ホメオパシーを信じていなかった私が、2年間続けた理由
ホメオパシーを始めた2年前。
正直に言うと、最初の印象は「何も起きない」だった。
湿疹が出たとき、腰痛になったとき。
レメディを服用しても、何も変わらない。
悪化もしないし改善もしない。
凪のように静かだった。
ホメオパシーとは、砂糖粒のような「レメディ」を使う自然療法だ。
日本では民間療法の一つとして知られる一方で、科学的根拠については賛否が分かれている。
私の場合は自然療法を学ぶクラスでホメオパシーを体験したのがきっかけだけど、当時、参加していたメンバーは、びっくりするほど変化があった。
症状が改善するケースがほとんど。
人によっては、レメディをとるたびに、身体もメンタルも崩壊し、その後、劇的に改善していた。
そんな体験を近くで見ていると、変化のない自分は問題があるのか?と感じたし、一人だけ取り残されているようで「おもしろくない」気持ちにもなった。
なぜ、私には何も起こらないのだろうか。
もしかして、「信じる心」が足りないのか。
というのも、ホメオパシーに対して、懐疑的な私がいたからだ。
ホメオパシーは「怪しい」と思っていた
ホメオパシーは、以前から存在は知っていたものの、正直、「怪しい」という印象しかなかった。
希釈したり振蕩したり…よくわからない錬金術のような怪しさがあって、近寄りづらかった。多分、自然療法を学ぶクラスに参加していなければ、触れることもなかったと思う。
だから、「信じる心」なんて、一切なかった。
効果がある人は、信心が強いからでは?
逆に信じていない人には、効果がないのでは?
つまり、「信じる者は救われる」ということだと疑っていたのだ。だって、そうでも思わないと、周りが効果を感じている中で「私だけ、効果がない」という疎外感はぬぐえなかった。
何が起きたか、わからなかった日
だけど、ある日、その考えが揺らぐ出来事があった。
きっかけは、ひどい生理痛。
半信半疑でホメオパシーの「レメディ」を口に入れた。
レメディといっても、見ためはただの砂糖でできた白い粒だ。
数秒後。
「あれ?」
さっきまであった痛みがない。
え?どういうこと?
意味がわからなすぎて、茫然としてしまった。
だって、生活習慣を整えたり、ハーブティーを飲んだり、もちろんクリニックで検査したりもした。
それでも改善しなかったのに、文字通り、一瞬で解決したのだ。
「こんなことって、ある?」
信じられない想いだった。
だけど、これを機にホメオパシーを信じる心が強まったかというと、そうでもない。というのも、いつもいつも、効果があるわけではなかったからだ。
いつも効果があるわけではない
実際、レメディを服用しても「効果が感じられない」ケースの方が多かった。それでも、ホメオパシーを面白いと感じたのは、効いた時の衝撃が強かったからだと思う。
そして、私の場合は、大きな不調や副作用のようなものは経験しなかったから、続けてみようと思えた。
「効く時は効くし、効かない時は何も起きない」
それが当時の私にとっての、ホメオパシーだった。
インドでも試してみた
インドで不妊治療を受けていたとき、現地でホメオパシーのレメディを処方してもらった。
でも、やっぱり、服用中も服用後も劇的な変化は起きないし、目的の「妊娠」に効果はなかった。どこかで「劇的な変化」を期待していた部分もあったのだと思う。だから、手ごたえがないと、少しがっかりしてしまう自分もいた。
とはいえ、インド滞在中のマイナーなトラブルにはよく効いた。たとえば、眠りの浅さや便秘などの不調だ。レメディを服用すると、実際よく眠れたし、便秘も改善された。
インドの処方だから特別というわけではなく、私の場合は、「効くときもあるし、効かないときもある」のがホメオパシーだった。
2年目から変わった
昨年、インドから帰ってきてから、ホメオパシーとの関係が変わってきた。
反応が以前よりもわかりやすくなっているのだ。
効くものはすぐに効くし、徐々に効いてくるものも出てきた。少しずつ改善していくのだ。あるいは、目的の症状に効くけれど、別の症状が出たり、一次的な反応が出ては消えたりすることもあった。
たとえば、身体の左側に帯状疱疹のような症状が出たとき、レメディをとると、少しずつ改善していった。でも、その過程で口角炎が出てきて慢性化してしまった。別のレメディで少しずつ改善はしていったが、その過程で、背中など別の場所に湿疹が表れては消えていった。
「何も感じなかった」以前とは、明らかに状況が違っている。
インドの処方が関係しているのだろうか。
あるいは、身体が根本的に変わったのか。
時間の経過とともに、レメディに順応してきた可能性も考えられる。
身体が変わった可能性
最近、「レベルズ・オブ・ヘルス(Levels of Health)」という本を読んだ。
この本では、人の健康状態によって、レメディへの反応の現れ方が変わる、という考え方が紹介されていた。健康度が低い人ほど急性症状が現れづらく、それに伴ってレメディの反応もわかりにくい場合があるようだ。
本当にそうなのかは私にはわからない。でも、「以前はほとんど何も感じなかったのに、最近は反応がわかりやすくなった」という自分の体験を考えると、「そういう可能性もあるのかもしれない」と思った。
ホメオパシーを2年間続けた理由
この2年間でひとつだけ変わったことがある。
「効く」「効かない」とすぐに結論を出すのではなく、自分の身体を観察する時間が増えたこと。根本的な原因を考えるようになったこと。
身体って、昨日と今日でも少しずつ違う。「効く」「効かない」と白黒つけるより、「今日はどうだろう」と観察する時間が、私は好きになった。
2年前の私は、「信じる人には効いて、信じない人には効かない」のだと思っていた。今は、そこまで単純ではないのだろう、と感じている。
気づけば、自分の身体を「治す対象」として見なくなっている。
身体は、答えを出す相手ではなく、対話する相手になった。
その変化こそが、この2年間で私が得た一番大きなものなのかもしれない。
それが、私がホメオパシーを2年間続けている理由なのだと思う。
