AIで一覧表を作るとき内容が混ざるのを防ぐ|「1行=1件」を先に決める方法
研究室の机に、5件だけのメモが並んでいました。
「A社、田中さん、見積もり待ち」「B社、新規相談、来週返信」「A社、佐藤さん、資料送付済み」――内容は短いのに、そのままでは見返しにくいメモです。しろ丸は、まずAIに「一覧表に整理して」と頼んでみました。
返ってきた表は、見た目だけならきれいでした。会社名、担当者、案件、期限、メモ。列もそろっています。
ところが、しろ丸が並べ替えようとしたところで手が止まりました。ある行は「会社」が中心なのに、別の行は「担当者」が中心です。さらに別の行では、1つの会社に複数の案件がまとめて入っています。
表なのに、1行が何を表しているのかが途中で変わっていたのです。
列を増やせば直ると思った
しろ丸は最初、「情報が足りないから混ざるのかもしれない」と考えました。
そこでAIに、列をもう少し細かくしてもらいます。
会社名、担当者名、案件名、期限、状況、次の行動。かなり整理されたように見えました。
でも、A社には田中さんと佐藤さんがいます。さらに見積もり案件と資料送付の案件もあります。列を増やしても、「A社を1行にするのか」「担当者を1行にするのか」「案件を1行にするのか」が決まっていないので、同じ迷いが残りました。
ここで、しろ丸は一度表を閉じました。
問題は列の数ではなく、その前にあるのではないか。
そう考えて、メモをもう一度見直します。
先に決めるのは「1行の意味」
しろ丸が見つけたのは、とても地味な一文でした。
「この表は、1行=1案件です。」
これを先に決めてから、同じ5件をもう一度AIへ渡してみます。
すると、会社名や担当者名は「案件を説明する列」になりました。A社に案件が2つあるなら、A社が2行に出てきても構いません。逆に、1つの行へ複数案件を押し込む必要もありません。
ここでようやく、表の役割がはっきりしました。
顧客を管理したいなら「1行=1顧客」。
担当者を管理したいなら「1行=1担当者」。
案件を追いたいなら「1行=1案件」。
店舗を調べるなら「1行=1店舗」。
大事なのは、どれが正解かではありません。今回の表で何を1件として扱うかを、列を作る前に決めることです。
列名はそのあとで考えられます。
5件だけで試してみる
しろ丸は、今度は長い指示を作りませんでした。
使ったのは、次のような短い頼み方です。
次のメモを一覧表にしてください。
この表は「1行=1案件」です。
1行に複数の案件を入れず、判断できない情報は空欄にしてください。
必要な列は、内容を見て5列以内で提案してください。最初から大量のデータを渡す必要はありません。手元の5件ほどで試せば、「1行の意味」がそろっているかはすぐ確認できます。
しろ丸も、まず5件だけで作り直しました。
今度は、1行目も2行目も3行目も、すべて「1案件」です。会社名で並べ替えても、期限で並べ替えても、行の意味は変わりません。
そこで初めて、列を追加するか、不要な列を減らすかを考えられるようになりました。
この順番が意外と大事でした。
列を決める → データを入れるではなく、1行の単位を決める → 列を決める → 5件で試す。
表が崩れてから細かい修正を重ねるより、最初に1行の意味をそろえた方が、どこを直すべきか分かりやすくなります。
1つの表に全部入れなくてもいい
試している途中で、もう1つ気づくことがあります。
「会社も担当者も案件も、全部それぞれ管理したい」という場合です。
このとき、無理に1枚の表へ全部を1行ずつ押し込むと、また単位が混ざりやすくなります。
そんなときは、まず今回いちばん見たいものを1つ選びます。
案件の進み具合を見たいなら「1行=1案件」。
顧客一覧を作りたいなら「1行=1顧客」。
必要なら別の表に分ける方法もありますが、最初の実践ではそこまで広げなくて大丈夫です。まず1つの表で、1行の意味を最後までそろえられるかだけ確認します。
今日の研究成果
一覧表をAIに作ってもらうとき、最初に考えたいのは「何列にするか」ではありません。
先に決めるのは、1行が何を表すかです。
今日試すなら、手元のメモを5件だけ選んでください。そしてAIへ渡す前に、次の1行を書きます。
「この表は、1行=○○です。」
そのあとで列を作ってもらいます。
もし完成した表の途中で「この行は会社、こっちは担当者、ここは案件」のように意味が変わっていたら、列を増やす前に1行の単位へ戻ります。
しろ丸が今回持ち帰ったのは、表を細かくする方法ではありませんでした。
表を作る前に、1件の意味を決める。
まずここを決めておくと、AIに一覧表を作ってもらうとき、どこで内容が混ざったのかを見つけやすくなります。
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