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暗黒の小学生時代②

暗黒の小学生時代①の続きです。
「暗黒の小学生時代①」の終盤で、「決められた未来からの脱出」という話を書きました。
私たちの住む某県では、当時、公立小学校からそのまま学区の公立中学校へ進学するのが一般的でした。
ここでいう「決められた未来からの脱出」とは、中学受験をして学区の中学校ではない別の中学校へ進学することを指しています。
中学受験についても語りたいことは山ほどありますので、その話はまた別の機会にしたいと思います。

今回は、私自身にとっても、そしてKにとっても、特につらかった出来事について書きます。
Kは数学の力が突出していました。そのため、テストなどで高得点を取るたびに、その凄さが周囲の子どもたちにも知れ渡ってしまいます。
しかし、それは必ずしも良いことばかりではありませんでした。
Kの話によると、廊下ですれ違いざまに突然暗算をけしかけられることがあったそうです。
しかも、その問題はまともな計算問題ではなく、わざと答えられないような無理難題ばかりでした。

「ドラえもん × ドラえもんは?」
「2に4を掛けたら答えが1億になりました。何故でしょうか?」
──なぞなぞかい💦💦

そんな質問を投げかけられることもあったそうです。
こうしたことが積み重なると、妻が以前から心配していたことが、ますます現実味を帯びてきます。

私は考えました。
そしてKに諭しました。

私「K、算数の実力を隠しなさい。これ以上
  からかわれたりしないようにするためだ。
  目立たないようにしよう。
  算数ができることは素晴らしいことだ。
  だが、今はやむを得ない。
  もちろん学校での話だよ。
  家では今までどおり数学の勉強を続けて
  いこう。」
   ※当時、家ではすでに中学数学を勉強して
    いました。
K「……」

酷い話だと思います。
できるのに、できないふりをしろと言うのですから。
Kが可哀想だとも思いました。
それでも、当時の私にはそうするしかありませんでした。
算数ができることで称賛されるどころか、からかわれていたのですから。
いつだったか、Kの作文にこんなことが書かれていました。

「運動会では運動が得意な人は普通に称賛されるのに、何故、算数が得意だとからかわれるのだろう」

その言葉は、今でも忘れられません。
私は、算数の実力を隠せと言ったあと、さらに
こう伝えました。

私「今は一緒に耐えよう。
  でも、Kが努力を続けていけば、いつか必ず
  報われる日が来る。
  Kと同じように数学が好きな子たちと出会え
  る日が来る。
  好きな数学について思う存分話せる友達も
  できるだろう。
  だから、一緒に頑張ろう。」

【作者より】
息子の、辛かった幼少期から東大合格に至るまでのエピソードを連載しています。
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