ゾッとした出来事 3人目の人影
自分が小学生の頃の、ゾッとした出来事。
両親が、いつものように二人で買い物に出ていく。
自分は留守番することが多かったので、買い物に出ていく両親を見送るように、玄関のすりガラス越しから、二人の影を何となく見ていた。
両親の影が、右から左へと流れていく。
いつもの光景だった。
しばらくすると、父親が忘れ物をしたのか、一度戻ってきた。
そして、母親を追うように、父親の人影がすりガラス越しに右から左へ流れていく。
すると――
父親の後ろから、もう一人の人影が現れた。
その人影は、父親の後ろを追うように、
右から左へ。
すりガラス越しに、確かに通り過ぎていった。
「隣人かな?」
そう思った。
でも、すぐに違和感を覚えた。
うちが住んでいたマンションは角部屋だった。
左隣には隣人がいる。
でも――
右隣には、何もない。
子ども心に、
「不審者なのかな?」
そんなことを考えた。
父親のことも少し心配になった。
けれど、その後、両親はいつものように帰ってきた。
何事もなかったことに安心した。
そのときは、それ以上深く考えなかった。
ただ、今になって思う。
あのとき、父親の後ろを追うように通り過ぎていった、もう一人の人影。
あれは、一体何だったんだろう。
右から現れた、3人目の人影。
子どもの頃には気づかなかったけれど――
今思えば、あれはかなりゾッとする出来事だった。
