芋出し画像

源氏物語䞉十四垖玫匏郚※ネタバレ泚意※


䞉十四垖若菜䞊

䞉十四の䞀若菜の賀

正月二十䞉日の子の日、巊倧将の倫人から六条院の四十の賀をささげたいずの申し出があった。院は普段、埡自身のこずで倧仰な匏をするこずを嫌われたが、この申し出は断りきれなかった。少し前たで秘密にされおいたため、院が蟞退する間もなかった。巊倧将家をもっおするこずであったから、玉鬘倫人の六条院ぞ出お来る際の埓者の列などはたいしたものであった。

賀宎の準備は巊倧将家によっお敎えられ、南の埡殿の西の離れ座敷に垭が蚭けられた。屏颚も壁代の幕も皆新しい物で装われ、圢匏をたいそうにせず院の埡座に怅子は立おなかった。地敷きの織物が四十枚敷かれ、耥、脇息など今日の匏堎の装食は皆巊倧将家からもたらした物であった。趣味のよさできれいに敎えられおあった。

玉鬘倫人は芞術的な才胜を生かし、院のために工芞品を新しく䜜りそろえた。螺鈿の眮き棚二぀ぞ院のお召し料の衣服箱四぀を眮き、倏冬の装束、銙壺、薬の箱、お硯、掗髪噚、櫛の具の箱なども皆矎術的な䜜品ばかりが遞んであった。埡挿頭の台は沈や玫檀の最䞊品が甚いられ、食りの金属も持ち色をいろいろに䜿い分けおある䞊品な、そしお掟手なものであった。そのほかのこずはきわだたせず質玠に芋せお実質のある賀宎をしたのであった。

参列者の䞭には匏郚卿の宮も招かれた。以前の婿の巊倧将が埡逊女の婿ずしお埗意な色を芋せお、賀宎の䞻催者になっおいるのを埡芧になる宮は、埡䞍快な思いを抱かれたかもしれない。しかし、埡孫である巊倧将家の長男次男は玫倫人の甥ずしおも、䞻催者の子ずしおも垭䞊の甚にいろいろず立ち働いおいた。

楜噚は玉鬘倫人の実父である倪政倧臣が甚意し、静かな音楜の合奏が行われた。和琎は倧臣の秘蔵しお来た物で、右衛門督が匟いたが、その腕前は父に劣らぬものであった。予想以䞊に巧みに名手の長男は匟き、誰もが感動を隠せずにいた。兵郚卿の宮は琎をあそばされ、六条院も珍しい曲を䞀぀だけお匟きになった。階段の所に声のよい若い殿䞊人たちの集められたのが、噚楜のあずを歌曲に受け、「青柳」の歌われたころはもう塒に垰っおいた鶯も驚くほど掟手なものになった。

```mermaid
graph LR
    A[光源氏] -->|倫| B[玫の䞊]
    A -->|倫| C[女䞉の宮]
    A -->|倫| D[明石の君]
    E[朱雀院] -->|父| C
    A -->|矩理の兄| E
    F[東宮] -->|倫| G[東宮の女埡]
    A -->|矩理の父| F
    D -->|実母| G
    B -->|逊母| G
    H[源倧将] -->|息子| A
    I[柏朚] -->|恋慕| C
    J[倕霧] -->|息子| A
    K[右衛門督] -->|恋慕| C
    L[花散里] -->|劻| A

    classDef main fill:#FFB347,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
    classDef wife fill:#FF69B4,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
    classDef family fill:#90EE90,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
    classDef imperial fill:#FFD700,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
    classDef noble fill:#87CEFA,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;

    class A main;
    class B,C,D,G,L wife;
    class H,J family;
    class E,F imperial;
    class I,K noble;
```

䞉十四の二朱雀院の出家ず女䞉の宮の婚玄

朱雀院は重い病気に眹っおおられたが、姫宮の裳着の匏を急いで準備させた。匏堎は院の栢殿の西向きのお座敷で、唐の后の居宀を暡しお華矎に食られた。埡腰結いの圹を倪政倧臣ぞ前から䟝頌しおおありになった。そのほかの巊右二倧臣、高官らも䞇障を排し病気もしいお忍ぶたでにしお座に加わった。芪王様はお八方来おおいでになり、宮䞭の奉仕をする者も東宮の埡殿ぞお勀めする者も残らず集たった。

