青春の墓暴きの話

この世の先には突き当りがあり、曲がり角がいくつも存在する。それらの内のひとつは行き止まりとなっていて、そうした行き止まりが幾つもある。その上、それら行き止まりの内のひとつは錯覚だ。
だから、もしもあなたがそんな行き止まりに行(ゆ)き当たったなら、踵を返す前に一歩踏み出してみるがいい。

何故なら、その先には青春の墓場がある。

様々な人々の青春の思い出が葬られた墓場だ。そこに葬られたものは、巷間に所謂「黒歴史」と呼ばれるものだ。しかも「青春の黒歴史」だ。「黒歴史」の中にこれほど真っ黒なものはない。その黒さたるや、暗黒物質(ダークマター)さえ白色矮星並みに輝きその存在を誇示するかのように感じる程だ。「青春の黒歴史」の前には、あらゆるものが輝いて見える。詰り、ここにあるものは、真の暗闇そのものなんだ。

私は、これら実に悍(おぞ)ましい暗黒の、真の暗闇の墓場に行き着いた時には、何の躊躇もなくその誰かしらの墓を暴くを常とする。そもそも他人(ひと)のものだ、私の知った事かと思うのだ。
繊細なあなた方は屹度、己の強大な共感性羞恥のために躊躇うのだろう。繊細さの欠片(かけら)する持ち合わせない私には、その共感性羞恥の介在する余地はない。それ故私の墓暴きは容赦がないものとなる。

私が、ここにそれらを詳らかにすることは、昨今の個人情報保護法に反する恐れがある。コンプライアンス違反に問われるリスクが生じるのだ。私はそれほどのリスクを冒すを潔しとはしない者だ。
それは、善良と言えば聞こえはいいが、その実は単なる小心者の市井の一孺子の保身に若かない。
だから、これを読んで興味を持った者は、自身の足でその地に向かい、自身の判断でその墓暴きを実行に移してくれ給え。そして、例え共感性羞恥の末にあなたが悶死したとしても、それは私の関知する所ではないことをここに明示する。自己責任でやれと言う事だ。

また、私はここにあなた方に忠告する。私の墓暴きを検討している者があれば、それは徒労に終わるということを。
そもそも、私には青春など存在しなかった。故に、葬り去りたい「青春の黒歴史」など唯のひとつも無いのだ。青春がなかったのだから当たり前だ。だから、あなたがもし「青春の墓場」に行き、私の「青春の墓」を暴こうと試みたとて、それは無駄の足掻きに終始することになる。
コレは私の強みである。私が幾ら他人(ひと)様の「青春の墓」を暴こうとも、私は決して暴き返される心配の無い者だ。それ故私の「青春の墓暴き」は容赦のないものとなるのだ。
そうして、こういう「青春の墓暴き」に興じる者の世に多きことを知るにつけ、私はこの世の闇に思いを馳せるのだ。

この世の闇の一端は、あなた方の青春に端を発している。
この世に暗闇の在するのは、あなた方の責任と言っても過言ではない。
少なくとも、青春を有しない私のようなものには、斯様な暗闇は創り出しようがないのだから。

あなた方は、この世の闇という闇に対し責任を持つべきだ。
あなた方の青春が、この世に暗闇を齎したも同然なのだから。

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