シラチャ開催!麹造りワークショップを終えて
去年の秋、コラートで大西孝典先生の麹と味噌造りのワークショップに参加しました。
「麹の作り方を学ぼう」くらいの気持ちで行ったのに、ワークショップが始まって見ると、予想をいい意味で裏切られました。
30〜40年前の古き良きタイの話、インド各地での体験、麹の歴史、発酵のメカニズム、酵素の働き方、いろいろな菌について、、、。
どれも深くて、面白くて、一気に引き込まれたのを思い出します。
「まるで魔法使いみたいな人だ」と、本当に思いました。
チョンブリに帰ってきたその日にヨーグルトメーカーをLazadaでポチって、甘酒を仕込んで、そこから醤油麹、塩麹、味噌と作る様になりました。
気づいたら台所に麹がある暮らしが、すっかり日常になっていました。
そんな麹のある暮らしはとても心地よく、多くの方に知ってもらいたい、是非作れる様になってもらいたい、特にお母さんたちに覚えてもらって、子供達に本物の日本の発酵食品を食べさせてあげたい、
そんな事を考える様になりました。
そして、今回、大西先生をシラチャにお招きして、自分が主催する側としてワークショップを開催する事になったというわけです。
声をかけることから始まった
麹については、本当にたくさんの人に知ってもらいたいと心から思っているので、いろんな方にお声がけをさせていただきました。
なかなか魅力が伝わらなくて難しいな、と感じることもありました。
でも
「麹、作れるんですか?ぜひやってみたいです!」
と喜んでいただける方が数人いて、そういう声を聞けるから、声をかけて本当によかったと思いました。
私の役割はナビゲーターです。
発酵の世界の入口まで一緒に歩いて、あとは受講生がご自身で扉を開いていただく。
そういうイメージで関わっています。
今回は、タイ人の奥様たちにもたくさん来ていただきました。そして私のタイ人の妻にも参加してもらいました。
日本人もタイ人も、同じ時間、場を共有し、同じものを仕込む。言葉が違っても、新しいことを学びたい、美味しいものを作りたいという思いはおんなじです。
麹から醸し出されるほんのりとした甘い匂いがその場に漂い、なんだか独特な空間に変わっていきました。
妻がいつかタイで麹文化を広げるサポーターになってくれたら——そんな未来を想像すると、思わず顔がほころびます。

二日間参加してくださった方から、こんな言葉をいただきました。「昨日の麹の基礎を聞いてから受けると、より深く理解できた」と。
私がお伝えしたいのも、まさにそこなんです。
酵素の働き、発酵のメカニズム。そこがおぼろげながらでも腑に落ちると、発酵の世界の入口に立つことができます。あとは書籍でも動画でも、自分のアイデアでどんどん広げていける。
「こんなに簡単にできるんですか?」という声があちこちから上がりました。
そうなんです、難しくないんです。ただ、知らないだけ。日本人は特にそうだと思うのですが、麹はもうDNAに刻まれているものだと思っています。
香りを感じた瞬間、触れた瞬間に、何か懐かしいものが呼び起こされる——そんな感じがするのかもしれません。
大西先生からこんな話を聞いていました。バンコクの納豆ワークショップはタイ人や欧米の方でいっぱい。
麹について書かれた有名な本は、アメリカ人が書いて日本語に翻訳されている。世界の敏感な人たちはとっくに日本の発酵文化に夢中なのに、いちばん身近にいるはずの日本人がその素晴らしさを知らないままでいる。
ワークショップの場に立つたびに、この言葉を思い出します。
種を蒔いた二日間
ワークショップが終わると同時に、タイ人の知人と「次回一緒に麹と味噌を作りましょう」という話になりました。お互いの麹調味料を分け合いながら、これからますます楽しくなりそうです。
今後はタイ人や東部地域の方々にも、この文化を広げていきたいと思っています。
好きなことをやっていると、疲れないんですよね。むしろ「あれもやりたい、これも伝えたい」と、どんどん湧いてきます。
これがエネルギーの本来の使い方なのかもしれないと、この二日間で改めて感じました。
縁が縁を呼んで、約40名余りの方が参加して下さり繋がったご縁。ここから、どんな縁が育っていくか。それが楽しみでなりません。

