【第1回】 気づいたら、2億円に近づいていた
白い犬が、隣で丸くなっている。
窓の外はもう暗い。今日も仕事をして、ご飯を作って、片付けた。何も特別なことはなかった一日。でもふと、夫婦の資産を合算してみたとき、しばらく画面を見つめていた。
2億円に、近づいていた。
派手なことは何もしていない。起業もしていない。宝くじも当たっていない。夫も私も、どこにでもいる普通の会社員だ。都内近郊の賃貸に住んでいて、車も持っていない。ただ共働きで、30年働いてきただけだ。
なのに、なぜか、こうなっていた。
普通だったはずなのに
自分では、お金に対して特別な才能があるとは思っていない。むしろ逆だ。
FXで1000万円を失ったことがある。株で7〜8年間、働いても資産が減り続けた時期もある。夫に大きな嘘をついていた時期もある。
そのどん底から、どうやってここまで来たのか。
正直に言うと、自分でも整理できていなかった。だからこの連載を書こうと思った。30年分の失敗と、小さな発見と、気づけば隣にいた白い犬の話を。
シロのこと
我が家に白い犬が来たのは、人生で一番しんどい時期だった。
お金のことではない。もっと大事なことで、私は真っ暗な道を歩いていた。
藁をもつかむ気持ちで、ホームセンターに行った。30万円だった。ケチな私が、何も考えずに買った。ケージの組み立て方もわからないまま、その夜、泣きながら説明書を読んだ。
でもその白い犬が、毎日2回、私たちを外に連れ出してくれた。
どんなに辛い朝も、どんなに重い夜も、シロがいたから玄関を開けることができた。
この連載で書くこと
お金の話を書く。でもそれだけじゃない。
なぜ普通の会社員夫婦が2億円に近づいたのか。何に失敗して、何がうまくいったのか。家族のこと、犬のこと、自分が変わっていくまでの話。全部、正直に書くつもりだ。
かつて真っ暗な道を歩いていたとき、私が欲しかったのは「怖い本」じゃなかった。希望を持った人の話が読みたかった。もし今、誰かが同じ場所にいるなら、この連載がその人に届けばいいと思っている。
次回:「FX1000万円を失った、あの夜のこと」
