横断歩道では女優になるよね
ごきげんよう、しろうみがめです。
皆さまも女優になったり、俳優になったりで、毎日お忙しいと思いますが、
同様にしろうみがめも、日々忙しく過ごしております。
中でも、とりわけ女優っぷりを発揮するのは、横断歩道でしょうか。
しろうみがめは地方に住んでますんでね。
青信号の横断歩道は急いで渡りましょう、的な空気感があります。
車社会ですし、右折左折ドライバーの急ぐ気持ちも、明日も今日も我が身と言ったところですしね。
なんなら、ちんたら歩いてると、にじりにじりと車に寄られたりもします。
それに、横断歩道を渡ってるのは自分一人、自分さえ急げば車は通れる、という状況なことも実際多いのです。
そんなわけで、皆が皆というわけではもちろんありませんが、
しろうみがめは、急いで渡る派です。
急いで、というか、ほぼ毎回小走りです。
表情は、すみませんね、急いで渡りますからちょいとお待ちを、とやや申し訳なさを醸し出して、
なんならドライバーにぺこりと頭を下げながら、
タッタッタッタッ、と小気味よく走ります。
そして、心の中でいつも思うのです。
「私の小走りは早歩きと変わらない、許せ。」
と。
これは、うちの余計なことしか指摘してこない子どもにより、
何度か検証され、証明済みの残念な事実なのです。
しろうみがめが小走りしても、
実は早歩きとスピードは変わらない、全く意味が無い、と。
でも、ドライバーさんはそんなことは知らないでしょうから、
今日もしろうみがめは横断歩道を小走るのです。
精一杯急いでますのよ、ほら走ってますでしょ、と
アピールしながら。
さて、都会に行ったときも、
いえ、行ったときこそ、
女優しろうみがめの本領発揮です。
都会の青信号は、地方と様相が違いますよね。
皆、横断歩道を堂々と談笑しながら歩いておられます。
途中で赤信号になってもへっちゃら。
なんでですか?
ドライバーが待ってるの、車が連なってるの、見えませんか。
自分は電車ばかりで車に乗らないから、関係ないんですか。
それが都会人の余裕だと言いたいんですか。
都会人たるもの、車ごときに遠慮してたまるかと。
ぶつかったら負けますからね、調子乗ってると。
あ、つい熱が入りすぎました。
とにかく、都会の横断歩道で小走るのは、タブー。
自らが田舎者だと証明しているようなものです。
ほら、子どもよ、よく見ておきなさい、お母さんの優雅な所作を。
そうよ私は、都会人。
車なんて怖くないし、当然ヘイコラなんてしなくってよ。
車ども、そこで待ておけ。
背筋をピンと伸ばして、車なんぞに目をやらず、まるでレッドカーペットを歩くが如く、悠々と横断歩道を渡るのです。
見よ、このすまし顔。
いつの日か、この名演技を皆さまにご披露したいと思いながら、
今日もしろうみがめは横断歩道を渡ります。
誰も同一人物だとは気づくまい。
この世は劇場、人はみな役者
シェイクスピうみがめ
しろうみがめ劇場
※オーディション(創作大賞)挑戦中
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