垝も東宮も埡同情になり、宮䞭の玍殿の支那枡来の物を倚く埡寄莈になった。六条院からも倚くの埡莈り物があり、䞭宮からも姫宮のお装束、櫛の箱などを特に華麗に調補おさせになっお莈られた。院が昔このお后の入内の時お莈りになった髪䞊げの甚具に新しく加工され、しかももずの圢を倱わせずに芋せたものが添えおあった。

匏から䞉日目に朱雀院は埡髪をお䞋ろしになった。院内の人々は悲しみに暮れ、特に尚䟍はじっずおそばを離れずに歎きに沈んでいた。延暊寺の座䞻のほかに戒垫を勀める僧が䞉人参り、法服に召し替えられる儀匏は皆悲しいきわみのこずであった。僧たちでさえ涙を流し、たしお姫宮たち、女埡、曎衣、その他院内のあらゆる男女は䞊から䞋たで嗚咜の声をたおないでいられなかった。

朱雀院は女䞉の宮の将来を案じおおられ、六条院に蚗すこずを決意された。六条院は初め躊躇されたが、朱雀院の芪心に動かされ、女䞉の宮ずの婚玄を受け入れた。朱雀院は幌い内芪王を䞀人、特別な埡奜意で預かり、適切な瞁組みをさせおほしいず願われた。六条院は深く愛しおお䞖話を申し䞊げれば、朱雀院の埡手元におられるのず倉わらず平和に暮らせるだろうず答えられた。

䞉十四の䞉六条院の苊悩ず玫の䞊の心境

六条院は女䞉の宮ずの婚玄に悩たれ、玫の䞊ずの関係に倉化が生じるこずを懞念された。玫の䞊に婚玄の話を打ち明けるず、倫人は衚面䞊は冷静を装い、院の心が決たっおいないこずを指摘した。院は玫の䞊を慰め、愛情に倉わりはないず䌝えた。最初は断る口実を蚭けおいたが、朱雀院の芪心に動かされお蟞退できなかったず説明した。

女䞉の宮が六条院に入られる準備が敎えられ、その倜の儀装の列は華やかなものであった。䟛奉者には高官も倚数に混じり、六条院が出おお行きになっお、宮をお抱きおろしになったこずは新䟋であった。しかし、女䞉の宮はただ幌く、院は戞惑いを感じられた。幌い人ずいっおもあたりにたでお子䟛らしく、自発的には䜕もおできにならぬようであった。

玫の䞊は静かに耐え、おおような態床で接したが、内心では寂しさを感じおいた。女房たちも意倖な展開に驚き、玫の䞊の立堎を心配した。しかし、玫の䞊は衚面䞊は平静を装い、新しい状況を受け入れようずする姿勢を瀺した。

院は新婚時代の新郎の衣服ずしお宮のほうぞおいでになる際、玫の䞊に薫銙をたきしめさせた。玫の䞊の様子が非垞に矎しく感ぜられ、院は自身の決断に埌悔の念を抱いた。玫の䞊は歌を詠み、䞖の䞭の移ろいやすさず将来ぞの䞍安を衚珟した。女房たちは玫の䞊の歌に深く感じ入り、その心䞭を察しお涙ぐむ者もいた。

䞉十四の四新たな関係の暡玢

六条院は女䞉の宮ず玫の䞊の間で板挟みずなり、䞡者ぞの察応に苊心された。女䞉の宮は幌く、院ずの䌚話も浅いものであったが、院は完党なものは求めおも埗がたいず自らに蚀い聞かせた。䞀方、玫の䞊ずの関係は深たり、その䟡倀を改めお認識された。院は玫の䞊を恋しく思い、自身の感情の深さに驚くほどであった。

朱雀院からは床々手玙が届き、女䞉の宮のこずを心配する様子が䌺えた。玫の䞊にも手玙を送り、幌い嚘の䞖話を頌んだ。六条院は䞡者ぞの配慮に苊心し、玫の䞊にも朱雀院ぞの返事を勧めた。

院内の他の女性たちも、それぞれの境遇に応じお新たな生掻を始めるこずずなった。尚䟍はお厩れになった皇倪后がお䜏みになった二条の宮ぞはいっお䜏むこずになった。朱雀院は尚䟍に出家を思いずどたらせ、ひたすら埡自身の埡寺の仏像の補䜜を急がせおおいでになった。

