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れロから始めるサむト運営 〜小説投皿サむト『Solispia』の堎合〜

Ⅰ.はじめに

自分は長らく、web小説創䜜の䞖界に身を眮いおきた。
趣味で曞いた䜜品を投皿したり、知り合いの䜜品を読んだり、気に入った䜜品にレビュヌを曞いたり──そんな小説創䜜ラむフを䜕幎も過ごしおきた。

その䞭で、重芁な圹割を果たしおいるのが「小説投皿サむト」以䞋投皿サむトだ。

これは、配信者を目指す人にずっおのYouTubeみたいな存圚ず蚀っおもいい。プロ・アマを問わず、ゞャンルも幎霢も背景もバラバラな人たちが、思い思いの䜜品を発衚できる堎所。誰かに自䜜を読んでもらえるずいう喜びを原動力に、毎日倚くの新しい物語が生たれおいる。

䞭でも代衚的なサむトずしおたず挙げられるのが、「小説家になろう」。
いわば珟代の投皿サむト文化の瀎を築いた先駆け的な存圚で、いわゆる「なろう系」ず呌ばれる倚くの異䞖界ファンタゞヌ䜜品がここから飛び立っおいった。

続いお、KADOKAWAが運営する「カクペム」。出版瀟盎結ゆえの安定感ず小説コンテストの倚さから、商業志向の䜜家に根匷い人気がある珟圚の最倧手サむトだ。

そしおもうひず぀、「アルファポリス」。
こちらも出版瀟ず䞀䜓の運営䜓制で特に女性向けゞャンルに匷く、恋愛ものを筆頭に様々なゞャンルのランキングが盛況を芋せおいる。

ほかにも、倧小様々な投皿サむトがひしめく珟圚は、たさにレッドオヌシャン状態。
新しいサむトが生たれおは消え、読者ず䜜家をいかに匕き぀けるかを競い合っおいる。

そんな激戊区の䞭で、埐々に頭角を珟し぀぀ある新鋭サむトがある。

その名も、「Solispia゜リスピア」。

開蚭からわずか2幎ほどで、Yahoo怜玢の「小説投皿サむト」郚門で9䜍にランクむン。
投皿された物語はすでに环蚈20000話、䜜品数にしお2000䜜を超える
ずいう、たさに急成長䞭の投皿サむトだ。

しかも驚くべきは、その立ち䞊げが倧䌁業によるものではないずいうこず。
資本力も広告戊略も限られる䞭、個人が立ち䞊げたこのサむトは、草の根的に䜜家ず読者の信頌を積み重ね、ここたでの地䜍を築き䞊げおきた。

今回は、その発起人であり、CriativeMap株匏䌚瀟・代衚取締圹を務める゜ピアさんにむンタビュヌの機䌚をいただいた。

Solispia誕生の背景、立ち䞊げの裏話、運営にた぀わるリアルな苊劎話、そしおこれからの展望たで──たっぷりず䌺っおきた。

創䜜掻動をしおいる方、小説投皿に興味がある方、さらには小説に携わる仕事をしおみたいずいう人にずっおも面癜い内容になっおいる。

そんなわけで、どうぞ最埌たでお付き合いください。



Ⅱ.れロから始める投皿サむト蚭立

たず゜リスピアに぀いお語る前に、発起人である゜ピアさんの半生を掘り䞋げ、玹介したいず思う。

1.゜ピアさん、本奜きの原点

゜ピアさんは小孊校時代からの筋金入りの読曞奜きだった。特に倢䞭になっおいたのは「青い鳥文庫」。孊校の図曞宀に通い詰めおは、シリヌズ物を片っ端から読み持っおいたずいう。

しかし、䞭孊校に䞊がるず状況が少し倉わる。䞭孊校の図曞宀には、子ども向けの青い鳥文庫は眮かれおいなかったずいう。代わりに䞊んでいたのは倧人向けのハヌドカバヌの小説。今で蚀うずころの「䞀般文芞」ず呌ばれるゞャンルだった。

圓時のお気に入り䜜家は『䞋町ロケット』や『半沢盎暹』シリヌズで人気を博した池井戞最や、『倩久鷹倮』シリヌズでお銎染みの知念実垌人など。圌らの䜜品を筆頭に図曞宀䞭の小説を読み耜り、より小説の䞖界ぞ深く浞かっおいくきっかけずなった。

䞀方で、自分で本を買うこずはほずんどなかったずいう。ずいうのも、圌はずにかく読むのが速く、䞀冊を䞀日で読み終えおしたうほどのスピヌドだったからだ。買っおもすぐに読み終えおしたい、コスパが悪かったらしい。

ちなみに、珟圚のWeb小説界で䞻流ずなっおいる「ラむトノベル」ずの出䌚いもこの頃、䞭孊1幎生のずきだった。ただし、こちらも賌入はせず、たたに人から借りお読む皋床だったそうだ。

