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赤という色、いとあはれなり

ビルの狭間に伸びる、
ゆるやかな遊歩道。花のあいだをすり抜けながら、ウサギたちはのんびりおしゃべりしていた。

「ねえ、クラリス。
……ちょっと聞きたいんだけど」

ウサギはふいに一歩前に出て、
くるりと振り向いた。
「……もしかして、恋してる?」

「ど、どうしたのよ……急に」
クラリスの足がぴたりと止まる。

「オクトラが言ってたのよ。
歩くリズムで、気づいたんだって」

クラリスの目が泳ぐ。
「そ、そんなの真っ赤な思い違いよ。
……根も葉もないことを言うんだから。困ったものね」

ウサギは上目遣いで、
クラリスの顔をのぞき込む。

「でも、あなたって、
嘘をつくと、そんなふうに赤くなるわよね。
……で? 相手はどなた?」

「それは言えないわ……。
ま、待って! 違うのよ!」

「それで?
赤い糸でつながってるの?」

「ねえ……その話から離れない?」

「まだ、つながってないのね」
「そんなことないわ!」

ウサギは赤い髪を眺めながら、
クラリスの周りをゆっくりひと回り。

「恋しても赤、怒っても赤なんて……。
赤って、忙しいのね」

「……しらない!
それ以上は、もう赤信号よ」

クラリスは真っ赤な顔を両手で隠して、
その場に座り込んだ。

「ふふっ、冗談よ。……たぶんね」

十人十色──

赤って不思議。
同じ赤なんて、ないのかもしれない。
……でも、
あなたの赤は、
嫌いじゃないわよ。

ウサギはクラリスに手を差し伸べ、
そっと立ち上がらせると、赤い髪をそっと撫で、ぎゅっと抱きしめた。

そして、耳元でそっと……。

「で?
……ちゃんと、教えて♡」

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