知らないと損する会社員の節税5選 |確実に減らすコツ
ちょっと待って✋
毎月給料から引かれている税金
「仕方ない・・・」
と思ってそのまま払い続けていませんか?
どうも、FP1級のしろくまです🌿
わたし、正直に言いますね。
会社員は、知らないうちに
「払わなくていい税金」
を毎年払い続けています。
制度を使えば合法的に減らせる税金が、
確実にあります。
でも
「難しそう」
「手続きが面倒」
「自分には関係ない」
という理由で、
毎年数万円を静かに捨て続けている人がとても多いです。
例えば!
年収500万円の会社員が、
この記事で紹介する5つの節税をすべて実践した場合。
年間で節税できる金額は数万円から、場合によっては20万円以上になります。
「そんなに?」
と思いましたか。
本当です。
難しいことは何もありません。
制度を知って、使うだけです。
知っている人と知らない人で、
同じ年収でも「手元に残るお金」がまったく変わります。
この記事では、FP1級として、
会社員が今すぐ使える節税5選を全部正直にお伝えします。
「制度の話は難しそう」
と思っている人こそ、読んでほしい記事です。
《この記事はこんな人に向けて書いています》
ふるさと納税はやっているけど、他に何があるかわからない
iDeCoが節税になると聞いたが、仕組みがよくわからない
医療費控除が使えるか毎年悩みながら、結局確認せずに終わる
住宅ローンを持っているが、節税制度をフル活用できているか不安
節税の制度を「全部まとめて」理解したい
第1章 節税① ふるさと納税|自己負担2,000円で返礼品がもらえる、最もお得な制度
会社員が今すぐ使える節税の中で、
一番簡単でお得なものから始めます。
ふるさと納税です。
「知ってる、やってる」
という人も、
「何となくわかるけど、実はちゃんと理解できていない」
という人も、
この章を読んでください。
「わかっているつもり」
で使い方を間違えて、損している人が意外に多いからです。
《ふるさと納税の仕組みをひと言で》
好きな自治体に寄付をすると、
寄付した金額から2,000円を引いた分が、
翌年の住民税から丸ごと戻ってくる制度です。
しかも多くの自治体が返礼品を用意しているため、
実質2,000円の自己負担でお肉・魚介・米・日用品などをもらえます。
「2,000円でお肉もらえるの?」
そうです、そういうことです。
ただし、ここに一つ大切なポイントがあります。
「上限額を超えて寄付すると、超えた分は純粋に損になる」
これだけは絶対に覚えておいてください。
上限を超えた分の寄付は控除されません。
自腹を切って寄付しただけになります。
《控除上限額の目安|年収・家族構成別の早見表》
自分の上限額を把握することが、
ふるさと納税で損をしないための第一歩です。
控除上限額とは?
→ふるさと納税を行う年の1月1日から12月31日の所得金額で計算されます。
年収だけでなく家族構成によっても変わります。
代表的なケースの目安は以下のとおりです。

これはあくまで目安です。
正確な金額は
「さとふる」
「ふるさとチョイス」
などのサイトに無料のシミュレーターがあります。
年収と家族構成を入力するだけで数字が出るので、
必ず確認してから寄付してください。
《ワンストップ特例制度と確定申告、どちらを選ぶべき?》
ふるさと納税で控除を受けるには、手続きが必要です。
方法は2つあります。
① ~ワンストップ特例制度~
確定申告が不要な会社員で、寄付先が5自治体以内の場合に使える方法。
寄付のたびに自治体から送られてくる申請書類に記入して郵送するだけ。
確定申告不要なので手軽です。
ワンストップ特例を利用した場合は、
所得税の還付はなく、全額が翌年の住民税から控除される形になります。
② ~確定申告~
寄付先が6自治体以上の場合、
または他の理由で確定申告が必要な場合はこちら。
確定申告でふるさと納税を申告すると、
一部が所得税から還付され、
残りが翌年の住民税から控除されます。
ここで一つ、絶対に知っておいてほしいことがあります。
医療費控除や住宅ローン控除(初年度)などで確定申告をする年は、
ワンストップ特例が使えなくなります。
iDeCoの控除を年末調整で処理できなかった場合や、
医療費控除などで確定申告をする場合は、
ワンストップ特例が使えなくなります。
この場合、
確定申告でふるさと納税の寄付金控除を申請する必要があります。
「ワンストップ特例を出したから大丈夫」
と思って確定申告をしたら、
ふるさと納税分が二重申請になってしまう
という失敗が実際に起きています。
医療費控除を申請する年は、
ふるさと納税も確定申告でまとめて申請する
という流れを忘れないようにしてください。