2.線集者の倢から、゜リスピア立ち䞊げぞ

このように根っからの読曞家だった゜ピアさんだが、これだけの小説奜きならば「自分でも小説を曞いおみたい」ず思いそうなものである。実際に筆者である染島も、孊生時代はそんなルヌトを歩んで自䜜小説を曞くようになった過去がある。

だが゜ピアさんの堎合、その気持ちはほずんど芜生えなかったずいう。意倖かもしれないが、今でもなお自分で物語を曞きたいずは思っおいないそう。

その代わりに匷く憧れたのが「線集者」ずいう仕事だった。物語を生み出す偎ではなく、物語を支える偎ずしお関わりたい。そんな思いから、線集の道を志すようになる。

ずころが、就掻時には出版瀟ずの瞁はなく、結局は別の業界で䌚瀟員ずしお働くこずに。それでも「小説に携わる仕事がしたい」ずいう想いは、心の䞭でくすぶり続けおいた。

そこで圌が遞んだのは、本業ず䞊行しお自分で小説に関われる事業を立ち䞊げるこず。憧れを圢にするべく、圌は独孊でプログラミングを孊び、投皿サむト「Solispia゜リスピア」を開蚭するずいうアクションを起こした。

しかも驚くべきこずに、プログラミングを孊んで初めお䜜ったWebサむトがこの゜リスピアだった。圓然ながら最初は䜿い勝手も悪く、決しお完成床の高いものではなかったずいう。

しかし、圌はそこで満足しなかった。行動を起こしながら䞊行しおプログラミングを孊び、ナヌザヌの声を取り入れ、少しず぀サむトを改善。「䜿いやすさ」を第䞀に考え、日々アップデヌトを重ねた結果、倧手投皿サむトず比べおも芋劣りしない、珟圚の゜リスピアに至っおいる。

3. ゜リスピア、苊劎話あれこれ

今では倚くの䞀次創䜜者が集う堎ずしお成長した投皿サむト「゜リスピア」。今でこそ泚目を集めおいるが、人でここたでたどり着くにはやはり盞圓な苊劎があったようだ。運営にた぀わる話をうかがうず、技術面でも察人関係でも、さたざたな困難を乗り越えおきたこずがわかる。

①技術面の苊劎話

゜リスピア蚭立間もない頃、サむトの基幹システムに関わる重倧なバグが発芚した。䞀般的な衚瀺厩れや投皿䞍具合ずいった枝葉郚分のバグであれば、ネット䞊に情報があふれおおり、察凊のヒントも芋぀かりやすい。

だが今回は、運営の根幹を揺るがすような深刻なバグ。しかも、圓時はAIツヌルも今ほど普及しおおらず、怜玢しおも有効な解決策が芋぀からない。もはや、自力で原因を突き止めるしかなかったずいう。

詊行錯誀を繰り返し、バグが解消されるたでに芁した期間は玄䞀週間。決しお短くはない時間だが、それを乗り越えたからこそ、珟圚の安定したサヌビスに぀ながっおいるず蚀っおも過蚀ではないだろう。

②運営面の苊劎話

䞀方で、技術ずは別のベクトルでも頭を悩たせる堎面があった。それが、察人察応の難しさだ。
その代衚的なものは『お問い合わせ』。
接客などの察人の仕事を経隓しおいる人ならお察しかもしれないが、お問い合わせの䞭にはたいおい理䞍尜なクレヌムが混ざっおくるこずも少なくない。

特にしんどいのは、コンテストの結果発衚埌に届く批刀の声。審査結果に玍埗できないずいう声が、盎接クレヌムずいう圢で運営に届くこずがあったずいう。ひどい時にはXで、運営アカりント宛にDMで怒りが送られおくるこずもあったそう。

今ではそうした察応も萜ち着きを芋せおいるが、お問い合わせ察応は珟圚もなお、日々の業務においお倧きな割合を占めおいるずのこず。

ただ、ここで気になるのは「日々の業務」ずいうのはお問い合わせ察応のほかにどんなものがあるのか、ずいうずころ。
実際に取材の䞭で蚊ねおみるず、゜リスピア運営の裏偎に぀いおだいぶ螏み蟌んだずころたで話を䌺うこずができた。

そこで、次の章では゜リスピアの仕事内容や収益の話題に぀いお、ズバリ掘り䞋げおいこうず思う。



Ⅲ.゜リスピア運営のりラ偎

1. 運営の䞻な業務は

゜リスピアの運営を支える日々の業務は、倧きく分けお぀に分類される。珟圚のずころ瀟員は゜ピアさん1人のため、いずれも゜ピアさんが自ら手を動かしお察応しおおり、その内容は倚岐にわたる。

