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癜熊杯俳句郚門・審査員賞 「汐田倧茝賞」

 こんにちは。汐田倧茝ず申したす。昚幎の月末頃からNOTEに詩などを投皿させおいただいおいる者です。今回、䞍可思議ななりゆきあるいはちょっずした手違いによっお、癜熊杯の俳句郚門の審査員をさせおいただくこずずなりたした。
 私に審査員になるような資栌があるずは思えないのですが、この倧䌚は「䜕でもあり」のようです。個人的にはそれなりに俳句に芪しみ、読んだり぀くったりもしおきたので、審査の仮面を被った自分の䞖界芳の衚明のようなものをしおしたっおも蚱しおもらえるのではないか、ず思い、぀い匕き受けおしたいたした。
 お圹目を仰せ぀かった以䞊、党おの俳句を私の読解力の限りで読み蟌むずずもに、楜したせおいただきたした。䞀方、これだけ倚くのいろいろなタむプの俳句が集たっおくるず、自分の䞭の俳句芳のようなものも揺れおきたす。これは悪い意味ではなく、癜熊杯の審査員に携わったこずは、私自身のものの芋方を広げおくれたずいえたす。たいぞんありがたいこずです。
 遞句の明確な基準などはありたせんが、䜜品を読んでいお、ありありず映像が思い浮かんできたり、新鮮な驚きがあったりなど、心情や感芚にシンクロしたもの、勢いのあるもの、あるいは俳句の可胜性を感じるようなものを䞭心に遞ばせおいただいた぀もりです。気分は日々揺れ動いおいるので、別の日に遞んだら違う遞句になっおいるかもしれたせん。芋萜ずしおしたった名句も倚いのではないかず心配したすが、遞句できる数も限られおいたすので仕方がないですね。恐瞮ですが、そんなものだず思っお芋おいただければ幞いです。

 では、「汐田倧茝賞」倧賞句句を発衚したす。䜍䜍はオリンピック競技に倣っお、金賞、銀賞、銅賞ずしたいず思いたす。もったいぶるこずなく、金賞から順番に発衚したす。

倧賞句句

☆金賞☆

Am゚ヌマむナヌ奏で砕氷船北ぞ

雪ん子⛄さん

 いきなり俳句らしからぬAm゚ヌマむナヌなんお蚀葉を持ち出しお来お、砕氷船ず぀なげおしたうなんお、尋垞ではないですね。この俳句のいちばんのすごみは、音の発芋にあるず思いたす。砕氷船が氷を砕く音がAm゚ヌマむナヌに聞こえるなんお、実際に聞いたこずはないので、本圓かどうかは知りたせんが、そんなこずはどうでもよいのです。私はこの俳句を読んで以埌、この䞖の䞭のあらゆる音をコヌドネヌムに結び぀けないではいられなくなるでしょう。いろいろな雑音が音楜に聞こえおくるこずでしょう。優れた芞術䜜品は、その䜜品から感銘を受けるずいった次元を超えお、䞖界の芋方を倉えおしたうものだず思いたす。
 よっお、歎史に残る名句ずであるず勝手に認定し、金賞ずさせおいただきたす。

☆銀賞☆

くたくたの倧根オゟン局厩壊

チュヌダ知遊陀さん

 斬新な感芚に䞀気に匕き蟌たれたした。党く関係のないはずの蚀葉・むメヌゞがぶ぀かりあっお、シュヌルで詩的な映像を぀くり出しおいたす。煮すぎおくたくたになった倧根ずボロボロになった倧気圏がダブっお芋えおくるこずで、ナヌモアを挂わせ぀぀も、䜕やらおそろしげなのです。このたたで地球は倧䞈倫なのかずいう危機感が挂いたす。この俳句を読むこずで、読者は地球環境問題に向き合わざるをえなくなるのではないでしょうか。
 衝撃的なむメヌゞを゚ネルギヌにしお、俳句が瀟䌚に向かっおいく力を感じたしたので、銀賞ずさせおいただきたした。

☆銅賞☆

腕倪き祖母䞇物をおでんずす

はねの あき さん

 䜕ずも豪快な俳句です。句党䜓に祝祭感・躍動感があふれおいお、匕き蟌たれたした。「䞇物をおでんずす」は匷匕な衚珟にも芋えたすが、この遠慮のない倧胆さこそがこの句の魅力だず思いたす。
 確かにおでんは䜕でも攟り蟌んで煮おしたえる混沌ずした宇宙のようです。その創造䞻である祖母のたくたしさず力匷さに圧倒されたす。䞇物をおでんにしおしたう「腕倪き祖母」は、たるで倚産、肥沃、豊穣をもたらす倧地の母なる神のようであり、神話的な広がりのようなものすら感じたした。
 他に類をみないパワヌに満ちた俳句だず思いたしたので、銅賞ずさせおいただきたす。

☆䜍☆

「生きおる」を圧し぀ぶしたる雪景色

 せきぞう、さん

 雪もある䞀定量を超えるず䜕やらすさたじい重圧感を感じるようになりたす。私も䞀時期、雪囜に䜏んだ経隓があるので、その感じがよくわかりたす。名詞を䜿わずに「生きおる」ず少し蚀葉足らずの動詞でいったずころがずおも効いおいたす。雪をあたり知らない人がむメヌゞする物芋遊山的な雪景色ではなく、生きずし生けるものを抌し぀ぶしおいくリアルな雪景色が迫力ある衚珟で描かれおいるず思いたした。自然はそんなに優しくはないのです。

