なぜ後継者は受け入れられないのか?組織に潜む見えない壁
古参社員が後継者に反発する理由
能力ではなく感情の問題
事業承継の相談を受けていると、よく聞く話があります。
後継者は真面目。
勉強もしている。
経営についても考えている。
それなのに古参社員との関係がうまくいかない。
今日は事業承継について社長との関係ではなく
先代の時代から働いている古参社員との関係について
記事にしました。
提案しても反対される。
指示しても動かない。
陰で文句を言われる。
後継者からすると、
「能力を認めてもらえない」
と感じるかもしれません。
しかし実際には、能力の問題ではないケースが少なくありません。
そこにあるのは感情なんです!
1. 古参社員は何十年も会社を支えてきた
古参社員の立場になって考えてみましょう。
会社が苦しかった時代を知っている。
創業者と一緒に汗を流してきた。
休日も返上して働いてきた。
売上が厳しい時期も乗り越えてきた。
そんな人たちにとって会社は単なる職場ではありません。
人生の一部なんです。
だからこそ、
ある日突然、
若い後継者が経営に関わり始めると複雑な感情が生まれます。
理屈ではなく感情なのです。
古参社員との会話を思い出してください
感情的なものが多くないですか?
2. 後継者の誤解
後継者はついこう考えます。
「実績を出せば認めてもらえる」
確かに一部はそうです。
しかし感情の問題は実績だけでは解決しません。
例えば、
正しい提案をした。
合理的な改革を進めた。
利益も改善した。
それでも反発されることがあります。
なぜでしょうか。
古参社員は内容を見ているだけではないからです。
自分たちの居場所。
存在価値。
これまでの努力。
そうしたものが否定されるように感じることがあるのです。
3. 本当に起きていること
古参社員の反発は、
後継者が嫌いだからではありません。
多くの場合、
「不安」なのです。
会社はどうなるのか。
自分の仕事はどうなるのか。
今までのやり方は否定されるのか。
自分は必要とされるのか。
こうした不安が反発という形で現れます。
ところが後継者側は、
「能力を認めてもらえない」
と受け取ります。
そして対立が深まります。
実は双方とも本音を言えていないだけなのです。
4. 後継者がやるべきこと
ここで大切なのは、
勝つことではありません。
理解することです。
もちろん経営者ですから、最終的には決断しなければなりません。
しかし最初から改革だけを進めると反発は強くなります。
まず必要なのは、
話を聞くことです。
過去に何があったのか。
なぜ今のやり方になったのか。
どんな苦労をしてきたのか。
これを理解するだけで関係は大きく変わります。
人は自分を理解してくれる人に対して心を開きます。
経営も同じです。
5. 承継は経営だけではない
事業承継というと、
株式
財産
役職
こうした話が中心になります。
しかし現実には、
感情の承継
の方が難しいことが多いです。
古参社員の思い。
創業者の価値観。
会社の歴史。
これらを無視して進めると、組織はまとまりません。
後継者に必要なのは経営知識だけではありません。
人の感情を理解する力です。
そこが欠けると、どれだけ優秀でも苦労することになります。
まとめ
古参社員が後継者に反発する理由は、能力不足とは限りません。
むしろ多くの場合は感情の問題です。
長年会社を支えてきた誇り。
変化への不安。
自分の存在価値への心配。
そうした感情が反発として現れます。
だからこそ後継者は、
正しさを証明することより、
理解することを優先する必要があります。
事業承継は経営権を引き継ぐだけではありません。
人の思いを引き継ぐ作業でもあります。
そこに向き合える後継者こそ、本当の意味で会社を未来につなげられるのではないでしょうか。