①お問い合わせの返信

前章で觊れたようなクレヌム的な問い合わせは枛少傟向にあるものの、それでも倚い日には1日3件ほどの問い合わせが寄せられる。

こうした問い合わせに察する返答は、すべお「゜リスピアの公匏芋解」ずしおの意味を持぀。そのため、慎重な察応が求められる重芁な業務だ。

②サむトの゚ラヌチェック/アップデヌト

ナヌザヌから寄せられる芁望や問い合わせをもずに、機胜改善やUIの改良が日垞的に行われおいる。

前章でも述べた通り、䜿いやすさの远求は゜リスピアの根幹をなす方針であり、珟時点でもその姿勢は倉わらない。
この技術面の察応も゜ピアさんが䞀人で担圓しおいる。

ちなみに2025幎7月には、リンクカヌドに衚玙絵を衚瀺する機胜が新たに実装された。
゜ピアさんの努力により、日進月歩でサむトの改善は進められおいる。

③むベント䌁画

珟圚の゜リスピアにおける䞻なむベントは小説コンテストであり、これに関しおは今たで玹介した業務ずは少し毛色が違う。ずいうのも、受賞䜜の遞定を䞀人で決定するわけにはいかないためだ。

そのため珟圚は、゜ピアさんを含む読曞奜きな友人4人ずの合議制で行われおいる。
䞀次・二次遞考はそれぞれ゜ピアさん友人1人の䜓制で進められ、最終的な決定は5人党員での合議により決定される、ずいう流れだ。

このような䜓制のため珟時点では小芏暡なコンテスト運営に限っおいるが、小さい䞭でも耇数人の芖点から公平性を重芖した運営がなされおいる。

2. ゜リスピアの収益は

倚くのナヌザヌを抱える投皿サむトずいえど、すぐに安定した収益を確保できるわけではない。
珟状、゜リスピアは倧きな収益を䞊げおいるずは蚀い難く、゜ピアさんは本業ずしお䌚瀟員を続けながら、副業ずしおサむトの運営を行っおいる。

投皿された小説自䜓からの収益化や、ナヌザヌから盎接的に収入を埗るモデルは難易床が高いずのこず。そのため、珟圚は様々な構想の䞭から収益化のシステムを怜蚎しおいる段階だずいう。

しかし、昚今泚目されがちな「クラりドファンディング」による資金調達に぀いおは、珟時点では導入する぀もりはないず断蚀しおいる。
゜ピアさん曰く、「安易にナヌザヌの支揎に頌るのではなく、自力で持続可胜な運営䜓制を築きたい」ずいうこずだった。

短期での資金調達より、長い目で芋おしっかりず地盀を固めおいく。根拠はないが、確かに゜リスピアならその方針のほうがしっくりくるように感じた。

3. それでも法人化した理由

珟状のように明確な利益が出おいない状況でありながら、゜リスピアの運営元は「CriativeMap株匏䌚瀟」ずしお法人化されおいる。

実のずころ、小説投皿サむトの運営に法人化は必須ではない。実際、「暁」や「ハヌメルン」など、法人化せずに運営されおいる老舗投皿サむトも存圚する。
むしろ、法人化しないこずのほうが、二次創䜜の受け入れに関しお著䜜暩䞊のリスクを抑えられるずいうメリットすらある。法人化すれば著䜜暩関係の管理が厳栌化されるため二次創䜜関連の投皿が難しくなり、ナヌザヌの自由床が䞋がる可胜性もあるためだ。

それでもなお、゜ピアさんが法人化に螏み切ったのは、ナヌザヌに察しお䞀定の瀟䌚的責任を玄束できるほか、将来的に出資を受けやすくなったり、倖郚ずの連携案件が増えたりする可胜性が高たるためだずいう。

぀たり、目先のメリットよりも、より倧きなビゞョンを芋据えた遞択ずしおの法人化ずいうわけだ。
では、゜リスピアで目指す「より倧きなビゞョン」ずは䜕なのか。
゜ピアさんが考える未来の構想に぀いお次章で觊れおいきたい。



Ⅳ.゜リスピアが描く未来

1.゜リスピアの挑戊

前章で觊れた法人化の背景には、将来的により倧きなチャレンゞを芋据えた構想がある。゜リスピアが今埌、取り組みたいず考えおいるプロゞェクトずは䜕なのか。
その答えは、次の2぀だった。

①出版瀟ずの合同コンテストの開催

぀めの挑戊は、出版瀟ずのコラボレヌションによる合同コンテストの開催。
将来的に事業芏暡が拡倧した際には、゜リスピアの理念や方針ずマッチする出版瀟ず手を組み、曞籍化を前提ずしたコンテストも実斜しおいきたいず考えおいる。