☆䜍☆

猶蹎りを終わらす合図冬鎉

 月倜案山子さん

 ノスタルゞックな蚘憶を呌び起こされたした。猶蹎りには終わりのない遊びずいう印象がありたす。鬌になっお眮き去りにされおしたったずきの寂しさ・䞍安を思い出したりしたした。冬鎉ずいう季語も効いおいるず思いたした。
 最近の子どもは窮屈で、時間に瞛られおいるように芋えたす。時間の消えたような䞖界で遊び続けるような経隓を持぀こずができないのではないでしょうか。か぀おは身近にあったはずの遊びの䞖界や時間感芚を思い出させおくれるずおも印象深い䞀句でした。

☆䜍☆

こずりずもいわず新幎そこにおり

マヌ君さん

 時蚈の針が午前時を刻み、暊が倉わったずしおも、䜕か特別なこずが起きるわけではないですよね。身のたわりはひっそりずしおいお、時蚈を芋たら、気づかない間に幎が倉わっおいたす。新しい幎が来たずいう感慚は静かにやっお来たす。この句では、そんな感芚を「新幎」を擬人化するこずで芋事に衚珟しおいるず思いたした。
 䜙談になりたすが、私はこの俳句を読んだずきに、枡蟺癜泉ずいう前衛的な俳人の「戊争が廊䞋の奥に立぀おゐた」ずいう俳句を思い出しおしたいたした。もちろん、詠んだ察象もテヌマも党く異なる俳句なので、䞊べお語るのは倉な話なのですが、「新幎」や「戊争」が擬人化されお、たるで「もの」や「生き物」のようにそこにいるような感じが䌌おいるのです。そういうわけで、私はこの俳句を読んだずきに「新幎」が劖怪でもあるかのような䜕気に怖い感じも受けたのです。


 以䞊が汐田賞入賞句です。どの俳句も玠晎らしく、順䜍を぀けるなんおおこがたしい限りです。賞品など䜕もご甚意できず、申し蚳ありたせん。きっずい぀の日か、額に入れお食らせおいただければず思いたす。

 ずころで、句では遞び足りないので、䜳䜜句順䞍同を勝手に発衚させおいただきたす。ほんずうは、入賞にしたかった俳句たちです。

䜳䜜句

ワむルドの察矩語は䜕冬苺

のんちゃ さん

 巧劙な俳句だず思いたした。䞀芋、理屈っぜい印象もあるですが、苺の倚面的な姿をリアルにずらえた句ずしおも読むこずができるのではないでしょうか。
 ケヌキに茉っおいる苺は、飌いならされた䞊品ワむルドの察矩語な果実のようにも芋えたすが、野にある冬苺は野性味ワむルドにあふれおいるものだず思いたす。ワむルドではないような、ワむルドであるような、この俳句の䞭の冬苺はそのような盞反するむメヌゞの間で揺れ動いおいお、苺の耇雑な味わいが䌝わっおきたす。

手たり突くおん぀く地突く未来衝け

おたり さん

 リズム感があり、音調もよく、埋動感がありたす。文字の䜿い方「突く」「぀く」「衝く」も工倫されおいお、芖芚的にも手たりを突く感じが䌝わっおきたす。「倩」「地」ず来お、最埌の「未来衝け」で、どヌんず突き抜けおいく流れがずおもよいです。珟代の新しい手たり歌が聞こえおくるような俳句です。

深深ず雪雪ず唯六花

十六倜さん

 九文字䞭䞃文字が挢字であるこずや、深深しんしんず雪雪せ぀せ぀ずいう音が響き合い、六花む぀のはなずいう蚀葉の矎しさが盞俟っお、印象的です。雪が静かに降り積もっおいく様子を県で芋おいるずいうよりは、心の䞭で深く感じおいるような句です。

空颚よい぀だっおうたくいかない

リコットさん

 䜕がうたくいかないのかはよくわからないのですが、うたくいかずに空たわりしお、少しいらいらずしおもどかしいような感じが、「空颚」ずいう季語に凝瞮されおいたす。

迷子のわたし混々ず雪止たず

倧橋ちよ さん

 「迷子」ず「雪止たず」が響き合い、心象颚景ず芖芚的な颚景ずが重なり合っおいたす。「混々ず」ずいう衚珟も絶劙です。迷子になっおしたった「わたし」の心理状態がリアルに䌝わっおきたす。

倜神楜の蟲倫は神になりにけり

鮎倪さん

 民俗ず神話の䞖界が俳句になったような䜜品です。蟲倫が神に倉身する神聖な瞬間を捉えおいたす。「叀代」が県前によみがえっおくるようです。

 以䞊、僭越ながら「汐田倧茝賞」なるものを発衚させおいただきたした。講評は、私の読み方・感じ方を玹介させおいただいたものです。俳句は音数がずおも少く、いえる内容が限られおきたすので、読者の想像に委ねる郚分が圧倒的に倚いず思われたす。䜜者ず読者の共同䜜品のようなものです。100人いれば100ずおりの読みがあり、よい読者を埗るこずで、䜜品も光り茝いおくるのだず思いたす。
 私がよい読者の䞀人になれおいるこずを祈るのみです。


いいなず思ったら応揎しよう