『斜陽』太宰治 聴了
元々どっかのタイミングで日本文学の名作読まなきゃとずっと思っていたんだよ。
昔は文学青年気取ってたくせにヨルシカの曲のモチーフになった作品を全然網羅出来なかったからね。
タイトルだけ知ってる、書き出しは知ってる、なんとなくの内容は知ってる。
でも通読したことはない。
そんな作品が多過ぎて曲を聴くたびに多少引け目を感じていた。
三島由紀夫と志賀直哉とサリンジャーの作品からだけ曲を作ってくれ。
あと今思いついたけど、そのうちaudible読書テーマ『ヨルシカ』やろう。
今回の『斜陽』はタイトルしか知らない、斜陽族という言葉が流行ったこと、『僕の心のヤバイやつ』のテーマソングになったこと。
以上が脳内の『斜陽』フォルダに入っていた情報。
斜陽産業という単語のせいで、斜陽族のことを窓際族と混同していてこの作品もオフィスとか工場の話なのかと思ってたけど、一度もそういう職場で働いたことのない人達の話だった。
貴族だから働く能力なんか無いのに、それでも生活の困窮の為に金が必要になる人の苦悩を描いた作品。
本来の斜陽族とは没落貴族を指す言葉。
主人公のかず子の口調が丁寧過ぎて、何にでも頭に「お」を付けて話す『TRICK2』の「六つ墓村」に出てきた人みたいだと感じていたけど、実は太宰治は貴族のお嬢様エアプで、学習院出身の志賀直哉や三島由紀夫から「ほんとの上流階級の人はそんな喋り方しない」と突っ込まれていたんだとか。
基本的にはこのかず子の一人称で話が進むんだけど、ところどころに弟である直治の日記からの抜粋があるんだけど、この内容が驚くほど『人間失格』であり、話が進むと出てくる上原という荒んだ生活を送る作家もかなり太宰治を投影したキャラクターになっている。
かず子と弟の直治、その母、作家の上原という四者の四様の滅びを描きつつその全てに自分が反映されているという「太宰治といえばデスパレード」の代表作。
この作品読んでから改めてヨルシカの『斜陽』を聴くとあの曲の成分は太宰治からじゃなくかなりの部分が『僕の心のヤバいやつ』由来だということがわかる。
