親友ガチャ〜陰キャだった中学時代をふりかえる
学校の教室は小宇宙。
小中高が楽しいかは、クラスで決まると俺は思う。
中2のクラスが楽しかっただけに、中3のメンツを見たとき暗い気持ちになった。
案の定、友達は2人しかできなかった。
1人は背が高いモテ男だったが、奴が俺と友達になった理由は全く覚えていない。
もう1人は中1のときに俺をイジメていた奴だ。
モテ男の友達で、俺とも仲間になった。
放課後はよくモテ男の家に集まったものだ。
モテ男の親父さんは新聞配達を生業にしており、そこは平屋の小さな家だった。
モテ男の家に着くと、いつも2人は流行りの音楽などで盛り上がっていた。
毎回話題に入り損ねても、早めに行ってモテ男と話そうという考えには至らなかった。
きっとそれぐらいの居心地だったのだろう。
それでもあの頃の俺にとって、モテ男の妹が美人というだけで、通う理由には十分過ぎたように思える。
中学3年の1年間。
友達というスペースは確かに誰かが埋めていた。
でも、ただそれだけだった。
中学を卒業すると2人とは疎遠になった。
ところが俺が大学に入学すると、奴らからの誘いが増えた。
今考えると、奴らは中卒と高卒で社会に出ていたので、大学生の俺が興味深かったのだと思う。
その頃は奴らの仲が冷めていて、俺がそれぞれと別に遊び、それぞれの近況を話題にするのが常だった。
以前と異なり、2人をつなぐ役割を俺が担うという奇妙な関係が続いた。
それも中学から働いていた奴が自死を選んだことで終止符を打った。
このことは長い話になるので、改めて触れたいと思う。
その後もモテ男とは正月に招かれて麻雀をしたりしていた。
しかし、奴も嫁さんも驚くほど弱く、いつも1人勝ちだったので段々と気まずくなってしまった。
そうして、奴との関係も流局した。
はたして彼らは友達だったのだろうか?
お互い退屈な時間を埋め合っただけかもしれない。
心の底から分かりあえた瞬間は一つも思い出せない。
きっと、中3のメンツを見たときの暗い気持ちは、その先も続いていたのだろう。
イジメられたことへのわだかまりと一緒に。
もし奴が一命を取り止めていたら、わだかまりなく付き合えたかもしれない。
「そんなに生きるのが辛いの?俺もそうだから痛いほど分かるよ」などと言って。
でもそれは願望に過ぎず、3人が友情を育む世界線はどこにもなかったのだと思う。
中3の配牌をやり直すことでしか、役満でアガる喜びは永遠に叶わないのである。
seidakun

