ITパスポート|CRM・SCM・ERPとは?経営管理をやさしく解説
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経営管理システムとは、ひとことで言うと「会社の仕事を、ITの力でまとめて効率よく回すための仕組み」の総称です。その代表が、よく似た3文字略語のCRM・SCM・ERPなんですね。
ITパスポートでは、これらの略語の違いや、BSC・KGI・KPI・CSFといった「目標を測る言葉」がよく問われます。この記事では、その区別を身近な例えで整理します。
「CRM、SCM、ERP…アルファベット3文字が並ぶと、どれが何だっけ?ってなりますよね」。わかります。じつは、正式名称を丸暗記しようとするから混乱するんです。コツは「何を対象にしているか」で見分けること。この記事を読み終えるころには、略語の霧が晴れているはずですよ。
この記事でわかること
CRM・SCM・ERPの違いと、混乱しない見分け方
BSC・KGI・KPI・CSFなど「目標を立てて評価する」言葉の意味
バリューチェーンや品質管理(TQM・シックスシグマ)など、残りの用語の一言まとめ
この記事の要点(先に結論!)
経営管理システムとは、会社の仕事をITでまとめて効率化する仕組みの総称です。
CRMはお客さんとの関係、SCMはモノの供給の流れ、ERPは社内の資源全体を管理する仕組みです。
似た略語は「正式名称の暗記」より「何を対象にするか」で区別すると覚えやすいです。
BSCとは、財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4つの視点で会社を評価する手法です。
KGIは最終ゴールの数値、KPIは途中経過をはかる指標、CSFは成功のカギとなる要因です。
1. 経営管理システムってなに?会社を回す「仕組み」
経営管理システムとは、会社の仕事を効率よく回すためのITの仕組みの総称です。
会社には「お客さん対応」「材料の仕入れ」「お金の計算」など、たくさんの仕事があります。それを人の手だけでやると、記録が散らばってミスも増えますよね。そこで、仕事の種類ごとに専用の仕組み(システム)を入れて、まとめて管理するわけです。
この記事で登場する用語は、大きく2つのグループに分けられます。
会社を「回す」仕組み…CRM・SCM・ERPなど。日々の仕事を効率化する道具
会社を「はかる」ものさし…BSC・KGI・KPI・CSFなど。目標を立てて成果を評価する考え方
なお、この記事は本書『いちばんやさしいITパスポート』の第3章「経営戦略マネジメント」に対応しています。第3章は範囲が広いので3つに分けていて、この記事は目標・評価と経営管理システムの担当。これで第3章は完結です。SWOT分析やPPMなどの経営戦略の手法は別記事(B03a)、4Pなどのマーケティングも別記事(B03b)で解説しています。
2. CRM・SCM・ERPの違い:対象で見分ける
さっそく、この記事の看板である3つの略語です。似ていて紛らわしいですが、「対象がそれぞれ違う」とわかれば区別できます。1つずつ、正式名称・対象・やることをセットで見ていきましょう。
CRM(シーアールエム。Customer Relationship Management。顧客関係管理)
対象はお客さんです。
顧客の情報や買った履歴を記録し、関係を深めてリピートや満足度を高めます。
イメージは、お店の「お得意様カルテ」。誰が何を好きかを記録して、次の接客につなげる仕組みです。
SCM(エスシーエム。Supply Chain Management。供給連鎖管理)
対象はモノの流れです。
部品の調達→製造→物流→販売という、モノが届くまでの流れ全体をつないでムダをなくします。
イメージは、材料屋さんからお店の棚までの「バケツリレー」をムダなく回す司令塔です。
ERP(イーアールピー。Enterprise Resource Planning。企業資源計画)
対象は社内全体です。
ヒト・モノ・カネ・情報という会社の資源を、1つのシステムでまとめて管理します(会計・人事・在庫などを統合)。
イメージは、部署ごとにバラバラだった台帳を「1冊の共通ノート」にまとめること。

