迫り来る、超グレートリセッション——崩壊する経済システムと回復不能な損失

「本記事では、最近の市場動向を踏まえた私なりの分析と個人的な感想をまとめています。一つの視点として、投資のヒントや読み物としてお楽しみいただければ幸いです。」
世界のエネルギーのわずか数パーセントが失われる。それだけのことで、現代文明は深刻な機能不全に陥りはじめます。ホルムズ海峡で起きている事態は、単なる地政学リスクではなく、私たちが信じてきた「経済の常識」が、いかに脆いものだったかを、これ以上ないほど明確に突きつけているのです。
第1章 経済学者が陥った「仮定」という罠
「まず、魚がいると仮定しましょう」
こんなジョークがあります。
無人島に漂着した司祭とエンジニア、そして経済学者の話です。空腹に耐えかねた3人が、どうやって食糧を確保するかを話し合います。司祭は祈ることを提案し、エンジニアは魚を捕る網を作ることを提案しました。しかし、材料がありません。二人が経済学者に知恵を借りると、彼はこう答えました。
「まず、ここに魚がいると仮定しましょう」
笑い話で済めばよいのですが、現代の経済理論などというものは、このジョークそのものなのです。

物理的な資源を「仮定」する経済理論
主流の経済理論は、物理的な資源をほとんど無視しています。必要なときに、必要な量を、支払える価格で常に手に入れられる——そう「仮定」して組み立てられているのです。
もし資源が手に入らなくなっても、経済活動にわずかな傷がつく程度で済む。そう考えることで、その影響をあまりに小さく見積もってきました。
なぜ専門家たちは危機に気づけないのか
だからこそ、多くの金融機関や政府の専門家、そして投資家たちは、エネルギー資源が失われつつある今この瞬間も、株価指数の高値に目を奪われています。本当の危機に気づけていないのです。
「魚がいると仮定する」という思考の枠組みが崩れない限り、経済学者の予測はこれからも外れ続けます。
第2章 エネルギーは「万能の資源」である
なぜ0.57%という計算は間違いなのか
では、なぜ専門家たちの予測は外れるのでしょうか。
オーストラリアの経済学者スティーブ・キーン氏は、その仕組みを鋭く指摘します。
アメリカのGDPのうち、エネルギーの確保と分配に費やされているのは約5.7%です。多くの経済学者は、エネルギーの供給が10%減ったとしても、経済への影響は「5.7%の10%」、つまりわずか0.57%のマイナスで済むと結論づけます。
しかし、これは完全に間違った計算です。
エネルギーがなければ、何も動かない
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中東地政学と世界経済|米イラン情勢・資源地政学・新秩序
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