《iDeCoや医療費控除と併用するときの注意点》
ふるさと納税の限度額は、
他の税金控除と併用する場合に影響を受けることがあります。
医療費控除を申請する場合や、
住宅ローン控除を受けている場合は、
課税対象となる所得がその分少なくなるため、
ふるさと納税の限度額も低くなります。
つまり
「iDeCoで所得控除が増えた」
「医療費控除が使えた」
という場合、ふるさと納税の上限額は少し下がります。
「複数の節税を同時に使えばもっとお得」は正しい。
でも
「上限額が変わる」ことを知らずに、
昨年と同じ金額で寄付をしてしまうと、
上限を超えて自腹が発生する場合があります。
複数の節税制度を使う年は、
必ずシミュレーターで改めて上限額を確認することが大切です。
《いつ始めるべき?》
ふるさと納税は
1月1日から12月31日の年間の寄付が、その年の控除の対象になります。
よくある失敗が
「年末に焦ってまとめて寄付する」パターンです。
人気返礼品は年末に品切れになることが多く、
急いで選んだ結果「欲しくないものを上限まで買ってしまった」
という声も聞きます。
気になった返礼品は早めに申し込むのがポイントです。
複数回に分けて申込み、
年末に年収が確定してから残りの金額分を追加申込みするという方法もおすすめです。
《わたし自身のふるさと納税の使い方》
毎年、お米と日用品を中心に選んでいます。
理由はシンプルで
「確実に使う消耗品を選ぶと、返礼品の価値を最大限実感できる」からです。
毎月スーパーで買っているお米代が浮く。
これが一番わかりやすいお得の実感です。
次の章では、
iDeCoの節税効果を年収別のシミュレーション付きで解説します。
ふるさと納税と並ぶ「会社員最強の節税」の正体を見てください。
第2章 節税② iDeCo|掛金が全額控除される、会社員最強の節税
ふるさと納税の次に、ぜひ使ってほしい節税制度があります。
iDeCoです。
・「名前は聞いたことがある」
・「難しそうで後回しにしている」
という人が多いのですが、
節税効果だけで言えばふるさと納税より強力な場面があります。
特に年収が上がるにつれて、その差は大きくなります。
《iDeCoの節税効果をひと言で言うと》
毎月積み立てた掛金の全額が、その年の所得から差し引かれます。
つまり
「掛金分だけ、税金が計算されるベースの収入が減る」
ということです。
課税される収入が減れば、所得税も住民税も少なくなる。
これがiDeCoの節税の仕組みです。
しかもこの節税は、毎年自動的に受けられます。
会社員の場合、年末調整で手続きが完結します。
確定申告すら不要です。
《年収別シミュレーション|実際いくら節税できる?》
年収500万円の会社員が月23,000円を拠出した場合、所得税と住民税を合わせて年間約5.5万円の節税になります。
「年5.5万円」が毎年戻ってくるイメージです。
30年続ければ、節税効果だけで165万円になります。
年収別にもう少し細かく見てみます。
月2万円を積み立てた場合の年間節税額の目安です。

年収が高いほど節税効果が大きくなります。
「年収が上がると税金も増えて損だ」
と感じている人ほど、iDeCoが効いてきます。
老後資金を積み立てながら、現役中に数百万円の節税ができる。
これがiDeCoの「一石二鳥」です。
《2026年12月予定の掛金上限引き上げで、節税効果がさらに大きくなる》
現在の会社員(企業年金なし)のiDeCo掛金上限は月2.3万円ですが、この金額が近く大きく変わります。
昨年にiDeCoの掛金上限額の大幅引き上げを含む拡充が決定しました。
企業年金のない会社員の上限額は
月6.2万円へと引き上げられる予定です。
月2.3万円と月6.2万円の差は月3.9万円、年間46.8万円です。
年収600万円台(所得税率20%)の人がこの差額分を追加で積み立てた場合、年間の節税額がさらに約14万円増える計算です。
「今から始めておいて、上限が上がったタイミングで増やす」という戦略が、現在の最適な動き方です。
今から始めることで、制度に慣れる時間が作れます。
ただし繰り返しになりますが、iDeCoは60歳まで引き出せません。
掛金を増やすときは「この金額を老後まで封印できるか」を必ず確認してから設定してください。
《年末調整だけで手続きが完結する》
会社員がiDeCoを使う上での最大の強みは「手続きの手軽さ」です。
掛金を拠出した年末に、iDeCoの金融機関から
「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られてきます。
これを年末調整の書類と一緒に会社に提出するだけで、所得控除が適用されます。
確定申告は不要です。
ただし!
