金利上昇に待った!米財務省動く!8/20(木)マーケットコメンタリー
【米国株・金利】
NYダウ 53,463.05 △119.65(+0.22%)
S&P500 7,707.98 △16.22(+0.21%)
NASDAQ 26,331.09 △41.37(+0.16%)
米10年債 4.645% ▼0.057pt(-1.21%)
【為替・商品】
ドル円 158.15円 ▼1.46(-0.91%)
WTI原油 85.70ドル △0.76(+0.89%)
COMEX金 4,579.30ドル △158.70(+3.59%)
【その他】
VIX 14.89 ▼0.95(-6.00%)
Bitcoin 69,035.05ドル △4,375.63(+6.77%)
CME日経平均先物 66,035円 ▼250(‐0.38%)
米財務省が、とうとう動きました。
世界的に債券利回りが上昇し、実体経済への影響が懸念されるなか、米財務省は長期国債の買い戻し(バイバック)を増やすと発表しました。
これを受けて長期国債の利回りが低下。米国株を支える材料となりました。
今回の対象は、残存期間10~20年と20~30年の国債です。1回あたりの買い戻し上限を、従来の20億ドルから少なくとも40億ドルへ倍増します。実施期間は9月9日から11月4日までです。
簡単に言えば、
「長期国債を売りたい人が増えても、財務省が買い手になります。だから長期国債市場を怖がりすぎないでね」
というメッセージです。
売りたいときの“出口”が広がれば、投資家が長期国債を持つことへの不安は和らぎます。国債価格が下がりにくくなり、結果として利回りの上昇を抑える効果が期待できます。
金利上昇に対して、当局が一定の配慮を示したことは評価できます。
ただし、これで問題が解決したわけではありません。
インフレへの警戒、拡大する財政赤字、そしてAI関連投資の急増に伴う企業の資金調達増加。金利を押し上げてきた根本原因は、何ひとつ消えていません。
根本治療というより、あくまで応急処置です。
それでも、米10年国債利回りが4.6%台まで低下したことは、ひとまず安心材料でしょう。「金利が上がりすぎれば、財務省も動く」という姿勢を示した意味は小さくありません。
そして、私が直近で指摘してきたヘルスケアセクターへの資金流入が続いています。
昨日のS&P500ヘルスケアセクターは3.5%上昇。2025年4月以来、最大の上昇率となりました。
けん引したのは、メルクとモデルナです。
両社が共同開発する個別化mRNAがんワクチンと、メルクのがん免疫治療薬「キイトルーダ」を組み合わせた治療法が、悪性黒色腫(メラノーマ)の再発と転移を抑える後期臨床試験で良好な結果を示しました。
mRNAがんワクチンとして、後期臨床試験で初めて良好な結果が確認された歴史的な一歩です。
これを受け、メルクは12.6%高。モデルナは、なんと約177%高となりました。
177%です。誤植ではありません。
新型コロナワクチンで注目されたmRNA技術が、今度はがん治療の扉を開くかもしれません。実用化に期待したいところです。
一方、AI・半導体関連には売りが出ました。
SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)は2.0%下落。S&P500の情報技術セクターも0.7%安となり、ヘルスケアへの資金シフトが鮮明になっています。
報道によると、4~6月期の売上高はOpenAIが67億ドルだったのに対し、Anthropicは116億ドルに達しました。単純比較には注意が必要ですが、AI業界でも知名度だけではなく、実際にどれだけ収益を上げているのかが問われ始めています。
AI相場は、いよいよ「夢」だけでは買えない段階に入ってきました。
8月26日のエヌビディア決算までは、AI・半導体関連を積極的に買いづらい展開が続くかもしれません。
これから大切なのは、単に「AIをやっています」という会社ではありません。AIをうまく使い、実際の利益につなげている会社をしっかり見極めることです。
ヘルスケアへの資金移動は続くのか。AI・半導体はエヌビディア決算をきっかけに再び反発できるのか。
相場の主役交代に注目していきましょう。
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