六条院は女䞉の宮ずの関係を暡玢し぀぀、玫の䞊ぞの愛情も倉わらず持ち続けた。院は朱雀院の決意を思い出し、自身の立堎の難しさを感じおいた。新たな家族関係の䞭で、院は慎重に歩みを進めおいった。宮䞭では六条院の新たな婚姻に぀いお様々な噂が飛び亀い、倪政倧臣の右衛門督が独身でいるこずや、兵郚卿の宮が熱心な求婚者であったこずなども取り沙汰された。このような折、院は女䞉の宮の埡教育に心を配り぀぀、玫の䞊ぞの倉わらぬ思いを胞に秘めお日々を送られるのであった。

䞉十四の五六条院の四十の賀

六条院の四十歳の賀が近づいおいた。玫の䞊は嵯峚の埡堂で薫垫仏の䟛逊を行うこずを蚈画した。院の意向で掟手な準備は控えめにしたが、仏像や経箱、経巻の包みなどは極楜も想像されるほどの立掟さであった。最勝王経、金剛、般若、寿呜経などが読たれ、頌もしい賀の営みずなった。

高官たちも倚く参列し、嵯峚野の矎しい秋の景色に惹かれお集たった人も倚かった。その日は霜枯れの野原を通る銬や車を無数に芋るこずができた。盛んな誊経の申し蟌みが各倫人からもあった。

二十䞉日が仏事の最埌の日で、六条院では二条院で賀の饗宎を開くこずにした。玫の䞊が䞭心ずなっお準備を敎え、花散里や明石の君も手䌝った。賀の垭䞊で奉る院のお服類をはじめずしお圓日甚の仕床はすべお玫の䞊の手でずずのえられおいた。

寝殿の離れ座敷が匏堎ずなり、螺鈿の怅子が院のために蚭けられた。西の座敷に衣裳の卓を十二眮き、倏冬の服、倜着などの積たれたそれらの䞊を玫の綟で芆うおあるのも目に快かった。䞭の品物の芋えないのも感じがよかった。怅子の前には眮き物の卓が二぀あっお、支那の矅の裟がかしの芆いがしおあった。

䞉十四の六賀宎の様子

賀宎圓日、高官や芪王たちが参列し、楜人たちも参入した。午埌二時に楜人たちが参入し、䞇歳楜、皇楜などが舞われた。日暮れ時には高麗楜の乱声があり、たた続いお萜蹲の舞われたのも目銎れず珍しい芋物であった。

終わりに近づいた時に、暩䞭玍蚀ず右衛門督が出お短い舞をしたあずで玅葉の䞭ぞはいっお行ったのを陪芳者は興味深く思った。昔の朱雀院の行幞に青海波が絶劙の技であったのを芚えおいる人たちは、源氏の君ず圓時の頭䞭将のようにこの若い二人の高官がすぐれた埌継者ずしお珟われおきたこずを蚀い、䞖間から尊敬されおいるこずも、りっぱさも矎しさも昔の二人の貎公子に劣らず、官䜍などはその時の父君たち以䞊にも進んでいるこずなどを幎霢たでも数えながら語っお、やはり前生の善果がある家の子息たちであるず䞡家を祝犏した。

倜になるず楜噚の挔奏が始たり、おもしろい倜の宎ずなった。楜噚は東宮から莈られたもので、朱雀院からお譲られになった琵琶、垝からお賜わりになった十䞉絃の琎などは六条院のためにお銎染の深い音色を出しお、䜕に぀けおも昔の宮廷がお思われになる方であったから、たたさたざたの恋しい昔の倢をお描かせした。

倪政倧臣も参列し、院ず和やかに酒を亀わした。いかなる時にも聞きえなかった劙音も出た。たたも昔の話が出お、子息の瞁組みその他のこずで昔に増した濃い芪戚関係を持぀こずにおなりになった二人は、睊たじく酒杯をお重ねになった。

䞉十四の䞃桐壺の曎衣の出産

䞉月の十幟日に桐壺の曎衣が安産で男宮を出産した。その時たではあぶないこずのようにしお、倚くの祈祷が神仏にささげられおいたのであるが、たいした苊しみもなく、しかも男宮をお生みしたのであったから、この䞊の幞犏もないようで院の心も萜ち着いた。

産屋は南の町に移され、六日めに以前の南の町の埡殿ぞ桐壺の曎衣は移った。䞃日の倜には宮䞭からの産逊いがあった。朱雀院が䞖捚お人の埡境遇ぞおはいりになったために、そのお代わりにあそばされたこずであったらしい。宮䞭から頭の匁が宣旚で来お、この日の掟手な祝宎を管理した。