注意点が一つあります。
医療費控除など他の理由で確定申告をする年は、年末調整でiDeCoの控除を申告しても確定申告でもう一度申告が必要になるケースがあります。
確定申告をする年は、iDeCoの控除も確定申告にまとめて申告するようにしてください。
《住宅ローン控除との組み合わせで注意すること》
住宅ローンを持っている人が、iDeCoと同時に使う場合に知っておくべき注意点があります。
iDeCoは所得控除のため、課税所得を減らす効果があります。
住宅ローン控除は税額控除のため、計算された税額からそのまま引かれます。
iDeCoで所得税が先に減らされると、
住宅ローン控除で差し引ける税額も減る可能性があります。
つまり、
住宅ローン控除を受けている間は、iDeCoで課税所得を下げすぎると
「住宅ローン控除の枠が使いきれない」
という状態が起きることがあります。
特に年収が低く、住宅ローン控除の金額が大きい場合に起きやすい現象です。
そんな場合は「住宅ローン控除が終わってからiDeCoを増やす」という考え方もあります。
自分のケースでどうなるかは、第5章の「組み合わせ設計図」で詳しく解説します。
《「60歳まで引き出せない」リスクと、それでも始める理由》
正直に言います。
iDeCoの最大のデメリットは「60歳まで引き出せないこと」です。
これは使う目的が「老後資金」に限定される資産を作ることを意味します。
近い将来に住宅購入・教育費・育児費用など大きな出費が予想される場合は、iDeCoへの配分を慎重に決める必要があります。
生活防衛費(月の生活費×3〜6ヶ月分)が確保できていて、かつ老後まで手をつけなくていい余剰資金がある場合にだけ、iDeCoを始めてください。
「引き出せない制約がある分、節税メリットが大きい」とも言えます。
この制約と節税効果のバランスを自分の状況に合わせて判断することが大切です。
《わたし自身のiDeCoの使い方》
現在、月1万円でiDeCoを継続しています。
選んでいる商品はオルカン(全世界株式インデックス)と同等の商品。
金融機関の手数料が低い証券会社を選んでいます。
月1万円にしている理由は
「近い将来に出産・育休で収入が変わる可能性があり、封印する金額を抑えておきたいから」です。
iDeCoは掛金を年1回変更できます。
生活が安定して余裕が生まれたタイミングで増やす予定にしています。
FP1級でも「自分の状況に合った金額」を選ぶことが最優先。
節税効果が大きくても、生活を圧迫する金額を設定することはしません。
次の章では、意外と知らない人が多い「医療費控除」について話します。
「年間10万円も医療費なんてかからない」
と思っている人に、ぜひ読んでほしい内容です。
第3章 節税③ 医療費控除|年間10万円を超えたら必ず申請すべき
「医療費控除って、大きな病気をした人が使うものでしょ?」
そう思って、毎年チャンスを見逃している人が本当に多いです。
実は、妊娠・出産・育児だけで医療費控除の対象になるケースが非常に多い。
花粉症の薬を薬局で買っても対象になります。
病院に行くときの交通費も対象です。
「自分には関係ない」
と思って、申請せずに数万円を捨てている人へ。
この章を読んで、今すぐ確認してください。
《医療費控除の仕組みをひと言で言うと》
1月1日から12月31日の1年間に、自分と生計を同一にする家族のために支払った医療費の合計が10万円を超えた場合、超えた部分が所得から控除される制度です。
実際に支払った医療費の合計から、
生命保険や健康保険で補てんされた金額を差し引き、
さらに10万円を引いた金額が医療費控除額になります。
控除額に対して自分の所得税率を掛けた分が、確定申告後に戻ってきます。
たとえば年間の医療費が15万円、
保険での補てんなし、所得税率10%の人の場合。
「15万円 − 10万円 = 5万円」が控除対象。
「5万円 × 10%(所得税率) + 5万円 × 10%(住民税率) = 1万円」
が還付・控除される税額の目安です。
「1万円しか戻らないなら大したことない」
と思う人もいるかもしれません。
でも、これはあくまで15万円の場合の話です。
妊娠・出産が重なると医療費は大きく増えます。
