。
「校長 ゼッコーチョー!」
叫んだひょうしに
鼻水が少し飛び出した。
構うものか。出るがいい。
私は
今日から校長になったのだ。
私立高校の教頭として30年。
なかなか校長になれず
タケノコ族で踊っていた過去を
呪った時期もあった。
今となってはそれも懐かしい。
輝かしい、昇進だ。
ふと気がつくと
今年19歳になる娘が起きてきていた。
「おはよう。今日から父さん、校長だよ」
と思いきって声をかけた。
するとなんと
「あっそう」という
返事が返ってきたのだ‼
絶好調だ!!
いざ!出陣!
私は校長になったら履こうと
兼ねてから用意していた
ナイキのスニーカーを履き
玄関から飛び出した。
頭には年甲斐もなく
シュワッチという言葉が浮かぶ。
この爽快感。
ああ、生きている喜び。
いつもの学校までの道のりが
違って見える。
その時である。
何かが激しく揺れる音がしたかと思うと
キキーッッッ!!
危ない!!!!
ものすごいスピードで
ヤクルトのバイクが突っ込んできたのだ
私はイモリのように身をよじらせ
バイクをよけた。
そして腹が立った。
ヤクルトが何キロ出しているんだ!!
古田だったら受け止めていただろうが
私は古田ではない!
中井美穂でもない!!
昭和生まれにしかわからん例えですまない!
ナイキのスニーカーを履いてなかったら、
素早く避けれていなかった。
私は、叫んだ。
「危ないだろ!!
お腹に優しいものを運んでる奴が、
出すスピードか!!!」
ヤクルトレディーが振り返る。
「すみません。配達に遅れそうで。
つい200キロ出してしまいました。
大丈夫ですか?」
私はその顔をみて驚いた。
まるで、宮崎美子さんのようではないか!
顔が赤くなる。
そして、言った。
「ヤクルト一本..頂けますか」
彼女はわたしにヤクルトを一本手渡すと
はにかみ、再び爆速で走り去った。
カタカタカタカタカタカタカタ!
ヤクルトが激しくぶつかる音が
小さくなっていったが
私の心臓はまだ音を立てている。
彼女がくれたヤクルトのカタログを
見ながら私は思った。
校長、快腸、ゼッコーチョー!!
※この話は、10数年に書いて寝かせていた
なんの中身もない話です。
いざ、出陣!
#創作 #ショートショート#コメディ#腸#ダジャレ
