詩「100km先の夏」
──夏が終わる頃、それぞれの道を選んだ
京都市内からおよそ100km
キミの元へのドライブコース
7月は毎週末、日本海に車を走らせた
「今じゃ目をつぶっても運転できるよ」
うそぶきながらあの海を目指して
カモメに迎えられた遠浅のビーチ
パラソルの影に並んで寝そべった
キミの背中、コパトーンの香り
監視員のお爺さんは
今日も調子っぱずれのアナウンス
ビーチ中は大爆笑の渦
二人で砂浜を転がったっけ
──あの夏、僕は
波に任せていた気がする
ここで暮らすのか
京都へ戻るか
キミの日灼けした背中を見ながら
答えは、揺れていた

関連作品(破天荒だった彼女について)
随筆「台風のような彼女」
随筆「あの日の段ボール」