2.1 混乱しない覚え方は「向き」と「流れ」
3つを一発で区別するコツは、向きでとらえることです。
CRM=外向き…会社の外にいる「お客さん」を見る
SCM=流れ…材料からお店までの「モノの流れ」を見る
ERP=内向き…会社の中の「資源」をまとめて見る

正式名称の英語を全部覚えなくても大丈夫です。「CRMは客、SCMはモノの流れ、ERPは社内ぜんぶ」。この対象の違いさえ言えれば、試験の問題はぐっと解きやすくなりますよ。
3. SFA・ナレッジマネジメント・品質管理の用語
経営管理システムには、ほかにも略語が出てきます。ここは深追い不要。「名前と一言の意味」が結びつけばOKです。
SFA(エスエフエー。Sales Force Automation。営業支援システム)…商談や案件など、営業の活動そのものを記録・管理して効率化する仕組み。CRMと近いですが、CRM=顧客との関係全体、SFA=営業活動、という違いがあります。名前が出ることがある、くらいで大丈夫です。
ナレッジマネジメント…社員一人ひとりが持つ知識やノウハウを、会社全体で共有・活用する取り組み。
SECIモデル(セシモデル)…個人の経験(暗黙知)を、みんなが使える形(形式知)に変えて回す考え方。共同化・表出化・連結化・内面化の4段階で進みます。名前と流れだけ押さえればOKです。
TQC(全社的品質管理)/TQM(総合的品質管理)…全社をあげて品質を高める活動。TQCの発展形がTQMです。
シックスシグマ…製品やサービスのばらつき(不良)を徹底的に減らす、品質改善の手法。
TOC(ティーオーシー。Theory of Constraints。制約理論)…全体の弱点(ボトルネック)に集中して改善すると、全体がよくなるという考え方。

数が多く見えますが、丸暗記はいりません。「これは知識を共有する話」「これは品質の話」と、ざっくりグループでつかんでおきましょう。
4. BSC(バランススコアカード):4つの視点で会社を診る
ここからは、会社を「はかる」ものさしの話です。まずはBSCから。
BSC(ビーエスシー。Balanced Scorecard。バランススコアカード)とは、会社を4つの視点でバランスよく評価する手法です。
イメージは、会社の四方位の健康診断です。健康診断で血圧だけ見ても体全体はわかりませんよね。会社も「もうけ(お金)」だけで測らず、複数の方向から診るのがBSCの発想です。
財務の視点…どれだけもうかっているか(売上・利益)
顧客の視点…お客さんにどう見られ、満足されているか
業務プロセスの視点…社内の仕事の進め方はうまくいっているか
学習と成長の視点…社員のスキルや会社の成長力は育っているか

ポイントは、この4つがつながっていること。社員が成長する→仕事がうまく回る→お客さんが満足する→もうかる、という順で下から積み上がっていくイメージです。「財務」だけでなく、その土台まで見る。ここがバランス(balanced)と呼ばれる理由です。
5. KGI・KPI・CSF:ゴール・途中経過・カギ
目標に関する言葉で、いちばん混同されるのがこの3つ。マラソンにたとえるとスッキリします。
KGI(ケイジーアイ。Key Goal Indicator。重要目標達成指標)…最終ゴールを数値で表したもの。マラソンでいうゴール地点(例:年間売上10億円)。
KPI(ケイピーアイ。Key Performance Indicator。重要業績評価指標)…ゴールまでの途中経過をはかる中間指標。道中の距離表示やラップタイム(例:月間の新規客数)。
CSF(シーエスエフ。Critical Success Factors。重要成功要因)…ゴール達成のために「ここが肝心」という決め手。攻略のカギ(例:リピート率を上げること)。

