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核のゴミ処理に10万年⁉

 高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場選定の候補地として、なんと南鳥島が候補地にあがった。南鳥島と言えば、社会科の授業でわが国の最東端として学んだ。東京から1900キロも離れ、日本列島の東側の太平洋を走る日本海溝を隔てた唯一の島だ。

 南鳥島は国有地になっており、住民はいない。海上自衛隊や国土交通省の職員が常駐しているだけだ。

 2012年、東京大学の研究チームはが南鳥島付近の海底5,600メートルにおいて、日本で消費する約230年分に相当する希土類(レアアース)を発見した。そして、南鳥島沖の海底の泥の中には、レアアース中でも特に希少でハイブリッド車 (HV) の電動機などに使われるジスプロシウムという元素が、国内消費量の約400年分あるという推定がなされたのだ。その後も、コバルトやニッケルの存在が期待されている。

 日本の未来を明るくするだろうレアアースが大量に発見されている一方で、1900キロ離れた海の孤島からレアアースを取り出し、本州に輸送するにはかなりのコストが掛かる。ネックなのは、南鳥島が日本の本土からあまりにも遠い点だろう。

 その本州から1900キロも離れた南鳥島を高レベル放射性廃棄物の最終処分場にしようというのはおかしくはないだろうか。

 政府は南鳥島付近を「核のゴミ」の最終処分場に選定しようとしている。

 まずは、高レベル放射性廃棄物の処理を専門とする原子力発電環境整備機構(NUMO)が考えている地層処分という見解について考えてみたい。

エネルギー資源に乏しい日本では、原子力発電で使い終わった燃料のうち95%から97%は燃料としてもう一度利用できるため、リサイクルして再び燃料として使うことにしています。 一方で、リサイクルした後に残る廃液は、再利用できないことに加えて強い放射線を出します。私たちは、これを安全に処分できるようガラスと混ぜて固めたものを、地下深くの安定した岩盤に閉じ込めて処分するための事業に取り組んでいます。この処分方法を「地層処分」といいます。

なお、原子力発電に関連する放射性廃棄物であっても、福島第一原子力発電所の事故で発生したいわゆる「デブリ」や、原子力発電所の廃止に伴って発生する廃材、また原子力発電の通常運転から発生する放射能レベルの低い廃棄物は、地層処分の対象ではありません。

地層処分は、地表から300メートル以上深い岩盤の中で行います。
そのような地下深くの岩盤には、酸素がとても少ない、地下水の流動距離は1年間に数ミリメートル程度と非常に遅い、という特徴があります。

したがって、酸素が少ないため金属のさびなどモノの変化が生じにくく、地下水と一緒に流れるモノの動きも非常に遅いものになります。

このような環境は、物質を長期にわたって閉じ込めておくことに適しており、高レベル放射性廃棄物の処分方法として地層処分が選ばれたのです。

高レベル放射性廃棄物は強い放射線を出しますが、安全に処分するため、さまざまな対策を行います。

まず、ガラスと混ぜて固めます(固めたものを「ガラス固化体」といいます)。ガラスは水や薬品に溶けにくいなど、非常に安定しており、長い期間高レベル放射性廃棄物を閉じ込めておくのに適しています。

さらに、ガラス固化体を厚さ約20cmの金属製の容器(「オーバーパック」といいます)に入れて密封します。
オーバーパックは少なくとも1000年の間、地下水がガラス固化体に触れないよう設計されており、その1000年の間に、ガラス固化体の放射能は99.9%以上が減少します。

そして、オーバーパックと岩盤の間に、緩衝材として特殊な粘土を厚さ70cm程度に敷き詰めます。この粘土は、水を吸収すると膨らんで水を通しにくくする性質や、汚れなどの物質を吸着する性質を持っています。この性質を利用して、地下水を内部に流れにくくするとともに、万が一、放射性物質が地下水に溶けだしても、それを吸着することができます。

このような対策を人工バリアといい、岩盤という天然バリアが持つ「モノが変化しにくく、モノの動きも非常に遅い」という性質とあわせて、高レベル放射性廃棄物を人間の生活環境から隔離し、閉じ込めます。

NUMO

 さらに、原子力発電環境整備機構(NUMO)が動画で公開している情報がある。 
    10万年以上にわたる地層処分場の安全性(トータル版)

 ガラス固化体(=高レベル放射性廃棄物をガラスとともに融解し、ステンレス製の容器へ注入・固化させたもの=高レベル放射性廃棄物)の放射能量の強さが一般的な水準に戻るまでには、なんと10万年ほどかかるということが明らかになっている。
 10万年…途方もない時間である。10万年前、ホモ・サピエンスと呼ばれる現生人類はまだアフリカ大陸にしか存在しなかった時代だ。原子力発電所を稼働させることで出た高レベル放射性廃棄物を、10万年後の未来に押し付けてしまって良いものだろうか。

 NUMOの説明によると、地下300メートル以上の深さに「地層処分」という形で放射性廃棄物を閉じ込めるのがベストだとしている。地下300メートル以上の環境下に放射性廃棄物を隔離すれば、地上の自然現象の影響を受けにくいという説明だ。地下300メートルの地層では「物質が変化しにくい」、さらに「放射性物質が地下水に溶けて移動しにくい」とあるがとあるが、これは「変化することもあり得る」「地下水に溶けて移動することもある」という意味ではないだろうか。NUMOはこれを「天然バリア」、さらに放射性廃棄物を入れた人工の装置を「人工バリア」と呼び、その安全性を説明している。

 また、日本という国は、火山活動、断層活動、岩盤の隆起や地面の浸食などの自然活動により、「人工バリア」の機能が失われること恐れがあるとした上で、自然現象の影響が大きい場所を避けた上で地層処分に適した環境であるかどうかを人間が判断すると説明している。大きな地震がいつ起きるのかも特定できない私たち人間が、10万年後まで自然現象の影響がない場所を特定することなど難しい、というか無謀なのではないだろうか。

 南鳥島は20万年前に火山活動により隆起して島になったという。
 今後、南鳥島周辺で火山活動が起きる危険性は全くないと断言できるのだろうか。

 「自然」を前にしたとき「人知」がいかに無力なのか…私たち人間はいやと言うほど経験してきたはずだ。 
 それなのに、10万年も先の未来の地球環境に、私たち人間はどう責任を取ることができるのだろうか。  
 

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合同会社Uluru(ウルル) 山田勝己 私の記事を読んでくださり、心から感謝申し上げます。とても励みになります。いただいたサポートは私の創作活動の一助として大切に使わせていただくつもりです。 これからも応援よろしくお願いいたします。