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【AIR】迫る地方の「車社会の終焉」〜ガソリン60年で4倍、スタンド30年で半減で示す未来

「地方は物価が安い」。地方移住を勧める記事やテレビ番組でよく聞く言葉です。家賃が安い、食材が安い、保育園に入りやすい。確かにそうした側面はあります。

しかしこの言葉には、決定的に抜け落ちているコストがあります。ガソリン代です。そして車の維持費です。地方で暮らすということは、車なしでは生活が成り立たないということであり、その車を動かすためのガソリン価格は60年間で4倍に上がり、ガソリンを売るスタンドは30年で半分以下に減っています。

「地方は安い」のではありません。「見えにくいコストが東京とは違う形でかかっている」のです。


ガソリン価格60年の歴史を見ればわかる、ホルムズ海峡封鎖関係なく上がり続ける構造

戦後日本のガソリン価格は、中東情勢に翻弄され続けてきました。

統計が取れる1966年時点で、レギュラーガソリンは1リットルあたり約51円でした。高度成長期の日本はモータリゼーションの真っ只中にあり、安い原油を大量に輸入して車社会を建設していきました。道路特定財源を使って全国に道路を張り巡らせ、地方は鉄道からバスへ、バスから自家用車へと交通の軸を移していった。ガソリンが安かったからこそ成り立った設計です。

1973年の第1次オイルショックが最初の衝撃でした。第四次中東戦争を機にOAPECが原油の輸出制限を発動し、ガソリン価格は一気に跳ね上がりました。1977年には120円台に達しています。1979年のイラン革命に端を発する第2次オイルショックでさらに高騰し、1982年には東京都区部で177円を記録しました。この数字が長らく「史上最高値」として語られることになります。

その後、冷戦終結とアジア通貨危機を経て、1999年にはレギュラー全国平均が99円まで下がりました。地方にとっては束の間の安堵だったかもしれません。しかし2000年代に入ると中国やインドの急成長で原油需要が膨らみ、投機マネーも流入して、2008年8月にはリーマンショック直前の185円をつけました。

そして2026年3月。ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受けて、レギュラーガソリン全国平均は190.8円の史上最高値を更新しました。

60年で51円から190.8円。約4倍です。

しかもこの190.8円は、政府のガソリン補助金が入った後の価格です。補助金なしの実勢価格は約218円に達しています。政府は2022年1月のウクライナ危機以降、燃料油価格激変緩和補助金を投入し続け、2026年4月時点の補助単価はリッター48.1円。累計約9兆円が投じられてきました。

9兆円です。この規模の財政支出を使ってようやく170円台に抑えている。これが「地方は物価が安い」国の現実です。

福井1.685台、東京0.416台!同じ国とは思えない車依存格差

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