便利な苦笑い
ビュリュリュン ビュリュリュン ビュリュンリュンリュン…パフッ…プス〜ッ
(なんの音???)
音のする方を見る。
改造したママチャリにまたがっているおじさんがいた。
髪は肩までの長さで半白髪。白いブカブカヨレヨレのタンクトップに短パンのおじさんが、改造ママチャリを停めようとしていた。
エンジンみたいなのと、ナンバープレートが付いてる。
(あれって有りなの?エンジンが付くとナンバーがいるの?)
ペーパードライバーの私には分からない。
(へんなの〜)
変な人と目が合ってしまった。ゔぇぇっ!
(こっちに来るなよ〜!)
来なかった。ホッ…
細〜いおじいちゃんが渡してきたナンバーズのマークシート。発券機にかけると、エラーで戻ってきた。
見ると、ランダムに機械が数字を選ぶクイックピックのところと、取り消しのところと、両方にボールペンでチェックがしてあった。
説明しても説明しても、なかなか間違いを理解してくれないおじいちゃん。
『ボールペンだと消せませんから、鉛筆でお願いします』
『なぜ?』
(なぜ とは? だぁ、かぁ、らぁ、だからね、今話したでしょ〜 伝わらないのは、私の言い方のせい?)
はぁぁぁぁ
このやり取りを見ていたのが、バリバリの江戸っ子、元芸者のおばあちゃん。
『あーゆうのをねぇ、おたんちんのおたんこなす!って言うんだよ!男のくせにぐだぐだ長々、しつこいったらありゃしない』
『アハハハ、おたんこなすなんて、久しぶりに聞いたわ』
おばあちゃんの止まらない文句を、苦笑いしながら聞いていた。
夢か誠か幻か……
2億円が当たったことがあると言う老女は、2億円の使い道を長々と話して聞かせてくれた。
老女の次に並んでいた常連のおじさんは同情気味に、
『話しを聞くのも楽じゃないよなぁ』と言った。
苦笑いを返す私。
日本に住んで数十年だと言う自称自営業の外国人が、
『あなたいい人ね!あなたの行いは神様見てる!ボクはこれ当たったら、皆んなをhappyにするだからね!良いことすれば全部自分に返ってくるの!だからボクは悪いこと絶対しないの!あなたhappyですか???』
私の返事を待たずに、
『大丈夫!あなたhappyなれる!人間は皆んな同じ!偉いも偉くないもないの!happyになれるから!』
(なんだよ、私はhappyじゃないんです!なんて言ってないのに!)
この人にも、苦笑いだけを返しておく。
お客さんと会話をするのは楽しいのよ〜
だけどね、、私だって疲れるんじゃい!
話したくない気分の日だってあるんじゃい!
ロト6を数枚持って来た30代くらいのお姉ちゃん。
『1枚当たってるの 調べて!』
機械に通す。全部ハズレだったので返すと、
『うっそだー!1枚当たってるはずなんだけど?』
『うーん そう言われても…機械は間違えませんから…』
急に声を荒らげてきた!
『なんで?絶対?絶対ってことはないでしょ?機械だって故障することあるでしょ?私、チェックしてきたから!当たってるはずなんだけど!』
仕方ないから当選表を取り出す。お姉ちゃんも自前のメモを取り出した。
1つ1つ、当たりの数字をチェックすると、お姉ちゃんは23を選んでいた。当たりの数字は13。
形勢逆転!!!
『あ〜、これですね 23じゃなくて、13です メモ、間違えてますねぇ』
穏やかに、けど、冷やかに、ちょっぴり嫌味を含めつつ言い返す。
『えぇっ?』
(えぇっ?じゃないよ ごめんなさいは?)
パフッ、パフッ、ヒュルルルー ボフッ 音がした。
改造ママチャリの音だった。
おじさんがこちらに向かって来た!
(なんで来るんだよ〜)
『すみません、エンジンがかからなくなっちゃって、ドライバーありませんか?』
(あるわけない)
その短いやり取りの最中、ロトのお姉ちゃんが行ってしまった。
おじさんも、エンジン付きのママチャリを普通に漕いで行ってしまった。
残された私は、、、
次に来たお客さん。と〜ってもお行儀の悪い外国人にキツめの注意をすることで、苛々を紛らわしてしまうことに…
つづく…
かも。。。
