6. 食後の初お薬 【すっとんきょうな出来事 〜精神科に入院した私の記録〜】
※この記録は実体験をもとに書いています。登場人物はすべて仮名とし、個人が特定されないよう、一部の設定や時系列などの細部を変更しています。
おはようございます。
スットンキョウと申します。
初日の夕飯が、つつがなく終了しました。
お腹も満たされ、ようやく考える余裕が出てきます。
食事は17時50分ごろから始まり、
ゆっくり食べて18時20分ごろには終了。
消灯は21時なので、まだまだ時間があります。
とはいえ、やることはありません。
食後もラウンジで、所在なくぼーっとしていました。
すると、看護師さんのワゴンの前に長蛇の列。
「なんだこれ?」
と思って見ていると、どうやら食後のお薬待ちの列でした。
この病院では、食器を返却したあと、
そのまま看護師さんのワゴンに並んで
お薬を受け取るのがルーティンになっていました。
朝・昼・夕・寝る前の4回飲む人もいれば、
夕食後と寝る前だけの人もいて、
タイミングは人それぞれです。
私は夕食後と寝る前の、1日2回。
…だったらしいです。
最初にも書いたとおり、
この病院はチュートリアルゼロ。
私は自分が薬を飲むことすら知りませんでした。
なので、薬の列を「へぇ、みんな飲むんだなぁ」と他人事のように眺めていると、
「スットンキョウさん、お薬ですよ。」
と看護師さん。
すると近くの患者さんが、
「ほら〜、お薬忘れてるよ〜。」
とフォロー。
まるで私が精神病患者みたいな扱いを受けてしまいました。
(注:紛れもない精神病患者です。)
いや、聞いてないし。
そう言いたい気持ちを飲み込み、
とぼとぼ列へ向かいました。
ところが、ここで症状を発揮します。
この時点で私が信頼していたのは、
主治医の先生だけ。
その先生は17時半には退勤しているので、
目の前にいる看護師さんとは全員初対面です。
初対面の人から、聞いていない薬を渡される。
当時の私には、それがものすごく怖かったのです。
「えっと……薬を飲むって聞いてないんですけど。ちなみに何の薬ですか?」
看護師さん、即答できず。
それもそのはず。
薬の袋には薬品名は書かれておらず、
何十人もの患者さんがそれぞれ違う薬を
飲んでいます。
一人ひとりの薬の名前や効能を、
その場ですべて答えられるわけではありません。
でも当時の私は、
「え、大丈夫?」
と、ますます不信感が募ります。
本当に主治医の先生の指示?
何を飲まされるの?
薬の名前が分からないなら、
どういう効能の薬なんですか?
さらに困る看護師さん。
完全に面食らっている様子でした。
(注:入院初日の精神病患者なので、
相当疑り深くなっています。)
結局、ここは病院です。
押し問答の末、おとなしく薬を飲みました。
やれやれ。
(やれやれだったのは看護師さんの方でしょう)
ちなみに抵抗したのは、この初日だけ。
要領を覚えた翌日からは、列に並び、
「スットンキョウです。」
と名乗って、サッと薬を飲む模範的患者になりました。
自分で言うのも何ですが、基本は優等生タイプなのです。
本当は食後のラウンジで起きた一悶着を書く予定だったのですが、
薬を飲むだけで1話使ってしまいました。
次回、「不可避のLINE交換」。
乞うご期待!
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わぉ、こんなスットンキョウな私にチップを贈りたいと思ってくれたんですね。その気持ちだけで十分です。すみませんカッコつけました、チップぜひお願いします(土下座)