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モーツァルトは軽く弾け

モーツァルトの演目に当たった時に弦楽器指導の先生に
「もっと軽く弾いて!」と言われたことはありませんか?
私は何度もこの言葉を聞いてきました。毎回必ず言われる言葉です。

モーツァルトの音楽は圧倒的に長調が多く、とても明るいです。
軽やかな表現がよく似合うことは、よくわかります。
しかし軽く弾くとはどういうことでしょう?よくわかりませんよね?

モーツァルトの時代はバロック弓からモダン弓への移行過渡期で
クラシカル弓が使われていたと思われます。
現代の弓より軽め、剛性は弱め、長さは短めだったと思われます。
ここから想像できる当時の奏法は、こうなることが推測されます。

1. 弓が軽く剛性が弱いので弓圧は掛けられない。
2. 弓圧が掛けられないので弓速は速め。
3. 弓が短いので速い弓速では音価が短め。

弦に素早く弓毛を当てて高速で引き抜き音量を稼ぎ
弓毛が弦から離れた後の残響音で音価を稼いでいたのではないでしょうか。
弓毛を引っ掛けピッチカートするように跳ねるような演奏のイメージです。

先日、合奏練習でマエストロが言っていたのが
モーツァルトはフロッグの近くを持つのではなく、
少し先の革巻きのあたりを持って弾くという弾き方でした。
あまり弓圧は掛かりませんし、弓の長さも少し短くなりますよね。
またウィーンのオーケストラで見た光景を語っていただいたのですが、
ヴィオラ奏者がモーツァルトを弾く時だけ
ヴィオラ弓ではなくヴァイオリン弓で弾いていたというのです。
マエストロの言葉で軽く弾くことの正体が見えたような気がしました。

同じような理由からか、ピアノの世界ではモーツァルトの曲は
ペダルを使わないというセオリーがあるそうです。
当時のピアノが短い時間で音量が減衰していたため
音価が短かったであろうことを表現しているのでしょうか。

モーツァルトの音楽は鋭い入りからの自然減衰で収める美学
なのかもしれません。

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