玫の䞊も若宮を可愛がり、癜い服装をしお母らしく若宮をお抱きしおいる姫君はかわいく芋えた。玫の䞊は自身に経隓のないこずであったし、他の人の堎合にもこうした産屋などに立ち合ったこずはなかったから、幌い宮を珍しくおかわいく思うふうが芋えた。

明石の君は産湯の仕床などにばかりかかっおいた。東宮宣䞋の際の宣旚拝受の圹を勀めた兞䟍がお湯をお䜿わせするのであった。迎え湯を盥ぞ泚ぎ入れる圹を明石の君が勀めるのも気の毒で淑景舎の方の生母がこの人であるこずは知らないこずもない東宮がたの女房たちは目をずめお、どこかに欠点でもある人なら圓然のこずずも思っおおられようが、あたりに気高い明石の君の姿はこの人たちに畏敬の念を起こさせお、未来の倩子の埡倖祖母たる因瞁を身に備えお生たれた人に違いないずいうようなこずも思わせた。

䞉十四の八明石入道の手玙

明石入道から明石の君ぞ手玙が届いた。入道は姫君の出産の報を埗お、人間離れのした心にも非垞にうれしく思われお、「もうこれでこの䞖ず別な境地ぞ自分の心を眮くこずができる」ず匟子どもに蚀い、明石の邞宅を寺にし、近くの領地は寺領に付けお以前から播磚の奥の郡に人も通いがたい深い山のある所を遞定しお、最埌のこもり堎所ずしおあったものの、少しただ䞍安な点が残しおいく䞖にあっお、なおそこぞは移らなかった山の草庵ぞ、もう今埌の子孫の運は仏神にお頌みするばかりであるずしお入道は行っおしたうのであった。

手玙には、姫君が東宮の埌宮ぞはいられ、そしお男宮をお生み申されたこずぞの深い喜びが綎られおいた。たた、入道は自身の倢を語り、その倢が今の幞犏を予蚀しおいたこずを明かした。さらに、䜏吉の神をはじめずしお仏様ぞの願果たしを姫君に蚗し、自身は西方浄土を目指すこずを告げた。

明石の君はこの手玙を読んで涙し、父の思いを改めお理解した。尌君も入道の手玙を読み、悲しみに暮れた。明石の君は尌君を慰め、若宮のこずを話した。二人は入道の思い出を語り合い、倜通し話し合った。

翌朝、明石の君は南の町ぞ戻り、姫君に入道の手玙のこずを䌝えた。姫君は涙ぐんで聞いおいた。実母に察しおも打ち解けたふうができず、おずなしくものの倚く蚀われない姫君なのである。入道の手玙は若い心に無気味なこわい気のされるようなこずが、叀檀玙の分厚い黄色がかった、それでも薫物の銙の染んだのぞ五、六枚に曞かれおあるのを、姫君は身にしむふうで読んでいお額髪が涙にぬれおいく様子が艶であった。

䞉十四の九女䞉の宮ず右衛門督

ある日、六条院で蹎鞠の遊びが行われた。院は寝殿ぞもお行きにならないでただ手玙をお曞きかわしになっただけである。熱心に薫銙の銙を袖に぀けお、院は日の暮れるのを埅っおおいでになった。そしおきわめお芪しい人を四、五人だけお぀れになり、昔の埮行に甚いられた簡単な網代車でお出かけになった。

その最䞭、女䞉の宮の埡簟が䞊がり、その姿が䞀瞬芋えおしたった。支那産の猫の小さくかわいいのを、少し倧きな猫があずから远っお来お、にわかに埡簟の䞋から出ようずする時、猫の勢いに怖れお暪ぞ寄り、埌ろぞ退こうずする女房の衣ずれの音がやかたしいほど倖ぞ聞こえた。この猫はただあたり人にな぀かないのであったのか、長い綱に぀ながれおいお、その綱が几垳の裟などにも぀れるのを、䞀所懞呜に匕いお逃げようずするために、埡簟の暪があらわに斜に䞊がったのを、すぐに盎そうずする人がない。

右衛門督はその矎しい姿に心を奪われ、恋心を募らせた。倧将倕霧も宮の姿を芋おしたい、その軜率さを気にかけた。しかし、倧将自身も矎しい人の隠れおしたったのは物足らなかったのであるが、そのうち猫の綱は盎されお埡簟も䞋りたのを芋お、倧将は思わず歎息の声を掩らした。

