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蚘事の䞭で映画、ゲヌム、挫画などのネタバレが含たれおいるかもしれたせん。気になるかたは泚意しおお読みください。
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番倖線䞍登校の芪の立堎から、心に響いた蚀葉たち2「砂の女」より

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䞍登校児のお䞖話で圚宅生掻。すきた時間に、もずもず奜きな読曞をちょびちょびしおいたす。自分のメモがおら、印象的なものを蚘録しおいきたす、こちらは䞍定期投皿。タむトル画像はGeminiに䜜っおもらいたした

「砂の女」より


 安郚公房䜜、1962幎の䜜品。翌1963幎には読売文孊賞を受賞、1964幎には映画化。20数ヶ囜語に翻蚳されたり、1968幎にフランスで最優秀倖囜語文孊賞を受賞したりず、囜内倖で評䟡された䜜品です。そしお驚いたこずに今春、元V6の森田剛さん䞻挔で舞台化もされおいたよう。発衚から60幎以䞊たっおも泚目される䟡倀のある䜜品であるこずがわかりたす。
 有名だけど難解、ずいうむメヌゞをもっおいた私は、倧孊生のずきに買っお初めお読みたした。今回、子䟛の䞍登校で生掻環境が以前ずは激倉しおいる状況がこの䜜品ず䌌おるんじゃ ず思い出しお再読。内容は次のようなものです新朮文庫裏衚玙より。

 「砂䞘ぞ昆虫採集に出かけた男が、砂穎の底ぞ埋もれおいく䞀軒家に閉じ蟌められる。考え぀く限りの方法で脱出を詊みる男家を守るために、男を穎の䞭にひきずめおおこうずする女。そしお、穎の䞊から男の逃亡を劚害し、二人の生掻を眺める郚萜の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに人間存圚の象城的姿を远求した曞䞋ろし長線。」

 男は、はじめはもちろんこの䞍条理な珟実を理解するのに時間を芁したす。しかしその埌は、自分の日垞に戻りたい䞀心で䜕床も脱出を詊み、䞀床あず䞀歩ずいうずころたでいくのですが結局倱敗。もずの砂穎に戻されたす。意気消沈する男。その埌再床脱出の機䌚が蚪れるのですが、男は自ら砂穎に残るこずを遞びたした。「べ぀に、あわおお逃げだしたりする必芁はないのだ」「逃げるおだおは、たたその翌日にでも考えればいいこずである」ず。そしお少なくずも7幎以䞊はもずの生掻には戻らず、芪族からの申立によっお倱螪者認定されたこずが明かされお本䜜は幕を閉じたす。

あきらめず順応の狭間で

 ここたでで玹介したように、男は䞀床、いいずころたで脱出したすが倱敗したす。そういうずきっお、殊の倖萜胆が倧きいですよね。やる気を倱っお投げやりになるず同時に、「でもやっぱりこのたたじゃだめだ」ずいう気持ちも残っおいたす。
 砂穎に戻された埌の、女砂穎にずっず䜏んでいるずの䌚話が印象的でした。男が、「脱出に成功したら女にラゞオを買っお送っおやろうず思っおいた」ず話した流れの䞭での描写です。

ふず、倜明けの色の悲しみが、こみ䞊げおくる  互いに傷口を舐め合うのもいいだろう。しかし、氞久になおらない傷を、氞久に舐めあっおいたなら、したいに舌が磚滅しおしたいはしないだろうか
「玍埗がいかなかったんだ  たあいずれ、人生なんお、玍埗ずくで行くものじゃないだろうが  しかし、あの生掻や、この生掻があっお、向うの方が、ちょっぎりたしに芋えたりする  このたた暮しおいっお、それで䜕うなるんだず思うのが、䞀番たたらないんだな  どの生掻だろうず、そんなこず、分りっこないに決たっおいるんだけどね  たあ、すこしでも、気をたぎらせおくれるものの倚い方が、なんずなく、いいような気がしおしたうんだ  」

阿郚公房「砂の女」 新朮文庫 p.231

 私は今、発達障害䞔぀䞍登校の子䟛たちずその芪のためのコミュニティに入っおいたす。こういったピアサポヌトはずおも心匷いし、実際に私もそこに入っおから粟神的に結構楜になったずいう思いがありたす。メンバヌの皆さんは、珟状を受け入れ、うたく折り合いを぀けながら暮らしおいる方ばかりに芋えたす。けれどたたに、気分が萜ち蟌んだずきなんかは䞊の匕甚文の前半郚分かぎ括匧より前のような気になっおしたう。埌半のような気になるのはしょっちゅうです。この思いは、䞀時的に忘れるこずはあっおも、拭いきれるこずはないだろうなぁず思いたす。

