広島市長、5期目出馬表明(広島市議会定例会での山田春男議員による一般質問への答弁として)
松井一實・広島市長が6月19日、来年4月の広島市長選に向け、5期目の出馬をする方針を正式に表明した。広島市議会で。市長派の議員からの一般質問に受ける形での表明でした。例によって、公式な議事録が出るまでに相当時間がかかるので、ざっとメモ起こししたものを共有します。(誤字脱字があったらすみません。)

山田春男議員(自民党市民クラブ)からの一般質問
皆さん、おはようございます。 自由民主党、市民クラブの山田春男でございます。 久しぶりの登壇でありますが、温かい気持ちで見守っていただきたいと思います。
まず、広島の明るい未来を実現するためのまちづくりについて、お尋ねいたします。
近年、世界情勢は大きく揺れ動いています。 ロシアによるウクライナ侵攻、中東での衝突、米中対立の深まりにより、世界情勢が不安定になると、私たちの生活にも影響が及びます。
我が国においても、子どもの数は減り続け、働く世代も少なくなっています。一方で、高齢者は増え、医療や介護の支えが必要となります。このバランスの変化は、社会保障や地域の暮らしに、大きな負担をもたらしています。 本市においても、若い世代の流出や、出生数の減少が続いています。 高齢化が進むことで、医療や介護の負担が増え、地域の支え合いの仕組みがより重要になっています。
中山間地域では、特に人口減少が進み、公共交通や商店街をどう維持するのかも重要な課題です。地域全体の暮らしをどう支えるかが問われる重要な局面において、我々市議会と市長は、広島市の未来を明るいものにするという共通の目標に向かって、市政推進の両輪として協力しながら、不断の努力をしていかなければなりません。
今年度の当初予算において、松井市長は、今後、若い世代が自らの将来に希望を持つことができるような環境づくりを加速されるとされました。 松井市長自らが「こども・若者・子育て政策推進本部」の本部長となり、施策の企画立案を迅速に行う体制を構築するとともに、市議会でも議論を重ねてきた子ども医療費補助の対象年齢の拡大と、所得制限の撤廃を決断するなど、その決意のほどが見て取れます。
任期最終年を迎え、これまで以上にソフト面にも注力をしていこうとされている松井市長ですが、これまでの4期15年余りを振り返ると、やはりハード面、すなわち、都市づくりに特に大きな成果を上げてこられたのではないかと思います。
その原点になるのは、就任間もない2013年に改訂された広島市、都市計画マスタープランであると思います。2030年を目標年次とし、都市づくりの目標や、その実現に向けた方向性を示すこのプランに基づき、松井市長はこれまで、着実に都市づくりを進めてこられました。
まず、広島駅周辺地区と紙屋町八丁堀地区を都心の東西の核と位置づけた楕円形の都市づくりについては、広島駅周辺地区において、広島駅南口、Bブロック、Cブロックの再開発を完成させ、新幹線口ペデストリアンデッキや南北自由通路を共用開始しました。近年では、ミナモアや路面電車の駅前大橋ルートも開業し、2年後を目途に、南口広場の再整備が完了すれば、いよいよ世界に誇れる陸の玄関が完成をいたします。
一方、紙屋町八丁堀地区においては、ひろしまゲートパークを開業するとともに、広島城三ノ丸エリアの商業施設をオープンし、新たな歴史館の完成も見えてくるなど、中央公園一帯で、年間を通じた賑わいを生み出しつつあります。 中でも、市民の夢でもあったエディオンピースウイング広島を、広島の新たなシンボルとして実現されたことは、非常に大きな功績と言えます。
マスタープランでは、当時、4大未利用地と言われた二葉の里地区、旧市民球場跡地、広大本部跡地、西飛行場跡地についても、将来を見据えたしっかりした活用を図るとされ、いずれも明確な活用方針を打ち出されてきました。特に、二葉の里地区においては、土地区画整備事業を早々に完成させ、町がさらに発展しつつある中、JR西日本広島支社跡地で計画されている新アリーナ構想についても、まちづくりの責任主体として、積極的に関与していく姿勢を表明されており、エディオンピースウイング広島に続く広島の新たなシンボルとして、新アリーナが出現するよう、オール広島の一員として、尽力をしていただきたいところであります。
デルタ周辺部や中山間地、島しょ部においても、JR可部線の電化延伸や安佐市民病院の建て替え、西風新都内の幹線道路の整備、東部地区連続立体交差事業、安佐市民病院の建て替え、似島歓迎交流センターのリニューアルなど市内くまなくバランスある都市づくりを進めてこられています。さらには、都市軸ともいえる重要な道路網の整備も進められ、長年、凍結されていた国道2号線西広島バイパスの都心部延伸も、市長のリーダーシップにより、国への再開要望を重ねた結果、工事再開を果たされ、鋭意事業が進められています。
