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笑わない女の子は、こんなにも魅力的だ。

小学生の頃、近所の図書館では本だけでなく、ビデオも借りることができました。

そこで何度も借りていたのが、『アダムス・ファミリー』。

風変わりで、不気味で、それなのになぜか愛おしいアダムス一家。
皆さんもきっと、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

中でも私が大好きだったのが、ウェンズデーでした。

真っ黒な洋服に、きっちりと編まれた二つの三つ編み。
全然笑わなくて、子どもなのにどこか冷めた目で世界を見ている。

初めて見たときの感想は、とても単純でした。

「可愛い!」

当時、子どもの洋服といえば、もっと色が溢れていたように思います。
そんな中で、全身を黒で包んだウェンズデーの姿は、子どもの私にはとても新鮮だったんです。

黒い服って、なんて品があって素敵なんだろう。

そう思った私は、ウェンズデーに憧れて、よく三つ編みにしていました。
私にも弟がいるので、弟のパグズリーと一緒にいる姿にも、なんとなく親近感があったのを覚えています。
(もちろん、あんなにいじめてはいませんが。)


ウェンズデーは、笑いません。

だけど『アダムス・ファミリー』には、そんな彼女が無理やり笑顔を作る場面があるんです。

普段まったく笑わない女の子が、笑う。

そのあまりの可愛さに、子どもの私は卒倒しかけました。
笑わなくても、こんなにも魅力的なのに。
笑ったら笑ったで、とんでもなく可愛い。

そして不思議なことに、その頃から私は漠然と、

「人を笑顔にさせたいな」

と思うようになったんです。

ウェンズデーへの愛は、その後もなくなりませんでした。

高校生になった私は、制服のシャツの第一ボタンまできっちり留めていました。
別に校則で決められていたわけではありません。
周りは開けている子のほうが多かったと思います。
それでも私は、きっちり留めるのが好きだったんです。

ウェンズデーの影響です。

そしてこの頃には、ハリー・ポッターのスネイプ先生の影響もかなり入っていました。

ウェンズデーとスネイプ先生。
今考えるとなかなか濃い二人ですが、私が惹かれていたところは、少し似ていたのかもしれません。

誰かに合わせて自分を変えるのではなく、自分の考えをちゃんと持っている。
自我があって、芯がある。
そんな人たちに、私は昔から惹かれてきました。


だから、Netflixで『ウェンズデー』が配信されると知ったときは、大変でした。

ずっと楽しみにしていたんです。
子どもの頃から大好きだったウェンズデーが主人公になる。
期待しないわけがありません。

そして、ジェナ・オルテガ演じるウェンズデーを初めて見ました。

ありがとうございます!! 解釈一致です!!!

そんな気持ちでした。

特に「初恋はサルトル」と言ったときには、

そう。そうなのよ。ウェンズデーってそうなのよ!

と、勝手に深く頷いてしまいました。

プールにピラニアを放つシーンでは「だいぶ過激になったな」と思いましたが、そこで見せるあの邪悪なお顔。

ああ、ウェンズデーだ。

私が小学生の頃から好きだった女の子が、ちゃんとそこにいたんです。


シーズン1は10周しました。
あまりにも見すぎて、友人にはちょっと引かれたくらいです。
自分でも見すぎだとは思うのですが、それでもまた観たくなってしまうんですよね。

音楽も好きですし、映像も好き。
ネヴァーモア学園の独特な世界観も、そこにいるちょっと変わった人たちも、全部好きです。

そして何より、タイラーとのやりとりが好きなんです。

笑わない女の子と、人当たりのいい好青年。
そんなの、最高に決まっていますよね。

二人の間にある、近づきそうで近づかない距離感や、ウェンズデーらしい不器用なやりとりを、結末をわかっていても何度も観てしまいます。

シーズン2も、もちろん周回済みです。
たぶん私はこれからも、何度だってネヴァーモア学園に戻ってしまうんだと思います。


大人になった今も、やっぱりウェンズデーが好きです。

一人でなんでもやってしまうところ。
誰かに好かれるために自分を変えないところ。
自分の「好き」を、自分でちゃんと好きでいるところ。

でも、一人で生きているように見えるウェンズデーが、少しずつ周りの人や家族と関係を築いていくところも好きなんです。

笑わないことと、人を大切に思わないことは、同じじゃない。

思えば私は、小学生の頃から「笑わない女の子」にこんなにも惹かれていました。

そして今、私はフォトグラファーとして子どもたちを撮る仕事をしています。

もちろん、笑ってくれたら嬉しいです。
一緒に遊んで、おふざけをして、その子が心から笑ってくれた瞬間は、今でもたまらなく嬉しいものです。

だけど、笑わない子を「困った子」だとは思いたくないんです。

カメラの前で笑わなくたっていい。
恥ずかしそうな顔も、むすっとした顔も、じっとこちらを見つめる顔も。
その子がその子でいる顔なら、ちゃんと残したいと思っています。

小学生の私がウェンズデーを見て、

「笑わなくても、こんなに可愛いんだ」

と思ったこと。

そして、そんな彼女が笑った瞬間を見て、

「人を笑顔にさせたい」

と思ったこと。

今の私の写真の中にも、その二つの気持ちは、少しだけ残っているのかもしれません。

笑わない女の子は、こんなにも魅力的です。

それを最初に教えてくれたのは、二つの三つ編みを揺らしながら、今日も不機嫌そうな顔をしている女の子でした。


シーズン3もとっても楽しみにしてます!!!!!(イーニッド!!!!!)


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Hiroka Nomura/SunflowerPhotography 読んでくださってありがとうございます。