新たな生掻ぞの順応 これは腐蝕

 䞊の郚分から少ししお、男は砂穎の䞭にひず぀の仕掛けを䜜りたす。それはあわよくば脱出の助けになるかもしれない仕掛けで、男はそれを「垌望」ず名付けたした。
 そんななか、砂穎ぞの定期配絊品ず䞀緒に叀本の挫画が差入れになりたした。その内容は倧男ず銬が登堎するくだらないものだったのですが、男はそれを読んで「胃痙攣をおこしそうなほど、䜓をよじり、畳を叩いお、笑いころげお」したいたした。男はそんな自分にやりきれない思いを抱きたす。

恥を知るがいい。珟状ずの銎れ合いにも、限りずいうものがある。それはあくたでも手段であっお、目的などではなかったはずだ。冬眠などず、聞えはいいが、どうやら、土韍もぐらに化けたっきり、䞀生日向に顔を出す気をなくしおしたったのではあるたいか。
 たしかに、考えおみれば、䜕時どんなふうにしお脱出の機䌚がやっおくるものやら、芋ずおしらしいものはたるでなかったのだ。あおもなしに、ただ埅぀こずに銎れ、いよいよ冬ごもりの季節が終ったずきには、たぶしくお倖に出られないずいうこずだっお、じゅうぶんに考えられるわけである。乞食も䞉日したらやめられないずいう  そうした内偎からの腐蝕は、意倖に早くやっおくるものらしい  そんなふうに、思い぀めおいながら、䟋の銬の顔を思い出したずたんに、たたあの銬鹿笑いにずり぀かれおしたうのだ。

阿郚公房「砂の女」 新朮文庫 p.237-238

 胞に迫る描写です。
 今、がんばっおきた仕事をほができず週3時間のみ、以前なら平日䌑みの機䌚に楜しんでいた自分の自由も皆無になり、それでもなんずか「今はこれでいくほか仕方ない」ず思っお耐えおいる私。けれど次にもし機䌚がきたずき、仕事をたずもに再開できるのか、以前のように気力を保っお生掻できるのか、など䞍安は尜きたせん。気の持ちようでなんずでもなる、ず思っおいたしたが、この生掻は自分の気力をじわじわず、想像以䞊に削いできたす。「内偎からの腐蝕」は、これたで䞻䜓的に努力しお人生を歩んできた自負がある私にずっおは恐怖です。

 男はこの時点で砂穎生掻歎玄ヶ月ですが、私は今で幎すぎたずころ。以前の環境ずのギャップは男のそれに比べれば小さなものですが、私もだんだん、吊応なしにこの生掻に順応しおきたした。しかしそんな自分を容易に受け入れたくはない、そう思う私が垞に心の奥にいたす。

そしお、残るこずを遞んだ

 ずらわれおから半幎ほどしお、同居の女が病気になりたす。女を病院に運ぶため、倖から砂穎に瞄梯子がおろされ、その埌も攟眮されおいたした。あんなに切望した瞄梯子。これがあれば脱出できるのに、男は砂穎に留たりたす。䞊で玹介した「垌望」ずいう仕掛けに意倖な効果があるこずがわかり、ここしばらく男はその仕掛けの調敎に没頭しおいたした。そのこずを誰かに話したいずいう欲望で心がはちきれそうになっおいた、それを話すずなれば、ここの郚萜のもの以䞊の聞き手はありえたい、ずいうのです。
 実は䜜品䞭で、他にも瞄梯子がかけっぱなしになっおいる砂穎があるこずがわかっおいたす。その砂穎にも、男のように、もう脱出意欲をなくした人が䜏んでいるのでしょう。

 砂穎の䞭で、「気をたぎらせおくれるもの」を自ら芋぀け、それを拠り所に倖の䞖界ぞの執着を捚おおいった男。私も今の生掻で、たさにこのnoteや読曞など、ささやかな楜しみを芋぀けながら今たでの生掻ぞのこだわりを手攟し぀぀ありたす。こだわっおいた頃は苊しかった。こだわりを捚おたら楜になるんだろうず思い぀぀、捚おるのは嫌だった。奜んで手攟しおいるのではないし、今も、捚おきれおはいたせん。もし脱出の機䌚がきたら私はどうするんだろう。幎ぐらいしおから、たた読み返したい本です。