《対象になる医療費・ならない医療費》
「これも対象になるの?」
という驚きがあると思うので、具体的に整理します。
~対象になるもの(よく見落とされるもの含む)~
病院・診療所の診察費・治療費
処方箋で購入した薬代
歯の治療費(インプラントも一部対象)
病院への通院交通費(電車・バス・タクシー)
妊婦健診の費用(公的助成を受けても実費部分が対象)
正常分娩の入院・出産費用
不妊治療費(体外受精・顕微授精含む)
流産・死産の場合も対象
市販薬(治療目的のもの・医師に相談した上での購入)
介護施設の利用料の一部
~対象にならないもの~
• 健康増進目的のビタミン剤・サプリメント
• 美容整形
• 自己都合の差額ベッド代
• 自家用車のガソリン代・駐車場代
• 予防接種(インフルエンザ等)
• 健康診断・人間ドック(異常なしの場合)
交通費が対象になることを知らずに、毎回病院に行くたびに交通費を捨てている人が多いです。
領収書がないバスや電車は、乗車日・行き先・金額をメモしておくだけで申告できます。
《妊娠・出産でかかった費用の医療費控除》
妊娠・出産をした年は、医療費控除の対象になる費用が一気に増えます。
ただし
一つ、大きな注意点があります。
出産育児一時金が原則50万円に引き上げられています。
医療費控除を計算する際には、この出産育児一時金を医療費から差し引いた金額で計算します。
つまり、出産でかかった費用が60万円だとしても、
出産育児一時金50万円を引いた残り10万円が「実際にかかった医療費」になります。
さらにここから10万円を引くと、控除対象はゼロになる計算です。
「出産費用を払ったのに医療費控除がゼロになった」
という人は、この仕組みを理解していなかったケースが多いです。
ただし、
妊娠期間中の検診費用・交通費・不妊治療費などを加算すると、
合計が10万円を超えるケースは十分にあります。
この記事を読んでいる人の中で、昨年か今年に妊娠・出産・不妊治療を経験した人は、必ず計算してみてください。
《ふるさと納税との「ワンストップ特例が使えなくなる」問題》
医療費控除は年末調整では申告できません。
確定申告が必要です。
そして
「確定申告をする年は、ふるさと納税のワンストップ特例が無効になります。」
ワンストップ特例の申請書類を各自治体に提出していても、確定申告をした瞬間にそちらが優先されて、ふるさと納税の控除は確定申告で申告し直す必要があります。
これを知らずに
「ワンストップ特例を出したからOK」
と思っていると、ふるさと納税の控除が受けられないまま終わる可能性があります。
医療費控除を申請する年は
「ふるさと納税もまとめて確定申告で申告する」
という流れを、今から覚えておいてください。
《領収書の保管方法と、今日からできる記録術》
医療費控除を申請するには、領収書や交通費のメモが必要です。
でも「毎回ちゃんと保管できる気がしない」という人が多い。
わたしがやっている方法をお伝えします。
① 封筒に月別で入れるだけ
難しく考えず、月ごとに封筒を一つ用意して
「この月の医療関係の領収書」
を全部入れるだけ。
これだけで十分です。
② 交通費はスマートフォンのメモアプリに記録する
「○月×日、△△病院、電車往復640円」
というように、行くたびにメモします。1分もかかりません。
③年末にざっと合計してみる
10万円に届かなければ今年は申請しなくていい。
届いていれば確定申告の準備をする。
それだけの判断です。
「10万円に届くかわからないから」
という理由で何も記録しない人は、結果的に10万円超えていたとしても申告できません。
とにかく記録することが先です。
《わたし自身が今年申請する予定の内容》
参考として、今年わたしが医療費控除で申請を予定している内容をお伝えします。
妊婦健診の費用
通院交通費
処方薬代
分娩費用(出産育児一時金を差し引いた実費)
の合計です。
出産育児一時金の差し引き後でどのくらい残るかによって、申請金額が変わります。
年末に向けて今から領収書の整理を進めています。
ふるさと納税はワンストップ特例を使わず、
確定申告でまとめて申告する予定にしています。
次の章では「住宅ローン控除」を解説します。