区別のコツは、KGI=ゴール/KPI=途中のチェックポイント/CSF=勝つためのカギ。とくに「KGIとKPIの違い」は頻出です。最終目標がKGI、その途中経過がKPIと覚えておきましょう。
なお、目標をうまく立てる型として、SMART・KPIツリー・GROWモデルといった名前が出ることもあります。こちらは「そういう手法もある」程度で十分です。
6. バリューチェーンとバリューエンジニアリング
最後に、価値(バリュー)に関する2つの用語です。
バリューチェーン(価値連鎖)とは、原材料の調達→製造→出荷→販売→サービスと続く活動の連なりの、どこで価値(付加価値)が生まれているかを見る考え方です。
これらの「モノを作って届ける」活動を主活動、それを支える人事・経理・技術開発などを支援活動と呼びます。工程を分けて見ることで、「自社はどこで強みを出せているか」がわかるんですね。

もう1つ、バリューエンジニアリングは、機能はそのままにコストを下げて価値を高める工夫のこと。「価値=機能÷コスト」で考え、同じ働きをより安く実現できないかをさぐります。名前と考え方をセットで押さえておきましょう。
7. まとめ:3行でふりかえり
CRMはお客さん、SCMはモノの流れ、ERPは社内の資源全体が対象で、「何を対象にするか」で区別できます。
BSCは財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4視点で評価し、KGI(ゴール)・KPI(途中経過)・CSF(カギ)で目標を管理します。
バリューチェーンは価値が生まれる工程を見る考え方、TQMやシックスシグマは品質を高める活動です。
いかがでしたか?似た略語も、「対象」や「例え」でとらえれば怖くありません。まずはCRM・SCM・ERPの3つを、対象の違いで言えるようにしてみましょう!これで第3章「経営戦略マネジメント」は完結です。
よくある質問(FAQ)
Q1. CRM・SCM・ERPの違いは何ですか?
A. 対象がそれぞれ違います。CRMはお客さんとの関係を管理する仕組み、SCMは部品の調達から販売までのモノの流れを管理する仕組み、ERPはヒト・モノ・カネ・情報という社内の資源全体を1つにまとめて管理する仕組みです。「CRMは客、SCMはモノの流れ、ERPは社内ぜんぶ」と覚えると区別できます。
Q2. ERPとは何ですか?
A. ERPとは、会社のヒト・モノ・カネ・情報といった資源を、1つのシステムでまとめて管理する仕組みです。正式名称はEnterprise Resource Planning(企業資源計画)で、会計・人事・在庫などのデータを統合します。部署ごとにバラバラだった台帳を「1冊の共通ノート」にまとめるイメージです。
Q3. KGIとKPIの違いは何ですか?
A. KGIは最終ゴールを数値で表したもの、KPIはそのゴールまでの途中経過をはかる中間指標です。たとえば「年間売上10億円」がKGIなら、「月間の新規客数」がKPIにあたります。最終目標がKGI、その途中のチェックポイントがKPIと覚えると区別できます。
Q4. BSC(バランススコアカード)とは何ですか?
A. BSCとは、会社を財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4つの視点でバランスよく評価する手法です。もうけ(財務)だけでなく、お客さん・仕事の進め方・社員の成長までまとめて診るのが特徴です。会社の「四方位の健康診断」のようなものと考えるとイメージしやすいですよ。
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経営管理システムは、CRM・SCM・ERPのように「略語の意味と対象」を覚える問題が中心です。似た略語がまとまって出てくるので、1冊にまとまった教科書+問題集があると、記事とあわせて反復しやすくなります。
とはいえ、iパスの過去問は公式サイトや無料サイトでも解けます。参考書は必ずしも必須ではありません。
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『【令和8年度】いちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集』
章立てがこのシリーズ(B01〜B15)と対応しているので、記事と本を行き来しながら進めやすい1冊です(2026年7月時点)。くり返しますが、これがなくても合格はできます。でも、あると近道になりますよ。
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この記事を書いた人
simic(IT資格ノート)。文系・非エンジニアの視点で、つまずきやすいIT用語を「たとえ」でかみくだきながら、資格の勉強ノートを書いています。→ くわしい自己紹介:https://note.com/simic_0531/n/n5ed7f56f1ab9
最終更新:2026年7月
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