私の地元である西広島駅周辺地区も、マスタープランにおいて拠点地区に位置付けられており、駅の自由通路や、橋上駅舎の開業、南口広場の完成を経て、現在は、北口土地区画整備事業や南口西地区市街地再開発事業を推進するなど、広島の西の玄関にふさわしいまちづくりが着実に進んでいます。さらに、アストラムライン延伸が実現すれば、JR線市内電車と接続することで、大きな循環が生まれ、街全体に新たな活力をもたらすと期待が寄せられるところです。
このように、マスタープランの計画期間は、残り4年余りとする中で、計画されていたことは、おおむね実現に向かっており、対話・ビジョン・実行を旨とする松井市長の有言実行の市政運営として評価できるのではないでしょうか。
そして、こうしたまちづくりで、街の基盤をしっかりしたものにしながら、さらに本市の持続可能性を高めるために注力されてきたのが、200万人広島都市圏構想と地域コミュニティの活性化です。
広島広域都市圏の連携市町は広島、山口、島根にまたがる34市町まで拡大し、日本最大級となっています。これまで、数多くの連携事業に取り組んでこられていますが、最大の成果は、連携の仕組みがこの圏域に根付いたことではないでしょうか。
また、地域コミュニティに関しては、ひろしまLMOが今や全140小学校中93団体まで立ち上がっているに至っています。 地域ごとの自主的な活動を、財政面からもしっかりと支えるこの仕組みは、市民からも大変喜ばれており、ぜひとも全学区で立ち上がるよう、引き続きの支援をお願いするところであります。
これらの政策に共通することは、いずれも、共助と協調の精神に基づく仕組みであることです。 冒頭申し上げましたような、不安定な世の中であるからこそ、こうした共助、協調を重視する松井市長の市政運営が、この広島、そして今後の我が国には、必要不可欠ではないのでしょうか。
先日、開催された全国市長会議通常総会において、松井市長は、引き続き全国市長会会長という大役を務められることが決まりました。 会長としての1期目の活動が、全国各地の市長、区長に評価されたからこその続投だと思いますので、ぜひ、全国各地の声を束ねて、そして国に届け、地方自治、ひいては本市の発展につなげていただきたいと思います。

以上、松井市長のこれまでの市政運営を振り返ってまいりましたが、今後、冒頭申し上げました、本市の課題を克服し、広島の未来を明るいものにするためにも、特に力を入れて取り組んでいただきたいことを、いくつか述べさせていただきます。
まずは、若い世代が希望を持って、広島に住み続けられる環境づくりを加速されるすることです。子育て環境の充実はもとより、街の魅力向上も欠かせません。その意味では、先に申し上げました新アリーナ構想は、ぜひとも実現していただきたいと思います。 実現に向けた官民連携の橋渡し役として、松井市長の調整力を大いに発揮していただきたいと思います。
また、若者が住み続けるには、働く場所があることも重要です。そのためには、経済の持続的な発展が欠かせず、ローカル経済圏の構築に向け、着実に取り組んでいただきたいと思います。その際、鍵となるものは、人モノの循環にかかせない公共交通です。アストラムラインの延伸や、芸備線の活用促進など、重要施策を確実に進めながら、広島型公共交通システムの構築を目指していただきたいと思います。
もちろん、混迷を極める世界情勢の中、被爆地広島の市長として、平和への願いを世界中に広げる取り組みも欠かすことはできません。平和記念都市建設法で定められた市長としての責務を果たすべく、平和文化の振興をはじめとした平和推進にも、不断の取り組みをお願いしたいと思います。
拡大を前提とした社会から、縮小しても安心して暮らせる社会に向けて、これまでの発想を転換しながら、限られた財政支援や人的資源を適材適所、全体最適の視点でうまく配分し、常に一石二鳥、三鳥を狙うような工夫が求められており、この一大変革期における、広島市のかじ取り役は、行政経験豊富で、政策通、そして何より、広島に愛着を持って、心から広島の発展に尽くす人でなければなりません。
松井市長が4期の公約で掲げた持続、循環というコンセプトのもとで、共助、協調を基調とする地域社会の形成は、着実に進んできていますが、まだ道半ばです。市議会はもとより、産業界や経済界などとも連携、協力しながら、広島のあらゆる力を結集し、街の持続可能性を高めていくことができるか否か、そこに、本市の未来の行く末がかかっていると言っても、過言ではありません。
こうした状況でありますので、ここは、松井市長が本市の50年、100年先を見据えた、明るい未来を実現するためのまちづくりの道筋が確固たるものとなるよう、総仕上げをするべきではないでしょうか。
先日、全国市長会会長に再選された際の記者会見において、松井市長は、「覚悟はできている」と言われたとのことですが、市長と市議会が、市政推進の両輪である以上、次期市長選に出馬するか否かという重要な決断は、ぜひこの議会の場で、市民の皆様に明らかにしていただきたいと思います。
