AIで自分の部屋の写真から3Dモデルを作ってたら、BIMにもつながった話
前回は、自分の部屋の写真元に Gemini 3.7 Flash に 3Dモデルを作らせ、環境センサーやスマートリモコンとつないで、現実の部屋とバーチャル空間が双方向で連動する、小さなデジタルツインのようなものを作ってみました。
しかし、Gemini が写真に写っている机や椅子、壁や床などを認識しているのであれば、その情報を 3Dモデルの属性として引き継ぎ、さらに BIM までつなげられるのではないかと思い、少し試してみることにしました。
AIは「形」だけを見ているわけではない
前回は、自分の仕事部屋の写真を何枚か Gemini に見せて、机の幅だけを基準寸法として教えて、3Dモデルを作ってもらいました。

この時 Gemini は、写真に写っているものを、「これは机」「これは椅子」というように、オブジェクトとして認識・分類しています。そして、その認識結果から、それぞれ別の 3Dオブジェクトとして構築しているようです。
つまり AI は、このオブジェクトが何かという、認識と意味の理解情報を持っています。であれば、3Dモデルが完成した時点でその情報を捨ててしまうのはもったいないので、この認識と意味の理解情報を 3Dモデルの属性として持たせてみることにします。
AIの認識情報を3Dモデルに引き継ぐ
前回作った Webアプリでは、3Dモデル上の家具や部材をクリックすると、それぞれのオブジェクトが持つ、上記の情報を表示するようにしています。


例えば椅子の オブジェクトなら、「家具」「チェア」「ランバーサポート / 3Dアジャスタブル肘 / 座面奥行調節 / ロッキング機能」などの情報が表示されます。見た目は同じでも、単なる形状だけの 3Dモデルから、属性情報を持つ 3Dモデルになっています。
もちろん、AI は写真を元に推定しているので、認識結果が必ずしも正しいわけではありませんが、今回気付いたのは、写真を読み取る際に AI が検出したオブジェクト情報を、その先でも利用できるのではないかという点です。
認識情報をIFCへ
ここまで来ると、次に試したくなるのが IFC です。AI が認識した情報を元に、オブジェクト に IFC のクラスやプロパティを付与し、Webアプリから IFC形式で書き出せるようにしました。そして、その IFCファイルを、今度は Revit で開いてみます。

写真からIFC、そしてRevitへ
これで、室内写真をAIが認識し、その認識情報を3Dモデルの属性として引き継ぎ、IFC形式で書き出してRevitで読み込むところまで、一連の流れとしてつながりました。
もちろん、これで写真から BIMモデルが自動生成できたというわけではありません。IFCクラスやプロパティも、AI が画像認識の結果から推定して付与しているため正確ではありませんが、それでも、実際にここまでつながることが分かりました。
「BIMまではまだ少し距離がある」と思っていた
BIMediaで連載している「BIMの先にある問い」でも、画像から 3Dモデルを生成する AI について取り上げています。
その記事では、画像から 3Dモデルを作るのはかなり身近になってきた一方で、そこから BIM までは、まだ少し距離があると書きました。3Dモデルには形状がありますが、BIMには、それが壁なのか、家具なのか、メーカーや品番は何なのか、といった属性情報が必要になります。
そのため、画像からリアルな 3Dモデルを生成できても、それがそのまま BIM になるわけではありません。しかし、今回いろいろ試した結果、その3DモデルからBIMまでの距離感が、私の中で少し変わりました。
書いたそばから、自分の見方も変わっていく
BIMedia の連載を書いていた時は、画像から生成した 3Dモデルと BIM との間にはまだ少し距離があると思っていましたが、今回、写真 → AIによる認識 → 3Dモデル+ 属性付与 → IFC → BIM まで実際につないでみると、その距離が思っていた以上に近づきつつあると感じるようになりました。

生成される形状の精度だけでなく、AI が画像から認識した情報を 3Dモデルに引き継ぐことも、画像から BIM へとつながる一つの道になりそうです。AI について書きながら自分で試していると、技術だけでなく、自分自身の見方も更新されていきますね。
しばらくは、書いて、試して、また考える、を繰り返すことになりそうです。Loop Engineering ですw
この記事を書き終えたあと、GPT-6 Astra などの最新のAIモデルがリリースされ、3Dモデリング性能の大幅な向上が話題になっています。今回のような写真からの 3Dモデル生成も、モデルの性能が上がるにつれて、より簡単に、より高精度になっていくのだと思います。
だからこそ、上記の連載記事や今回の記事でも書いているように、3D化したその先に何をするのか、あるいは、そもそも何のために3Dモデル化するのかが、これまで以上に問われるようになるのでしょうね。
