あなたは「振動」でできている。無から宇宙が生まれた本当の理由
「無からは何も生まれないはずなのに、なぜ世界は存在しているのだろう?」
子どものころ、一度はこの問いにぶつかったことがあるのではないでしょうか。夜、布団の中でふと「そもそも、なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」と考え出し、答えが出ないまま眠ってしまう。そんな経験をした人は、実はとても多いはずです。
この問いは、哲学者も物理学者も、そして仏教の僧侶たちも、何千年にもわたって挑み続けてきた、人類最大級の謎です。そして面白いことに、認知科学の「抽象度」という考え方と、現代物理学の最先端である「超ひも理論」を組み合わせると、この謎に驚くほど論理的な光を当てることができます。
今日は、あなたの「存在」そのものの正体を、少し違う角度から覗いてみませんか。読み終わるころには、朝起きてコーヒーを飲むという何気ない瞬間さえ、少しだけ違って見えているかもしれません。
1. 「猫」から「動物」へ。情報は上に行くほど減っていく
まず、話の土台になる「抽象度」という考え方から始めましょう。難しそうに聞こえますが、実はとてもシンプルな話です。
たとえば「アビシニアン」という猫の品種を思い浮かべてみてください。金色がかった毛並み、しなやかでスリムな体型、活発な性格……。「アビシニアン」という言葉には、非常に細かい情報がぎっしり詰まっています。
これを一段抽象化して「猫」と呼んでしまうと、どうなるでしょうか。アビシニアンの金色の毛並みという情報は消え、「ヒゲがあって、ニャーと鳴いて、四本足で歩く生き物」という、もう少し広い情報だけが残ります。
さらに一段抽象化して「動物」と呼べば、猫特有の鳴き声すら消えてしまい、「生きていて、動く存在」というさらに大まかな情報だけが残ります。
つまりこういうことです。
抽象度が下がるほど、情報量は増える(アビシニアン → 具体的で詳細)
抽象度が上がるほど、情報量は減る(動物 → 大まかでシンプル)
私たちは普段、具体的な情報にまみれて生きています。「今日の会議は14時から」「あの人はコーヒーが好き」「あのお店のラーメンは少ししょっぱい」。こうした具体的な情報の集まりが、私たちの日常を形作っています。しかし、これらすべてを抽象度の階段の一番上まで押し上げていくと、いったい何が残るのでしょうか。
ここに、今日のいちばん大きな問いのヒントが隠されています。
2. 「有る」と「無い」を包み込む、もっと大きな概念があるとしたら
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