そこでお尋ねします。我々も全力で、まず市長を支え、市政発展のため、ともに取り組んでいくことを約束いたしますので、ぜひ、次の市長選に出馬をしていただき、引き続き市政推進に力を尽くしていただきたいと思いますが、松井市長の決意のほどをお聞かせください。

松井一實市長からの答弁
山田議員からのご質問にお答えします。 広島の明るい未来を実現するためのまちづくりについてのご質問がございました。
私は、市長就任以来、本市のまちづくりの最高目標となる都市像、国際平和文化都市の実現に向け、先人が築いてきた街を礎にしながら、生まれ育ったこの広島を、世界に誇れる町とすることを目指し、全力で取り組んでまいりました。
具体的には、広島市総合計画に基づき、世界に輝く平和のまち、国際的に開かれた活力のあるまち、文化が息づき、豊かな人間性を育むまちを掲げ、都市の大改造や公共交通の充実強化、地域コミュニティの活性化、平和文化の振興など、持続可能な街づくりを進めてきました。また、社会経済情勢の急速な変化に対応していくため、自治体同士が補完関係を保ち、国の力も引き出しながら、施策を進めるといった、競争よりも協調を重視する政策へと発想を転換し、職員の意識改革を図りながら、200万人広島都市圏構想のもと、広島広域都市圏全体の発展に努めてきました。
中でも、まちの骨格をなす、ハードを中心とした都市基盤の整備については、広島市都市計画マスタープランや広島都心活性化プランに基づき、楕円形の都心や12の拠点地区を中心に、公共交通などで接続し、市内全域のバランスを取りながら、確実に実行してきました。 その結果、広島駅周辺の再整備や、サッカースタジアムの建設など、基盤施設の整備が整い始めたのを見るにつけ、ようやく被爆後の復旧から復興した都市として、世界に誇れる段階に来たのではないかと感じております。
一方で、少子高齢化や人口減少への対応は待ったなしとなっており、本市が将来にわたって活力を維持し、若い世代をはじめ、誰もが明るい未来を描き、住み続けられるまちづくりを加速させることが重要となっています。
議員ご指摘の新アリーナ構想や、アストラムライン、延伸の実現をはじめとする重要施策を前進させることに加え、広島の発展の礎となる次代の子ども、若者の育成環境を一層充実したものにしていくための施策や、ローカル経済圏の構築に向けた魅力的な仕事づくり、農業の広島モデルの検討など、ソフト施策にも力を注ぎ、ハード、ソフト両面から積極的に取り組む必要があると考えております。
また、核兵器のない平和な世界の実現に向けては、被爆の実相を世界中に広め、市民社会に平和文化を根付かせ、為政者が政策転換をせざるを得ないような環境づくりをさらに加速化していくとともに、被爆の実相と、被爆者の「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」というヒロシマの心の原点を、次世代に継承する取り組みを強化していく必要があります。
市長に就任した当初から10数年で、まちの景観がずいぶん変わってきたと思いますが、景観十年、風景百年、風土千年とも言われるように、先人たちの知恵と知見が結集したこれまでのまちづくりを、温故知新の考え方のもと、未来永劫を引き継いでいくためにも、市民が我が町の歴史や文化に誇りを持つとともに、平和、文化が根付いた町の市民であるというアイデンティティを確立するための取り組みを加速させていきたいと考えております。
こうしたさまざまな施策を進める上では、国の支援を最大限活用することは欠かせません。先日の全国市長会議総会において、引き続き、全国市長会会長という重責を担わせていただき、第34次地方制度調査会の委員も務めさせていただくことになりました。 地方創生の時代にあって、国と地方の橋渡し役を務めながら、必要な提言を行い、先導的な取り組みを示すことで、地方が国を動かし、国の動きを地方に還元するという好循環を生み出していきたいと思っております。
このたびの地方制度調査会では、国県市町村の役割分担の見直しや、地方都市のあり方についての議論が行われることになっており、こうした新たな地方自治体のあり方への挑戦が、必ずや広島のまちづくりにつながっていくものと信じております。
議員のご提案は、こうした広島の持続的な発展に向けたまちづくりを引き続き市長として担ってはどうかとの提言であると受け止めましたので、市政推進の両輪をともに担う市議会の場で、市民の皆様に、私の決意をお伝えしたいと思います。
私は、50年、100年先を見据え、次世代に持続可能なまちをしっかりと引き継ぐために、職員と一丸となり、議員各位や国、県、近隣市町、経済界などの協力をいただきながら、何よりも市民の皆様とともに、世界に誇れるまちづくりを集大成し、未来につなげるべく、次期市長選に出馬したいと考えているところであります。
