それでも、私はこの命を誇れるだろうか。【ファンタジーエッセイ|異世界記録】

世界をどれほど愛していても。
どれだけ守りたくても、大切でも。
どんなに剣の腕を磨いても。
由緒正しき剣を、世界でただ一人、
この手にすることを許されていたとしても──
それでも、
止められない流れがある。
私の願いも。
積み重ねてきた時間も。
守りたかった人たちも。
私の大事なものを、
ひとつずつ、呑み込んでいく。
あぁ。
人は、こんなにも無力なんだ。
努力すれば、すべて報われるわけじゃない。
強くなれば、
すべてを守れるわけでもない。
正しいことを選び続けたからといって、
世界が正しく応えてくれるとも限らない。
人生にはきっと、
どれほど手を伸ばしても、
どれほど抗っても、
自分の力だけでは止められない“流れ”がある。
それでも私は、剣を握った。
守りたかったから。
愛していたから。
この世界に生まれた私が、
最後まで私でありたかったから。
……もうすぐ、この光も消える。
……流れの中へと消えていく。
私の命は──
終わりを迎える私に、
果たして誇れる存在だっただろうか。
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