見出し画像

【地元ライダーの推しルート #03】獲得標高約1,900m 南さつま三山制覇コース79.9kmに挑んできた

連載「地元ライダーの推しルート」第3回です。

第1回の萩別府シラスルート(39km・市内の隠れ穴場系)、第2回の指宿池田湖グランドツアー(64km・景色全部乗せ系)と来て、今回はいよいよ本格山岳系です。

距離約80km・獲得標高約1,900m

数字を見ただけで脚が重くなる人もいると思います。正直、自分でも走る前は少し気が引き締まりました(笑)
でも、この3つの山を1日で制覇したときの達成感は、他のルートとは別次元です。「鹿児島でガチの山を走りたい」と思っている人に、自信を持って勧められる1本です。


■ 南さつまは「サイクルシティ」——走る前に知っておきたいこと

南さつま市は、市を挙げてサイクリングに力を入れている「サイクルシティ」です。道路環境が整っているだけでなく、サイクリスト向けの拠点施設も充実しています。

鹿児島市内や指宿エリアとはまた違う、のどかな自然と集落の風景が広がるエリア。高所からは日本三大砂丘のひとつ・吹上浜の海岸線が一望でき、晴れた日には桜島や開聞岳、遠く霧島まで見渡せます。

このルートはそんな南さつまの魅力を、山岳という切り口で凝縮した1本です。


■ 拠点は「サイクリングターミナルりんりん」南さつまライドの最高の出発点

スタート・ゴールは「サイクリングターミナルりんりん」(鹿児島県南さつま市加世田高橋1952-2)です。

自転車の貸し出しのほか、サイクリング情報の提供コーナーや、ちょっとした工具や空気入れ、洗車場も完備されているので、出発前の最終チェックや走行後の洗車まで対応できます。
南さつまを走る際の拠点として、これ以上ない場所です。

隣接するかせだ交流センターさんぱるでは食事・宿泊・物産が揃っています。
遠方から来る場合は前泊してここから出発、というプランもアリです。走り終えた後の食事もここで済ませられるので、ゴール後に慌てて食事処を探す必要がありません。

・営業時間:9:00〜17:00、定休日:12月31日のみ 
・住所:鹿児島県南さつま市加世田高橋1952-2


■ 第一の山【霊峰・金峰山】(標高636m)

最初に挑むのが金峰山です。三山の中でも標高が最も高く、登りごたえは随一。序盤からしっかり脚を使う覚悟で挑んでください。

本岳・東岳・北岳の三つの峰からなる標高636mの山で、開聞岳・野間岳と合わせて「薩摩半島の三名山」と呼ばれ、九州百名山にも選定されています。かつては修験の山であり、9合目には金峰神社があり蔵王権現が祭られています。 

山全体に独特の静けさと厳かな空気が漂っていて、激坂をこなしながら登っていくと、だんだん「修行」のような気持ちになってきます(笑)
地元では稜線が女性の横たわる姿に見えることから「美人岳」という名でも親しまれているそうで、そう言われると確かにそう見えてくるから不思議です。

山頂からは吹上浜や野間岬、南さつま市街地、東に桜島まで広い眺望が楽しめます。
登り切った後に広がるこの景色が、最初の大きなご褒美です。展望所でしっかり補給を取りながら、次の山への英気を養いましょう。


■ 第二の山【穴場の絶景・長屋山】(標高513m)

続いて向かうのが長屋山。正直、走る前は三山の中で一番地味なイメージを持っていました。でもこれが侮れません。

南さつま市のほぼ中心に位置する標高513mの山で、市内のあちこちから見える山頂の丸いドームは国土交通省の航空管制用レーダー基地です。
山頂からは南北47kmに渡る吹上浜の海岸線から金峰山、天気の良い日には桜島や開聞岳、霧島などを一望できる360度の大パノラマが広がります。 

知名度は低いですが、だからこそ人が少なく、静かに景色を独り占めできます。金峰山で脚を使い切った状態でここに登ると、頂上に辿り着いたときの解放感がひとしおです。

このルートの「知る人ぞ知る」名場面がここにあると思っています。


■ 第三の山【絶景の宝庫・亀ヶ丘】(標高387m)

三山の締めくくりが亀ヶ丘です。標高387mと三山の中では最も低いですが、景色のバリエーションという点では一番豊かかもしれません。

山頂の岩肌が亀の形に見えることから「亀ヶ丘」と名付けられた山で、山頂には展望所があり、南西側にはリアス式海岸の美しい景観を望むことができます。
またパラグライダーの発信所があり、天候の良い日には優雅に飛び立つパラグライダーの姿を見ることができます。 

頂上の展望所ももちろんおすすめなのですが、個人的に特に推したいのがパラグライダーの滑走所手前の丘です。
ここからの眺めが抜群によい。晴れた日にパラグライダーが飛び立つ瞬間を見られたら、それだけで来た価値があります。

1番高い展望所で「見た、満足」と帰ってしまうのはもったいない。少し先まで足を伸ばしてみてください。79.9km走ってきた最後の登り、脚は残っていないかもしれませんが(笑)。


■ このルートを走る前に知っておいてほしいこと

正直、どこの山も斜度がキツイです(笑)
ロードバイクで平地を走り慣れた人でも、ここは完全に別の話です。

・インナーローを使い切る覚悟で来てください
・キツかったら押し歩きしましょう
・補給は早めに。山の上に売店はありません
・下りも油断禁物。斜度がきつい分、スピードが乗りやすい
・天候が変わりやすい山岳ルートなので、補給食と携帯ポンプは必携

また、南さつまは自然豊かで信号も少なく、走っていて気持ちのいいエリアです。高所から吹上浜を一望したとき、「鹿児島でこんな景色が見られるのか」と思う瞬間が必ずあります。


■ こんな人に走ってほしい

・獲得標高1,000m超えに慣れてきた上級者
・鹿児島の山岳ライドを本格的に楽しみたいライダー
・「制覇」という言葉に反応してしまう人(笑)

距離約80km・獲得標高約1,900mは、この連載の中でも最もハードなルートです。
ただし、3つの山それぞれに「登り切った後の絶景」というご褒美が用意されている。消耗しながらも前に進める、そういうルートです。

走り終えてりんりん館に戻り、隣のさんぱるで食事をしながら「3つ制覇した」という充実感に浸る…それがこのルートの正しい締め方だと思っています。


【ルート概要】
・スタート/ゴール:サイクリングターミナルりんりん(駐車場あり)
・住所:鹿児島県南さつま市加世田高橋1952-2
・距離:約79.9km
・獲得標高:1,872m
・最大斜度約:20%
・ルート:りんりん館→金峰山→長屋山→亀ヶ丘→りんりん館
・食事:かせだ交流センターさんぱる(スタート・ゴール地点隣接)
・難易度:上級者向け

【ルートデータ(RWGPS)】
https://ridewithgps.com/routes/49246674


【参考リンク】
・サイクリングターミナルりんりん(南さつま市観光協会)
https://kanko-minamisatsuma.jp/spot/9201/
・金峰山(南さつま市観光協会)
https://kanko-minamisatsuma.jp/spot/7555/
・長屋山(南さつま市観光協会)
https://kanko-minamisatsuma.jp/spot/7558/
・亀ヶ丘(南さつま市観光協会)
https://kanko-minamisatsuma.jp/spot/7554/

いいなと思ったら応援しよう!