会社員の節税の中で最も金額が大きくなりやすい制度ですが、iDeCoやふるさと納税と組み合わせると「使いきれない」という問題が起きるケースがあります。
第4章 節税④ 住宅ローン控除|13年間、毎年自動で税金が戻ってくる
住宅ローンを持っている人にとって、これが節税の最大の柱になります。
金額の大きさで言えば、5つの節税の中でダントツです。
1年で数十万円、13年間で最大数百万円の税金が戻ってくる可能性があります。
「知っているし、使っている」
という人も、実は「正しく使いきれていないケース」が多い制度です。
特に、iDeCoやふるさと納税と組み合わせたときに起きる
「控除の相殺問題」を知らずに損している人が非常に多い。
この章でしっかり確認してください。
《住宅ローン控除の仕組みをひと言で言うと》
毎年12月31日時点の住宅ローン残高に0.7%を掛けた金額が、その年の所得税から差し引かれる制度です。
年末の住宅ローン残高4,000万円の場合、4,000万円×0.7%=28万円が1年分の控除額です。
13年間継続すると、最大364万円の減税になる可能性があります。
毎年28万円が戻ってくるとしたら、家計へのインパクトは非常に大きい。
しかもこの控除は、2年目以降は年末調整だけで受けられます。
確定申告は初年度のみ必要で、それ以降は会社に書類を提出するだけです。
《現在の制度は省エネ基準が重要になっている》
2026年は「省エネ住宅優遇型」制度が適用されており、住宅の性能によって控除対象の借入限度額が異なります。
簡単に整理すると以下の通りです。

2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅について、省エネ基準を満たさない場合は住宅ローン減税を受けられません。
「子育て世帯」の定義は19歳未満の子を有する世帯です。
「若者夫婦世帯」はいずれかが40歳未満の世帯。
これらの世帯は借入限度額が上乗せされます。
また、今年度の税制改正で制度が2030年末まで5年間延長されました。
今回の最大の変更点は「中古住宅への支援拡充」で、省エネ性能の要件を満たす中古住宅は借入限度額が最大4,500万円へ引き上げられ、控除期間も13年間に延長されます。
《「控除しきれない」問題が起きるケース》
ここが最も重要なポイントです。
住宅ローン控除は「税額控除」です。
計算された税額からそのまま引かれます。
一方でiDeCoやふるさと納税は「所得控除」で、税金を計算するベースの収入を減らします。
この順番の違いが、組み合わせたときに問題を起こします。
《具体例で説明します》
◎年収500万円の会社員
iDeCoで年間24万円の所得控除を受けたとします。
この場合、iDeCoで課税所得が先に減るため、計算される所得税も減ります。
そこから住宅ローン控除として「28万円を引こう」としても、
iDeCoで先に税金が減ってしまった後だと、
「引ける税額が28万円分残っていない」という状況が起きることがあります。
住宅ローン控除を受けている場合にiDeCoとふるさと納税を併用すると、
住宅ローン控除で控除しきれない部分が出る可能性があります。
iDeCoで課税所得が減ると、
住宅ローン控除で控除できる税額も減ってしまいます。
これは「住宅ローン控除の恩恵が薄れる」という状態です。
住宅ローン控除だけ使っていれば28万円戻るはずが、
iDeCoも使ったことで結果的に合計の節税効果が増えない、
あるいは期待していたより少ないという事態が起きます。
《組み合わせのベストプランとは》
では、住宅ローン控除がある場合はiDeCoやふるさと納税をやらない方がいいのか。
そうとも言い切れません。
住宅ローン控除で
「使いきれない控除額が出ているかどうか」
を確認することが最初のステップです。
確認方法は、昨年の源泉徴収票を見てください。
「住宅借入金等特別控除の額」という欄の金額が、「所得税」の欄の金額より少ない場合は、住宅ローン控除を全額使いきれています。
逆に「住宅借入金等特別控除の額」が「所得税」の欄とほぼ同じか、それに近い場合は、すでに所得税がほぼゼロになっている状態です。
この場合、iDeCoで所得控除をさらに積み上げても、引ける税額が残っていないので節税効果がほぼありません。