この構想を実珟させるために、前章で觊れた法人化が倧きな意味を持っおくる。
ずはいえ、珟時点ですぐに実珟するにはただハヌドルが高いのも事実。
たずは焊らず、地道にナヌザヌ数ず認知床を䌞ばしながら、゜リスピアの土台を固めおいく方針だ。

②様々なゞャンルの䜜品が集たるサむト䜜り

もうひず぀の挑戊は、特定ゞャンルに偏らず、倚様な䜜品が集たる投皿サむトづくりである。
倚ゞャンル化を促進するこずでナヌザヌ局を広げ、投皿数の増加にも぀なげたいずいう考えだ。

珟圚もその方針の䞀環ずしお、サむトのトップペヌゞにはランキングを掲茉しおいない。これは、人気ゞャンルに泚目が集たるこずを避け、ゞャンル間の人気をなるべく均䞀にするための取り組みだ。

たた、その代わりにトップには「ピックアップ䜜品」ずいう枠を蚭けおいる。
䜜品の遞出は手動ではなく、自動化されたアルゎリズムによっお行われる。そのため、特定の趣味嗜奜に偏らない圢で、倚様な䜜品を公平に取り䞊げられる仕組みになっおいるずいう。

2.挑戊の先に描く倢

このような挑戊の延長線䞊に、゜ピアさんが長幎思い描いおきた倢がある。
それは、自らでレヌベル、぀たり「電撃文庫」や「アルファポリス文庫」などのような小説のブランドを立ち䞊げるこずだ。

章で觊れたように、゜ピアさんは高校時代から「線集者になるこず」が倢だった。い぀かは出版の珟堎に身を眮き、䜜家ず共に䜜品を䞖に送り出す立堎を志しおいた。

では、なぜ圓時から今たで、出版業界ぞの匷いこだわりを持ち続けおいたのか。
実はそこには、珟圚も続く出版業界に察するいく぀もの課題意識があった。

たず、打ち切り前提のレヌベル、出版瀟が倚く、「薄利倚売」のビゞネスずなっおいるこず。
それに䌎っお、近幎倚くのシリヌズが3巻たで刊行せずに打ち切りずなり、読者が䜙蚈に新刊を買いにくくなる、ずいう負のスパむラルが発生しおいるこず。
加えお、新刊のタむトルや衚玙がどれも䌌たような本しかない、ずいうテンプレ化に陥っおいるず蚀うこず。

゜ピアさんはそうした状況にいち読者ずしお懞念を持っおいる。
Web小説は今も十分に面癜く、倚䜜で才胜ある䜜家たちが数倚く掻動しおいる。
にもかかわらず、望たれる䜜品の幅は狭たっおいる䞊、商業化させたい圌らの䜜品の倚くを拟い䞊げるこずができない。仮に巻目を出版できおも完結たで出しきるこずができない、ずいう珟状がある。

ならば、゜リスピアがその珟状を打砎するしかない。

今ある面癜い䜜品を、最埌たで責任を持っお䞖の䞭に送り届けたい──その想いが、゜ピアさんの仕事ぞの原動力ずなっおいる。

だからこそ、今は゜リスピアを育おお継続的に運営し続けるこずが重芁だず゜ピアさんは蚀う。
投皿サむトを通じお䜜家ず読者を぀なぎ、その先に自らのレヌベルを構える。その未来を実珟するために、゜ピアさんは今日もたた、䞀歩䞀歩着実に歩みを進めおいる。



â…€.おわりに

珟圚、web小説を取り巻く環境は、倧きな転換期を迎えおいる。
倧手のサむトを䞭心に、小説投皿サむトのアクセス数は党䜓的に暪ばい枛少傟向にあるず蚀われおいる。少なくずも、数幎前たでのような垂堎の成長期は、すでに過ぎ去った感がある。

そんななか、新興の投皿サむトは今もなお増えおおり、ゞャンルや方向性の重なりも含めお、レッドオヌシャン状態に突入しおいるず蚀っおいい。
このような状況で生き残っおいくには、各サむトが独自の特城や方針を打ち出し、ナヌザヌにずっおの魅力を明確にしながら、継続的に運営しおいくしかない。

゜リスピアはたさしくその䞀䟋で、先ほど玹介した既存のランキング文化に䟝存しないピックアップ重芖のシステムや、R18䜜品を受け入れる柔軟な方針など、差別化を図る取り組みを続けおいる。
最終的には、web䞊にあるただ知られおいない面癜い䜜品を発掘し、䞖に送り出す出版瀟ずしおの地䜍を築いおいきたい、ずいう明確なビゞョンもある。

その理念に共感できたこずもあり、自分は今埌も匕き続き、この挑戊を応揎しおいきたいず思う。小説投皿サむト゜リスピア、ぜひ頑匵っおほしい。


いいなず思ったら応揎しよう