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低すぎる目標が、高すぎる目標と同じくらい危険な理由

目標設定と聞くと、多くの人が「高すぎる目標はダメ」という話を思い浮かべるのではないでしょうか。確かにそれは正しい。でも実は、低すぎる目標も同じくらい危険なんです。

私は20年間の経営の中で、これまで1000人以上のITエンジニアを育成してきました。その過程で気づいたのは、高い目標で部下を潰してしまう上司がいる一方で、低すぎる目標で部下のやる気を削いでしまう上司も意外と多いということでした。

低すぎる目標が生む「静かな離職」

低すぎる目標の何が問題なのか。それは「成長している実感」が持てないことです。

人は本来、成長を実感できる環境で働きたいと思っています。ところが目標が低すぎると、それをクリアしても「当たり前のことをしただけ」という感覚になってしまう。達成感も得られないし、自分が前進している手応えも感じられない。

これって、実はとても深刻な問題なんです。なぜなら仕事がつまらなくなってしまうから。

私の会社でも以前、「とりあえず無理のない範囲で」という発想で目標設定をしていた時期がありました。その結果、優秀な社員ほど「この会社にいても成長できない」と感じて辞めていく。まさに「静かな離職」が起きていたんです。

高すぎる目標と低すぎる目標、どちらも同じ結末

高すぎる目標の問題は分かりやすい。部下が「無理だ」と諦めてしまったり、達成できずに自信を失ったりする。結果として、モチベーションが下がって離職につながる。

一方、低すぎる目標はどうでしょうか。一見すると「優しい上司」に見えるかもしれませんが、実は部下から成長の機会を奪っているんです。そして最終的には、やはりモチベーションの低下と離職という同じ結末を迎える。

要するに、どちらも「人が辞める組織」を作ってしまうということです。

「適切なストレッチ目標」という考え方

では、どうすればいいのか。私が大切にしているのは「適切なストレッチ目標」という考え方です。

これは、今の実力より少し上のレベルに設定された目標のこと。簡単すぎず、難しすぎない。努力すれば手が届く範囲にある目標です。

具体的には、部下の現在のスキルレベルを10とすると、12〜13くらいの目標を設定する。これくらいだと「頑張れば達成できそう」という感覚を持ってもらえます。

そして大切なのは、この目標設定を一方的に決めるのではなく、上司と部下で一緒に考えること。これこそが「期待値のすり合わせ」なんです。

期待値のすり合わせが組織を変える

私の経験上、組織の問題の多くは「期待値のズレ」から生まれています。

上司は「もっと頑張ってほしい」と思っているのに、部下は「これくらいで十分でしょ」と思っている。あるいはその逆で、部下は「もっと挑戦したい」と思っているのに、上司は「無理しなくていいよ」と言ってしまう。

こうしたズレを防ぐために、目標設定の場を「対話の機会」として活用するんです。部下の現状を聞き、将来の希望を確認し、一緒に適切なストレッチ目標を見つけていく。

この過程で、お互いの期待値が明確になり、同じ方向を向いて進めるようになります。

成長実感が生む好循環

適切なストレッチ目標を設定できると、部下は成長を実感しながら働けるようになります。そして成長実感こそが、仕事へのやりがいや主体性を生み出す原動力になるんです。

私の会社でも、この考え方を導入してから従業員エンゲージメントが大幅に向上しました。離職率も40%超から5%まで下がり、社員数も100名を超えるまでに成長できました。

目標設定は単なる業務管理の手法ではありません。人と組織を成長させる重要な仕組みなんです。

あなたの組織では、適切なストレッチ目標を設定できていますか?もし迷っているなら、まずは部下との対話から始めてみてください。きっと新しい発見があるはずです。

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