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ワーグナー 歌劇「ローエングリン」 第1幕への前奏曲

『アルプスの玉座、白鳥の城と水鏡』

遥かなる天空の静寂から
淡き青のしずくが 降りてゆく
それは静まり返った アルプ湖の面
城の背後に聳え立つは
圧倒的な質量を誇る アルプスの巨岩
荒々しく険しい 灰色の岩壁が
天空を突き刺し 世界の果てを限る
その峻厳たる山懐に 深く抱かれ
白亜の城は 孤高の鳥のごとく佇む
静寂を切り裂き 金管の響きがこだまし
地鳴りのような低音が 湖底から湧き上がる
音の奔流が 巨岩の峰々を駆け上がるとき
まばゆい陽光が 険しき山脈と
崖の上の城 そして足元の湖を照らし出す
自然の咆哮と 美の極致が
最高潮の光の中で いま激しく轟き合う
だが、神話のごとき一瞬は去り
光の余韻を残して 調べは天へと還る残されたのは 影を落とすアルプスの峰々
すべてを呑み込んだ アルプ湖の水鏡城はただ 静かな夜の帳の中へ
永遠の夢を抱いて 消えてゆく
いすみん


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