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香港編8.「初・国境越え!」深圳の串焼きと青島ビール|3日目 中編

橋を渡っただけで、世界が変わった。
建物の色が変わった。
道を歩く人の服装が変わった。
ビール1本の値段も変わった。

そして、空気の匂いが変わった。


日記:2002年9月 深圳(しんせん)

深せんは安い!

すぐにわかった。

香港のガイドブックしか持っていなく場所もわからないのでまず地図を買う。まずは腹ごしらえで、ちょっと良さそうなレストランで食べる。それでも英語は通じないので、メモ帳に、伝わりそうな漢字を書いて筆談を試みる。なんとか通じて、注文をする。
ただ僕らの不安は宿だった。

客引きはいるものの、ほとんど「マッサージ」。 ショッピングモールをぬける間にいた客引きと話をがんばってしていると、人がたくさん集まってきちゃって、やはり香港とは違う感じだ。

一応ついていってみて確認すると、どうやら一番安いホテルは満室らしく、代わりにと教えてもらったところは高級すぎる。

また近くをさがすことにした。 すると次は割と安めのところがあったので、その客引きについていくことにした。

香港では「酒店」とかいているとホテルのことらしいが、ここは書いていない。 少し不安ではあったが、部屋をみるとけっこういい部屋。

疲れていたし、もうそこに泊まることにした。

金額は2人で200香港ドル。 まあいいだろう。

フロントで前払いで支払う時に、なんと400ドルと言われる。
言葉が通じないので筆談で何回も確認する。200ドルでしか泊まれない。

よく聞くと先払いで400払って$200が保険代らしく、なにもなければ返金らしい。それがわかるのは「キャッシュバック」という英文やジェスチャーでやっと、なんとかわかった。

始めはY さんが「もしかしてだまされている?」とかいってきてドキドキしたが、もう他を探す気力もなく、信じて支払ってしまった。

部屋は意外とよくて、窓からは日常の風景が見える。
露台や他のマンション、洗濯物。

まるで深夜特急のドラマの大沢たかお にでもなった気分で眺める。

しばらくして外を歩いてみる。
のどがかわいてジュースをかおうと屋台のおばちゃんに声をかけた。

するとそこでまた問題。

「香港ドル NO!」を言われた。

そして店から中国元を出してきて「これオンリー」と言ってくる。
すぐに理解して「両替所はどこ?」と聞いた。

すると、うまく伝わらず、かみあわなくて、どんどん人が集まってきてしまった。

ここは香港と違ってかなりアツイ。まるでタイのようだ。

金をめぐんでいる老人を横切りながら、またほっつき歩く。
すると美味しそうな串焼肉のにおいがした(すでに両替はあきらめた)。

値段を聞く。 すると思ったより安く、とりあえず入ってみた。
中には気前のいい兄ちゃんがいて、彼は英語がはなせるが……
働いているのか飲んでいるのかはわからなかった。

そこで串とビールを頼む。
なんと青島ビール(チンタオ)だったので「高いんじゃないか」と不安になっていると、予想をはるかに越える安さに驚き。後から気付くが、青島ビールは日本じゃ高いけど、こっちではごく一般的に飲まれているようだ。

そこはほんとうに居心地ががよかった。

兄ちゃんはメモにわざわざ英文を書いてくれて(そのほうが会話が成立するのを知っているらしい)言葉が通じないのを感じさせないくらいだった。

そこでオレらは串3〜4本ずつ、ビール2〜3本、そしてこの旅一番の美味のジューシーギョウザ1皿をたいらげたのだった。


44歳の今、振り返って。

「青島ビールが高いんじゃないかと不安になっていると、予想をはるかに越える安さに驚き」

19歳の僕は、不安と驚きの間を行ったり来たりしていた。 全部が初めて、全部が新鮮だった。

【アレクサンダー・ハミルトン:演説より】
「勇気とは、恐れがないことではない。恐れながらも前に進むことだ」

躊躇していたら、青島ビールには出会えなかった。 深せんの若い兄ちゃんとの、ぎこちない筆談での交流もなかった。

恐れながら、それでも前に進むこと。 それだけが、新しい景色を見せてくれる。

【エピクテトス:『語録』より】
「自分の力でどうにもならないことについて心配するな。自分の力でどうにかなることに、全力を注げ」

言葉が通じない。地図がない。両替もできない。 でもお腹は減る。
だから進み、そして食べ、また進む。

その単純さが、旅を前に進める。


次回は「香港3日目 後編」。

「痛=病」マッサージ師に笑われた夜と、亀ゼリー撃沈。

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(amazonアソシエイト・楽天市場の広告です。僕が読んだことのある書籍です。青島ビール…懐かしい味!)

noteタイ編の1話目はこちら

note香港編の1話目はこちら

ブログでは主に帰国後のこと(旅のつづき)を発信しています。
いつの日か子供達や誰かの参考になれば嬉しいです。


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