道理が通らねぇ(女子枠推進者について)
女子枠を正当化する理路は大きく分けると2つだと思うんですよ。
一つは
差別的な過去の是正をする
という理路。
つまり、過去において日本は女性の理系の進路を阻む差別的な家父長制共同体であったので、現状の理系の女性比率の少なさはその結果である。
なので、その是正のためには何の責任もない若い男性に一時的な不利益を強いる、という理路ですね。
もう一つは
理系に進む性別の属性が偏るのは不利益がある(偏りを均すのは利益がある)
という理路。
つまり、理系に進んで能力を発揮しうる女性が、理系の大学に女性が少ないために進路を変更している。
それは国益、その他の利益に反するので対応が必要である、というもの。
で、その是正のためには何の責任もない若い男性に一時的な不利益を強いる、という理路ですね。
同じことですが敢えて二回。
他にありますか?
あったら是非提示してほしい。それに合わせて考えを修正します。
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1つ目の理路に沿うならば、差別的な過去において家父長制共同体の利益を受けたアカデミアの既得権者も不当な受益者として席を譲るべきです。
でないと筋が通らない。
これについては、女性学生の比率を上げるにあたって、男性教員が席を譲ることは意味がない、という反論が想定されます。
確かに直接的な意味はありません。男性教員が減っても女性学生が増えるわけではない。
しかし、現状に直接の責任がない若い男性に不利益を負わせるのに、直接利益を得た男性がのうのうと既得権に安住し不利益を拒絶するのは、端的に言って厚かましいです。
そんな主張に説得力はない。
男性に生まれたから原罪を背負っている、という原罪論を展開する手もあります。
僕は男子に生まれて、男だらけの環境で教育を受けて、得してきてしまった部分があります。原罪です。だから、この原罪を次世代に少しでも負わせることのないように、女子大教員を志し、出来ることをやっています。それが立派な正義だと言うつもりはありませんが、これ以上にやりようがありますか? https://t.co/lSG26t4A9U
— 神山 翼@お茶大・気象学 (@kohyama_met) June 17, 2024
(https://x.com/kohyama_met/status/1802667804061266312より引用)
ここまでぶっ飛んだ理路を展開して、批判されまくっても貫くというなら、それはそれでいいと思います。
……とはいえ、じゃああんたも原罪を背負う男性なんだから、罪を認めて席を譲れってなるから、意味ないか。
女子枠推進論者がまず積極的に、過去の不当な優遇によって得た地位を返上すべきです。
責任を取るとは痛い思いをすることです。自分は地位に安住し、その上で後進のために力を尽くします、と嘯くのは責任を取るとは言わない。
また、歴史的文脈を置いておくとしても、指導教官が女性のほうが女学生にはなじみやすいはずです。
ならば、
現状の指導的地位にある男性教授等が女性教員にその地位を譲ることは、女性の理系への進学の地位を下げてくれる効果
が期待できます。
でもそうしない。
2つめの理路をとるなら、それは明確に差別です。
変更不能な属性を理由として不利益を強いられるのは差別ですよね。
この理路をとるなら、
この対応が差別的であるが、これには長期的な利益がある。よって今不利益を負う人がいたとしても、それはやむを得ない犠牲である、享受してもらいたい
と堂々と論ずるべきでしょう。
むろん、それによって生ずる「利益」についても検証される必要があります。
それが知的誠実ではないでしょうか。
でもそうしない。
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女子枠の問題が揉めるのは、そりゃいろんな理由があるでしょう。
まず単純に差別的な施策であるというのがあります。
端的に言語化しますけど、女子枠は、「年収2000万円の家にうまれた首都圏の女性受験生」を優遇し、「年収400万円の家に生まれた地方出身の男性受験生」に不利益を強いることになりかねない。
前者と後者なら、どう考えても後者の方がハンデを負っているでしょうよ。
よほど強力な正当性がなければ、この差別は許容できない。
差別的な施策を押し通すのに、「女性は被害者である」という被害者論法を使って、若い男性を加害者扱いして不利益を負わせているというのもあります。
当たり前ですけど、こんなことしたら反発買うにきまってますよ。
そして、もう一つの要素として、推進派の見苦しさもあると思うんですよね。
繰り返しになりますけど、女子枠を正当化する理路に従うなら、推進派の取れる態度は二つしかないんですよ。
差別的な家父長制社会の受益者、既得権者としての地位を女性に譲り渡すか。
女性の理系進学の推進、という大義のために差別主義者の汚名を着るか。
でも、どっちも嫌なんですよね。
じゃあ、どうやってするのでしょう?対案を出せという意見ではなく、残念ながら僕はその手段を思いつかないのです。
— アカデミアほっとステーション (@Acad_hotline) May 4, 2026
し、残念ながら「恩恵を受けた男たち」が制度制定側にいるので実施はされないでしょうね……。
理想は持つべきです。が、残念ながら現実的な一歩が他に見えないから容認しています。 https://t.co/9lqkbqrhOb
(https://x.com/Acad_hotline/status/2051131519671148949より引用)
「差別」の結果得られた地位を捨てる気はない。差別の受益者を批判することもしない。
アカデミアというムラ社会で上にたてつくのは恐ろしいんでしょうか?
それでいて、差別的な過去を正義面して批判する。
大義のために差別主義者という汚名を着るのもごめん被る。
自分はあくまで差別を是正する意識高い人でありたい。
僕は健康だけど不健康な人のために医療保険料を払う、職と収入があるけど失業手当を維持する、貧富の格差の是正のために所得税の累進性を支持する。
— アカデミアほっとステーション (@Acad_hotline) May 3, 2026
誰かに負担を強いて、誰かの負担を軽減するのが社会制度です。さっきから視座が低いんですよ……。 https://t.co/8Zx51IdVSt
(https://x.com/Acad_hotline/status/2050881883081478363より引用)
その見苦しさ、浅ましさには虫唾が走る。
よく他人に視座が低いとか言えるもんです。自分の中の棚が大きすぎません?
既得権を捨てたくないけど、差別を是正する進歩的人物という綺麗な名目はほしい。
そういう厚かましいことをいうなら、せめて愚民からの批判くらいは甘受してください。
ちなみに、理系に女性が少ないのは「かわいそう」だから対応してあげないと、というのは差別を許容せしめる理屈にはなりません。
かわいそうだから扱いに差をつける、というかわいそうランキング方式は、相対的に「かわいそうでない」属性に不利益を負わせることに他ならない。
それは純然たる差別です。
そもそも、かわいそうだから女性を保護しよう、という考えって
それは普通に家父長制
です。
いや、自分の利益になるなら家父長制最高!差別最高!というならいいですけど、それはそれで矛盾でしょうよ。