その埌、右衛門督は宮ぞの思いを抑えきれず、小䟍埓に手玙を送った。手玙には「芋ずもあらず芋もせぬ人の恋しくおひねもす今日はながめ暮らし぀」ずいう叀歌を匕いお曞かれおいた。宮は右衛門督が自分を芋たこずに気づき、恥ずかしさず䞍安を感じた。院から䜕床も泚意されおいたこずを思い出し、倧将からあの時のこずが蚀われた時、院から自分はどんなにお叱りを受けるこずであろうず心配した。

小䟍埓は宮の様子を芋お返事を曞いたが、宮の気持ちを察するこずはできなかった。返事には「今さらに色にな出でそ山桜及ばぬ枝に思ひかけきず」ずいう歌が添えられ、むだな思いを諊めるよう諭しおいた。

䞉十四の十明石入道の手玙

明石入道から明石の君ぞ手玙が届いた。入道は姫君の出産を喜び、この䞖ずの別れを告げる内容であった。圌は明石の邞宅を寺に改め、播磚の奥地にある人里離れた山䞭の草庵ぞ匕き籠もる決意を述べおいた。

手玙には、入道の若かりし頃に芋た䞍思議な倢の話が綎られおいた。その倢は、入道の嚘ずその子孫の茝かしい未来を暗瀺するものだったずいう。入道は、この倢が今や珟実ずなったこずぞの感慚を述べ、姫君の将来ぞの祝犏ず期埅を蚘しおいた。たた、自身は西方浄土を目指すこずを告げ、姫君に察しお仏神ぞの祈りを続けるよう蚗しおいた。

明石の君はこの手玙を読んで涙し、父の深い愛情ず先芋の明を改めお理解した。尌君も入道の手玙を読み、悲しみに暮れた。明石の君は尌君を慰め、若宮の近況を語った。二人は入道ずの思い出を語り合い、倜通し昔話に花を咲かせた。

翌朝、明石の君は南の町ぞ戻り、姫君に入道の手玙のこずを䌝えた。姫君は涙ぐみながら黙っお聞いおいた。実母に察しおも打ち解けた様子を芋せない、おずなしい姫君であった。入道の手玙は、叀い檀玙に曞かれ、薫物の銙りが染み付いおいた。姫君はその内容に心を動かされ、額の髪が涙で濡れるほど感動しおいた。

手玙の䞭で入道は、自身の人生を振り返り、俗䞖での欲望や執着を捚お去ったこずを述べおいた。たた、姫君の将来に察する願いや、仏道修行ぞの決意も蚘されおいた。明石の君は、父の深い慈愛ず悟りを埗た境地に感銘を受け぀぀も、別れの悲しみを抑えきれずにいた。

䞉十四の十䞀女䞉の宮ず右衛門督

ある日、六条院で蹎鞠の遊びが行われおいた。院は寝殿に入らず、手玙のやり取りだけをしおいた。薫銙をたずい、日暮れを埅ちわびおいた院は、芪しい数人を連れお簡玠な車で出かけた。

その最䞭、予期せぬ出来事が起こった。女䞉の宮の居所で、飌い猫が暎れ出したのだ。小さな猫を倧きな猫が远いかけ、埡簟の䞋から飛び出そうずした。驚いた女房たちが慌おふためき、衣擊れの音が響き枡った。猫は長い綱で぀ながれおいたが、必死に逃げようずしたため、埡簟が倧きく斜めに䞊がっおしたった。

この瞬間、女䞉の宮の姿が倖から芋えおしたった。右衛門督は、その矎しい姿に心を奪われた。倧将倕霧も宮の姿を目にし、その軜率さを気にかけた。しかし、倧将自身も矎しい姿を芋られなくなったこずを残念に思い、思わずため息を぀いた。

この出来事から、右衛門督は宮ぞの思いを募らせ、小䟍埓に手玙を送った。手玙には、䞀目芋た宮の姿が忘れられず、恋焊がれる気持ちが綎られおいた。宮は右衛門督が自分を芋たこずに気づき、恥ずかしさず䞍安に襲われた。院から再䞉泚意されおいたこずを思い出し、倧将に芋られたこずで叱責を受けるのではないかず心配した。

小䟍埓は宮の様子を芋お返事を曞いたが、宮の本圓の気持ちを察するこずはできなかった。返事には、右衛門督の思いを諫め、無駄な恋心を抱かないよう諭す内容が蚘されおいた。しかし、この返事は小䟍埓の刀断で曞かれたもので、宮の真意を反映したものではなかった。右衛門督は、この返事を受け取りながらも、宮ぞの思いを断ち切るこずはできなかった。

いいなず思ったら応揎しよう