シンプルなガイドラインを示すと、以下の通りです。
◎住宅ローン控除で所得税が余っている(引ききれていない)
→ iDeCoを積極活用してOK
◎住宅ローン控除で所得税がほぼゼロになっている
→ iDeCoは少額または住宅ローン控除が終わってから検討
《住宅ローン控除が終わった後にやるべきこと》
住宅ローン控除の期間は最長13年間です。
控除が終わった年から、家計の「節税の構造」が大きく変わります。
毎年戻っていた数十万円が戻らなくなる。
この変化を事前に把握して
「住宅ローン控除が終わったらiDeCoを増やす」
という計画を今から立てておくことが重要です。
控除が終わるタイミングで、iDeCoの掛金を上限近くまで増やす。
ふるさと納税の上限額も増える。
年間の節税策を住宅ローン控除から他の制度にシフトするという意識を持っておいてください。
次の章では、
この4つの節税制度を
「全部同時に使うときの最適な組み合わせ」と、
生命保険料控除を加えた5つ目の節税についてまとめます。
第5章 節税⑤ 生命保険料控除|そして5つの制度を組み合わせて最大効果を出す方法
ここまで4つの節税制度を見てきました。
ふるさと納税
iDeCo
医療費控除
住宅ローン控除
それぞれを個別に理解することも大切ですが、この章で伝えたい本当に重要なことは「組み合わせ方」です。
バラバラに使っていると損するケースがあります。
逆に正しい順番と配分で使えば、同じ収入でも年間の節税額が大きく変わります。
まず5つ目の節税から確認して、
その後「全部同時に使う設計」を出します。
《節税⑤ 生命保険料控除》
生命保険・個人年金保険・介護保険(医療保険)に加入して保険料を支払うと、所得から一定額が控除される制度です。
3つの枠のそれぞれの上限と、合計の最大控除額

生命保険料控除の最大控除額は所得税で12万円、住民税で7万円です。
所得税率10%の人が3つの枠すべてを上限まで活用した場合、所得税で1万2,000円、住民税で7,000円、合計約1万9,000円の節税になります。
「保険料を払って節税できる」
という話ですが、注意が必要です。
節税のためだけに不要な保険に入ることはお勧めしません。
「保険料を払って控除を受ける」という構造上、払った保険料より節税額の方が大きくなることはありません。
あくまで
「すでに必要な保険に入っている場合、その控除もきちんと使い切る」
という発想が正しい使い方です。
この控除は年末調整で申告できます。
加入している保険会社から10〜11月に「控除証明書」が届きます。
これを年末調整書類と一緒に提出するだけです。
《5つの節税制度の「優先順位」と「組み合わせの罠」》
ここからが、この記事で一番大切な内容です。
5つの節税制度には、使う順番と配分を間違えると損するパターンがあります。
「住宅ローン控除とiDeCoの相殺問題」
がその代表例ですが、他にもあります。
罠① ~ふるさと納税の上限がiDeCoや医療費控除で変わる~
ふるさと納税の控除上限額は、その年の課税所得から計算されます。
iDeCoで所得控除が増えると課税所得が下がるため、ふるさと納税の上限額もその分下がります。
「昨年と同じ金額でふるさと納税した」
という人が、実はiDeCoを始めたことで上限を超えていた、ということが起きます。
必ず毎年シミュレーターで上限額を再確認してください。
罠② ~医療費控除を申請した年にワンストップ特例が無効になる~
これが最も多い失敗です。
医療費控除で確定申告をする年は、ふるさと納税のワンストップ特例が無効になります。
ふるさと納税を確定申告でまとめて申告し直す必要があります。
罠③ ~住宅ローン控除がある間のiDeCoは効果が薄いケースがある~
住宅ローン控除ですでに所得税がほぼゼロになっている場合、
iDeCoをさらに積み立てても節税効果が限定的になります。
《年収・状況別「節税の最適な組み合わせパターン」》
◎パターンA
~住宅ローンなし・iDeCoあり・ふるさと納税をやりたい場合~
最もシンプルに5つ全部を使えるパターンです。
【優先順位】
①生命保険料控除(年末調整で自動)
②iDeCo(年末調整で申告)
