【デジタル遺品整理の副業】海外では3.5兆円市場|故人のSNS・サブスク・暗号資産を整理する新しい仕事
こんにちは、隙間副業研究所です。
あなたが明日突然亡くなったら、あなたのSNSアカウント、サブスク契約、ネット銀行、クラウドに保存した写真、暗号資産はどうなりますか。
多くの場合、答えは「誰にもわからないまま放置される」です。
スマホにロックがかかっていて中を確認できない。故人が契約していたサブスクが知らないまま引き落とされ続ける。SNSアカウントが乗っ取られて詐欺に使われる。こうしたトラブルが、日本で急増しています。
海外では「デジタルレガシー(Digital Legacy)」として、故人のデジタル資産を管理・整理するサービスが巨大な市場に成長しています。市場規模は2025年時点で約$15B(約2.3兆円)。2034年には$56B(約8.4兆円)に達すると予測されており、年平均成長率は15.6%です。
日本ではまだほとんど知られていないこの市場。今回は、「デジタル遺品整理」が副業としてどう成立するかを、海外データと日本の現状から検証します。
デジタル遺品とは何か:あなたも大量に持っている
まず、デジタル遺品にはどんなものがあるか整理します。自分に当てはまるものがいくつあるか、数えてみてください。
■ SNS関連:X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、LINE、TikTokのアカウント
■ メール:Gmail、Yahoo!メール、会社のメールアカウント
■ 金融関連:ネット銀行、ネット証券、暗号資産(ビットコイン等)、電子マネー
■ サブスク:Netflix、Spotify、YouTube Premium、Amazon Prime
■ その他月額サービス クラウドデータ:Google Drive、iCloud、Dropboxに保存した写真・動画・書類 ブログ
■ Web:個人ブログ、ホームページ、noteのアカウント
■ その他:電子書籍、ゲームアカウント、ポイントサービス
おそらく、10個以上は当てはまるはずです。これらすべてが、あなたが亡くなった後に「デジタル遺品」になります。
海外のデジタルレガシー市場:3.5兆円の巨大産業
海外ではこの問題に対するビジネスがすでに巨大市場になっています。
デジタルレガシー市場の規模は2025年時点で約$15B(約2.3兆円)。2030年には$44B(約6.6兆円)、2034年には$56B(約8.4兆円)に成長すると予測されています。年平均成長率は15.6%で、AI副業やEV市場に匹敵する成長速度です。
地域別では、北米が市場の38%を占めてトップ。次いでヨーロッパが27%。そしてアジア太平洋地域が最も高い成長率(年18.1%)で急拡大しています。
海外で生まれているサービスの例はこうです。
■ Everplans(アメリカ):デジタル資産の一覧管理と、死後の引き継ぎ手順を事前に設定できるプラットフォーム
■ Trust & Will(アメリカ):デジタル遺産を含む遺言書をオンラインで作成できるサービス
■ DGLegacy(ブルガリア発):AIを活用してデジタル資産を自動分類し、相続計画を作成するアプリ。2023年にAI搭載モバイルアプリを初めてリリース
■ SafeTech Inheriti(ベルギー発):ブロックチェーンを活用した分散型デジタル遺産管理システム
2025年にはニューヨーク州が、プラットフォームの利用規約に関わらず、デジタルコンテンツのアクセスと所有権の移転を明確に認める法律を制定しました。法的な環境も整いつつあります。
日本の現状:問題は深刻、でもサービスがない
日本では、デジタル遺品に関するトラブルが急増しています。
実際に起きている問題を見てみましょう。
問題1:サブスクの引き落としが止まらない
ある60代の方が亡くなった兄の遺品整理でクレジットカードを解約しようとしたところ、動画配信サービスや英会話アプリの支払いが続いていたため解約できなかった。すべてのサブスクを特定して退会手続きをしてから、ようやくクレジットカードを解約できたそうです。
問題2:故人のSNSが乗っ取られる
男子高校生が亡くなった人のX(旧Twitter)アカウントを乗っ取り、なりすまし投稿をしていた事件。まるで生存しているような投稿や、ハッカー集団であることをほのめかす投稿をしていたことが判明し、不正アクセス禁止法違反で逮捕されました。
問題3:ネット銀行の存在を誰も知らない
故人がネット銀行に預けていた資産の存在を遺族が知らず、相続手続きがされないまま放置されるケース。通帳がないため発見が困難で、何百万円もの資産が宙に浮くこともあります。
問題4:スマホのロックが解除できない
