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20年海に携わってきた私が直面した『海の砂漠』の真実と、再生への挑戦

私はこれまで20年間、海に携わる仕事をしてきました。漁業にかかわる者として、毎日海の表情を見つめ続けてきました。

私が高校生の時初めて潜った日のことは今でも鮮明に覚えています。
水中に潜ると、そこは視界を遮るどころか泳いで通れないほどに豊かな『藻場(もば)』が広がっていました。ホンダワラ系を中心に森を作り、その隙間を小さな小魚たちが泳ぎ回る。生命の鼓動がダイレクトに伝わってくる、まさに『命のゆちかご』でした。

しかし、今の海はどうでしょうか・
かつて森だった場所は、今は岩肌が露出し、何も生えていない『砂漠』のような光景に変わり果てています。これが、いま日本の沿岸部で深刻化している『磯焼け』の正体です。

20年という月日は、私に海の美しさだけでなく、その崩壊の速さを教えてくれました。私は今、強い危機感を抱いています。このままでは、私たち子どもの世代には『海藻が茂った豊かな海』という言葉が言えない時代になるかもしれません。

忍び寄る『海の砂漠化』の恐怖

磯焼け状態

『磯焼け』とは、単に海藻がなくなる現象ではありません・それは海の生態系そのものが壊れていくプロセスです。海藻が無くなると、そこに住んでいた小さな生き物たちの隠れ家が無くなります。次に、それらを餌としている魚がいなくなります。アワビやサザエ、ウニといった海藻を食べる生き物も餌を失いやがて姿を消します。また、イカなどの産卵場も無くなります。

かつて『大漁だ』と笑っていた漁師たちの声はなくなり、浜(漁村)は静まり返っていきます。なぜ、これほどまでに豊かな海が壊れてしまったのか。

  1. 海水温の上昇:近年の温暖化により、冬でも水温が下がりにくくなりました。これが、海藻の成長を妨げ、一方で熱帯魚とサンゴは北上します。(実際もう北上しています。)

  2. 食害の深刻化:水温が高いままだと、アイゴやブダイといった魚の活性が下がらず、海藻の芽(あかちゃん)を食べてしまいます。

  3. ウニの異常発生:藻場が減ると、皮肉なことにうにが異常繁殖します。しかし食べるものがないため、そのうにの中身はスカスカで、商品価値がありません。彼らは、わずかに残った海藻を食べつくします。

この負の連鎖が、20年前には想像もできなかったスピードで海をむしばんでいます。

手作業で海藻の苗を設置

私が見た絶望と、小さな希望

正直、私も最初の数年間はこの磯焼け問題は『一時的なものだろう』と楽観視していました。『来年になれば、また生えてくる』と。

しかし、現実は残酷でした。年を追うごとに南から海藻が無くなり海岸の色が茶色、緑色だったのが白色(岩がむき出しの状態)になっていきました。そんな時は、このままではダメだ。漁師、観光、将来の子供たちの為に『何か残せないか』『自分に何ができる』『一人では何もできないのか』そんな無力感に苛まれました。

しかし、そんな中で出会った仲間がたちがいました。
地元の漁師、市、県、研究センターの人たち。彼らもまた私と同じでこの海をどうにかして『復活』させたいと思っている人たちでした。その方々と一緒に活動していく中で、『今の現状を伝えていく』『現場をしってもらう』これも必要なことだと思い発信を決意しました。

うみを再生すための『真実の処方箋』

ここからは、私が20年の現場経験と、専門家との対話を通じて導き出した、具体的かつ実効性のある『磯焼け対策』についてお伝えします。単なる理想論ではなく、実際に現場で何が起き、何が効果を上げているのか。その裏側を公開します。

『ウニ駆除』のその先

あかうにのあかちゃん

世間では、ウニは海藻を食べる駆除の対象となっています。しかし、私の地元ではウニは収入を得るためのものです。『移植』をしています。また、駆除したウニに廃棄する『キャベツ』などで養殖し、商品化する取り組みが注目されています。

人口藻場の可能性と限界

コンクリートブロックを沈めるだけでは森は戻りません。その土地の潮流、水温、そして『どのタイミングで種を設置するか』という調整が必要です

『下水』が海を救う?

現在は、下水道がよく整備されています。これは、素晴らしいことです。しかし、大正、昭和時代まだ下水が整備されていない時代は、山から栄養がふんだんに海へ流れていました。今はどうでしょう。確かに、汚れた水をきれいにして海へ流す。いいことです。ただこれでは、山からの恵みも一緒に濾過されてしまいます。

漁師が泣く理由、今やらないと

以前は、ある灯台の近くは海藻(ホンダワラ類)で生い茂っていました。そこを漁船で通ることは神業でした。私が20代前半だったかな。小さな船外機でそこを通るときは、スピードを落としてゆっくりゆっくり進み海面を見ながら『瀬』がないか注意しながら通っていたものです。今は、現役を退いた古井さん(仮名)はノンストップでそこを通っていました。ある日、地元の祭りの打ち上げだったかな。たまたま、となりの席に座ったので聞いてみました。「なんでとおれるの」吉井さんは「何ば言いよっとか。あたりまえやっか」と。
昔はあたりまえだったのです。

昔のあるある

  • 海藻でプロペラが止まる。

  • 潜ったら、足ひれや水中メガネが海藻に引っ掛かりとれる。

  • 海藻が腰ベルトに絡まり溺れそうになる。

現在のあるある

  • ウニをとっても肥えていない。

  • アワビがへこんでいる。こえていない

  • 海の中が温かい。冷たくない。

今と昔では同じ場所であったとしても、環境が変わってしまいました。今井さん(仮名)は、お酒のせいもあったんでしょうが泣きそうな声で言っていました。「昔は当たり前」のこの状態に少しでも戻したいとその時も、今も強く思っています。

豊かな海を取り戻した未来に待っているもの

磯焼けを克服し、再び藻場が広がった海を想像してみてください。そこには、アワビやサザエが岩場を覆い、漁村には活気が戻ります。
それだけではありません。藻場は『海の森』として莫大な量の二酸化炭素を吸収します。(ブルーカーボン)。海を守ることは、地球を守ることに直結するのです。
私たちが今、この瞬間に動き出すことで、5年後、10年後の景色は確実に変わります。あなたが選ぶ洗剤、あなたが食べる魚、あなたが関心を持つこと。そのすべてが海へと繋がっています。

なぜ今、あなたに伝えたいのか

海の変化は、地上からは見えません。だからこそ、気づいた時には『手遅れ』であることが多いのです。この20年間、海を見続けてきた私だからこそ断言できます。今が、再生できるかどうかの『ラストチャンス』です。
この時期をここまで読んでくださった方は、きっと海に対して、あるいは環境に対して強い関心を持っている方でしょう。そんなあなたにこそ、この真実を知り、周囲に広めてほしい。『知識を得た協力』者として、ともに活動してほしいのです。

今日からあなたができる『海への貢献』

最後に、今日この瞬間から始められる具体的なアクションを提案します。

  • 『海の現状』発信すること:このnoteの内容をシェアするだけでも構いません。まずは『知る人』を増やすことが最大の防衛対策です。

  • 消費行動を変える:合法的な方法で漁獲された魚を食べる。マイクロチップを出さない選択をする・

  • 再生プロジェクトへの参加:日本各地でボランティア活動が行われています。(海岸清掃・植樹活動など)

私はこれからも21年、22年と海にかかわり続けます。かつての美しい森を取り戻すまで。
あなたの行動が、一本の海藻を育て、一匹の魚を守る力になります。
まずは、近くにある海を守っていきましょう。

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