③ふるさと納税(上限額をiDeCoの控除後で再計算して設定)
④医療費控除(申請する年のみ)
注意点:ふるさと納税の上限額は、iDeCoの掛金分だけ下がります。
必ずシミュレーターで確認してから寄付額を決めてください。
◎パターンB
~住宅ローンあり・iDeCoとふるさと納税を併用したい場合~
まず源泉徴収票で
「住宅ローン控除で所得税がどのくらい余っているか」を確認します。
・所得税が余っている状態(控除しきれていない)
→ iDeCoを積み立ててOK
・所得税がほぼゼロになっている
→ iDeCoは最低額(月5,000円)か、住宅ローン控除終了後に本格化
ふるさと納税は住宅ローンの有無に関わらず使えます。
ただし上限額はiDeCoと医療費控除を反映した金額でシミュレーターを使って確認してください。
◎パターンC
~妊娠・出産で医療費がかかった年の最適な申告方法~
この年は特に注意が必要です。
「ふるさと納税→ワンストップ特例は使わない、確定申告でまとめる」
という決断を年初にしておくことが大切です。
医療費の領収書・交通費のメモを1月から記録し始める。
出産育児一時金の額を確認しておく。
これだけで確定申告の準備が格段にスムーズになります。
《「年末調整だけで終わる人」と「確定申告が必要な人」の分岐点》
毎年どちらが必要かを整理しておきます。
~年末調整だけで完結する節税~
生命保険料控除
iDeCo(会社員の場合)
住宅ローン控除(2年目以降)
~確定申告が必要な節税~
医療費控除
ふるさと納税(6自治体以上、または確定申告をする年)
住宅ローン控除(初年度のみ)
確定申告をする年は、
年末調整で申告した内容も確定申告に含める形になります。
「年末調整でiDeCoを申告したけど、確定申告でも書く必要があるの?」
という疑問を持つ人がいますが、確定申告をする場合はiDeCoも含めて全部まとめて申告するのが原則です。
《わたしが今年実践している節税の全体像》
現在、実際に動かしている節税を正直に公開します。
① 生命保険料控除
加入中の保険の証明書を年末調整で提出。
年末に来る書類を捨てずに保管するだけ。
② iDeCo
月1万円で継続中。
証明書が11月頃に届くので、年末調整書類と一緒に会社へ提出。
③ ふるさと納税
今年は医療費控除を申請する予定のため、ワンストップ特例は使いません。
確定申告でまとめて申告予定です。
④ 医療費控除
妊娠・出産にかかった費用(妊婦健診・交通費・出産費用から一時金を差し引いた実費)を今から集計中。
確定申告(翌年2〜3月)に向けて準備しています。
⑤ 住宅ローン控除
現在、住宅は持っていないためこの控除は使っていません。
将来住宅購入を考えたときに、iDeCoとの組み合わせを慎重に検討する予定です。
《来年の1月から動くための、今年中にやるべきチェックリスト》
~今すぐ~
☐ ふるさと納税のシミュレーターで今年の上限額を確認する
☐ iDeCoを始めていない人は申込みをする
☐ 今年医療費控除が使えそうか確認する(既に支出がある人)
~10〜11月~
☐ 生命保険料控除証明書が届いたら保管する
☐ iDeCoの「払込証明書」が届いたら保管する
☐ ふるさと納税の残り上限額を確認して年内に使い切る
~12月~
☐ 年間医療費の合計を確認する(10万円を超えていれば確定申告の準備)
☐ 医療費控除を申請する場合は、ふるさと納税のワンストップ特例は使わないと決める
~翌年2〜3月(確定申告期間)~
☐ 医療費控除・ふるさと納税をまとめて確定申告する
《おわりに》
この記事を通じて5つの節税制度を見てきました。
知っていると知っていないとで、同じ年収でも年間数万円から場合によっては20万円以上の差が生まれます。
しかもこれは毎年続きます。
10年で数十万円から200万円以上の差になります。
制度は使った人だけが得をします。
難しいことは何もありません。
「知っていること」が最初の一歩です。
この記事を読んだ今日から、まず一つだけ動いてみてください。
ふるさと納税のシミュレーターを開く
iDeCoの申込ページを見る
生命保険料控除証明書を捨てずにとっておく
それだけでいいです。
小さな一歩が、10年後・20年後の家計を大きく変えます。