故人のスマホにパスワードや生体認証のロックがかかっていて、中の写真や連絡先にアクセスできない。思い出の写真を取り出したいのに、どうすることもできないという声が増えています。
これらの問題に対して、日本では体系的なサービスがほとんど存在しません。遺品整理業者がオプションとして対応するケースはありますが、「デジタル遺品整理の専門サービス」として事業化している個人や企業はごくわずかです。
デジタル遺品整理は副業として成立するか
結論から言うと、成立します。ただし、今すぐ大きく稼げるテーマではなく、「3〜5年後に確実に需要が爆発する分野に、今から種をまく」という戦略的な副業です。
副業としてのデジタル遺品整理は、大きく2つのサービスに分けられます。
サービス1:生前整理のサポート(デジタル終活)
「もしもの時に備えて、デジタル資産を整理しておきましょう」というサービス。具体的には、利用中のサービスをリストアップする、エンディングノートにアカウント情報を記録する、不要なアカウントを削除する、GoogleやAppleの「デジタルレガシー」機能を設定する、といった作業を手伝います。
ターゲットは50代以上のスマホユーザーで、自分では整理の仕方がわからない層。前回のオンライン講師記事で触れた「シニア向けスマホ教室」と近い領域です。
サービス2:死後のデジタル遺品整理(遺族向け)
故人のSNSアカウントの削除・追悼アカウントへの切り替え、サブスクの解約、クラウドデータの整理、ネット銀行の相続手続きサポートなどを遺族に代わって行うサービス。
既存の遺品整理業者(100個のリストの25番)や終活サポート(24番)と組み合わせると、サービスの幅が広がります。
始め方:今から準備できること
ステップ1:知識を身につける
まず、主要なSNS・クラウドサービスの「死後のアカウント処理方法」を調べてまとめてください。Googleの「不在アカウント管理ツール」、Appleの「デジタルレガシー」、Facebookの「追悼アカウント」、Xのアカウント削除手続きなど。この知識自体が、すでに多くの人が持っていない専門性です。
ステップ2:ココナラやストアカでサービスを出品する
「デジタル終活サポート(オンライン60分)3,000円」のような形で出品してみてください。エンディングノートの書き方指導や、不要アカウントの整理を一緒にやるサービスです。
ステップ3:遺品整理業者や終活カウンセラーと連携する
すでに終活サポートや遺品整理をしている人とパートナーシップを組み、「デジタル遺品」の部分だけを担当するという形が現実的です。物理的な遺品整理は体力仕事ですが、デジタル遺品整理はパソコン1台あればできます。
ステップ4:noteやブログで情報発信する
デジタル遺品に関する情報はまだ少なく、発信するだけで「この分野の専門家」として認知されやすい。情報発信が集客に直結する分野です。
なぜ今このテーマを取り上げるのか
日本は世界で最も高齢化が進んでいる国です。年間の死亡者数は約160万人(2024年)で、今後も増加が予測されています。
この160万人のほぼ全員がスマホを持ち、SNSを使い、サブスクを契約し、ネット銀行を利用しています。つまり、毎年160万件の「デジタル遺品問題」が発生する可能性があるということです。
海外では15.6%の成長率で市場が拡大し、アジア太平洋地域は18.1%とさらに速い。日本がこの波に乗るのは時間の問題です。
今のうちにこの分野の知識を持ち、実績を作っておくことは、3〜5年後に大きなアドバンテージになります。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
海外のデジタルレガシー市場は2025年で約2.3兆円、2034年には8.4兆円に成長予測
年平均成長率15.6%。アジア太平洋地域は18.1%で最も急成長
日本ではサブスク引き落とし継続、SNS乗っ取り、ネット銀行の相続漏れなどのトラブルが急増
デジタル遺品整理の専門サービスは、日本ではほぼ存在しない
「生前整理のサポート(デジタル終活)」と「死後のデジタル遺品整理」の2つのサービスが考えられる
遺品整理業者や終活カウンセラーとの連携で、副業として成立する
年間160万人が亡くなる日本で、デジタル遺品問題は今後確実に拡大する
「人が避ける分野、地味な裏方こそ穴場」。デジタル遺品整理は、まさにその典型です。
隙間副業研究所は、引き続き世界の副業データを日本語でお届けします。
関連記事
【家事代行の副業】イギリスでは時給3,900円|日本の家事代行は隙間ビジネスとして成立するか
【AI活用サポート講師の副業】海外のAIコンサルは時給3万〜7.5万円|「教える側」に回る人が最も稼いでいる
【占い・タロット副業】海外の占い市場は5,400億円規模|ココナラ占い師は本当に稼げるのか
【世界28カ国調査】最も稼げる副業ランキング|日給5万円超えの仕事とは

