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ガラスとともに

3月に入ってから寒い日が続きますね。今日も気温が上がりきらず風も強く、寒さが身に沁みる1日でした。そんな強風の中、神戸市立博物館へ行ってきました。先月末に期限の切れたミュージアムカードを購入し直し(ミュージアムカードは4月1日から値上げをするそうで、今日買えてラッキーだったかも)、現在開催されている特別展を鑑賞してきました。「受贈記念特別展 ガラスとともに―玻璃文庫名品撰」と、同時開催の「特別展 秋岡図書―地理学者のコレクション―」、コレクション展です。博物館の3階で秋岡図書を、2階でガラスとともに、コレクション展示をやっています。まずエレベーターで3階に上がり、上から順に見ていきました。

博物館入口にて

秋岡図書とは、地理学者の秋岡武次郎のコレクションのことで、古地図や地理書、測量器具など幅広く興味を抱き蒐集していたのだそうです。秋岡図書という名前は蔵書印に「秋岡図書」という印影が見られるからで、秋岡氏本人が自分のコレクションを「秋岡図書」と名付けていたかもしれないということでした。その秋岡武次郎という名前に聞き覚えがあるので、昨年に開催された古地図のコレクション展「古地図からひろがる世界―南波松太郎・蒐集70年の軌跡―」を見た時の記事を読み返してみたら、

南波松太郎(1894-1995)は大阪生まれで旧制中学校の同級生だった秋岡武次郎に誘われて古地図の蒐集をはじめたそうです。

古地図からひろがる世界 ー南波松太郎・蒐集70年の軌跡ーより

去年見た南波松太郎氏の同級生だったのでした。つくづく博物館のコレクションというものはコレクターあってのものだと感じます。私自身、古地図を眺めるのが好きで、それでこちらの博物館のカードを買って楽しみに見ているので、ありがたい限りです。
それはそうと、この秋岡武次郎さんの膨大なコレクションは国立歴史民俗博物館と神戸市立博物館とに分かれて収蔵されているのだそうです。

坤輿万国全図 江戸時代、17世紀以降

上の地図はとてもサイズの大きなもので、イタリアのイエズス会の宣教師であるマテオ・リッチが作成した地図(1602年出版)を、江戸時代の日本で写されたものだそうです。江戸時代の日本は鎖国をしていましたが、日本の外に対する関心はかなり深かったのでしょう。

大輿地球儀 沼尻墨僊 安政2年(1855)

上の地球儀は沼尻墨僊という私塾の指導者が作成した折り畳み式の地球儀です。木版刷りの地図の断片12枚、軸木、轆轤、竹ひごなどを用いているそうです。地球儀のフォルムが美しくて印象に残りました。

秋岡図書を見た後は階段で2階へ下りて、「ガラスとともに」を見ました。受贈記念とあるのは、神戸松蔭女子学院大学名誉教授・棚橋淳二氏が蒐集された玻璃文庫コレクションの寄贈があったからで、初公開の作品も多く展示されているということでした。
びいどろ・ぎやまんと呼ばれる江戸時代の和ガラス、明治以降の近代の和ガラス、輸入ギヤマン、ガラス製の理化・医療器具、七宝焼・中国のガラス・和磁石という章立てで多様なガラス作品を見ることができました。

乳青色・青色・紫色・乳白色・無色捻りガラス簾
(販売)芝明神前豊田屋吉兵衛、江戸時代、18世紀-19世紀

ガラスの簾は刺身などを盛り付ける時や、筆巻として使われていたそうです。ガラスの簾なんて壊れそうで怖くて使えないと私などは思ってしまいます。でも一本一本が捻ってあるので、それで壊れにくかったのでしょうか。

瓶細工 江戸時代-明治時代、18世紀-19世紀

ボトルシップのように、ガラス瓶の中に細かい部品を入れて組み立てるタイプの細工物です。作り方が書かれた紙も展示されていました。←作れる気がしません

治療箱 大正12年(1923)

治療箱の何がガラスに関係があるのかというと、薬の入った薬瓶がガラス瓶なんですね。玻璃文庫のコレクションの多くは、この理化医療器具が占めるのだそうで、こうした治療箱や薬篭などの他に、理科の実験で使うようなビーカーやメスシリンダーなどの用具も多く展示されていました。

手彫り切子金赤にエアーツイストガラス脚付杯
品川硝子製造所か 明治10-20年

上は今回のメインビジュアルに使われているガラス器で、明治期に外国の技術が盛んに入ってきている際に、外国人技師に指導を受けた職人などが作ったのではないかとされるものだそうです。杯の脚の部分の赤いらせん状の装飾が美しいです。こうした技術が外国から入ってきたことで、江戸時代までの技術が失われることにもなったそうで、こちらの杯は過渡期にあって今はもう残っていない技術、今の受け継がれる技術がともに使われているものだそうです。考えさせられます。

こちらの展覧会は4月5日まで。
2026年度は河鍋暁斎やトーベとムーミン展などが予定されているそうです。詳しくは下記でご確認ください。


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