フランス山活 始動 シャモニー・モンブラン
フランスでやりたかったことの一つ、山。
日本とフランス 両方での山活動がこれからの目標だ。
7月のアヌシーをきっかけに、週末だけでもできることがあることに気付いた。うまく探せば、お金もそんなにかからない。
ついにシャモニー・モンブランへ。
パリから夜行バスで9時間、泊まらずに往復。最近バスでも寝れるようになってきたし、現地で1人で高いホテル代を払わなくて済む。むしろ安いホテル埋まってたので、じゃあもう夜行バス0泊二日でよくない? と。
誰かとの時はホテルもなにもかもちゃんと選ぶし、その時間も楽しむが、1人だとハイパー身軽で、その辺どうでも良い。日本なら温泉さえ入れればカプセルホテルで充分。
ベルシー発の夜行バスは、シャモニー終点ではなくイタリアのミラノ行きだった。ベルシーのバスターミナル自体がもうカオスで、モニター壊れてる、汚い、全く違う国に来た気持ちだが、これがパリの現状。ベンチも何も無い。あっても壊されるか盗まれる。新宿バスタが恋しい。
壊れたモニターからなんとか情報を見て、出発停留所に移動。時間通りなだけいいと思わないとな。運転手はイタリア系で、フランス語わからず、そしてなんとなく無愛想、やはりこちらが外国にいる雰囲気。挨拶から始まり、挨拶で終わるフランスの文化ではないことがわかる。
そこまでは不安だったが、乗り込んだら隣には清潔感があり優しい女子が座ってくれてバンザイ。更に車内はディジョンで空いたから、そのあとは1人で2席のゆったり使用。
ところが途中、スイスのジュネーブを通ることが発覚→つまりパスポートコントロールがあるのだが、自分の行き先がフランスだからパスポート不所持な私。滞在許可証と、スマホに入れてたパスポートのコピーのみ提示。なんとか事なきを得たが、やってもーた。
ジュネーブではレマン湖の朝焼けが美しかった。
その直後またフランスのコントロール、今度は検察が挨拶で入ってきた上に、明るい。フランスなのだ。そう、フランスの良さはこれ。なんか安心感。私の予定を聞くと、また夜行で帰ることに対してBon courage! がんばってね と言ってくれた。他の客にもだ。挨拶で始まり、挨拶で終わる。
そんなこんなで、渋滞は無いけど1時間遅く着いた。8時にシャモニー・モンブランの街。しかし名前がおシャンティである。
そのまま目の前にモンブラン。モンブランはお菓子の名前でもあるが、まさにこの山から取った名前で、モンmont =マウンテン 山のこと、ブラン blanc は白ってこと。万年雪に覆われた山だ。
あっけなくそのモンブランは見れるので、ご対面は富士山の方が感動するかもしれない。むしろ富士山が特別なのは、独立峰だからだ。どこから見ても、富士山だからだ。
そこからバスに乗ってゴンドラ乗り場のあるLa Flégèreへ向かう。切符を買おうとしてたら、バスの中で買えるよ と 他の観光客が教えてくれた。パリよりも綺麗で進んでて、スイスっぽさを感じる。バスの車内でクレカをかざすと、たったの1€ 10分以内でLa Flégèreへ着いた。わかりやすく、本数もあり、移動もストレスフリーである。
1時間遅く着いたから朝ごはんをするのはやめて、必要な水場を探したが、よりによって工事中。幸い食料品店が開いていた。田舎ならではの小さなお店で、大草原の小さな家に出てくる、名前は忘れたけどあの意地悪な兄弟のお店のような、ディズニーのウェスタンランドのゼネラルストアのような で、食品のみならず、布、石鹸、カウンターではパンやコーヒーも売っている。
ちょうどあと残り一本のペットボトルの水1.5リットルを発見した。貴重である。同時にパンオショコラとテイクアウトでエスプレッソも買う。たった4€。パリより安い。
念のため家から用意してきたおにぎりとゆで卵を朝ごはんにし、お店を出て白い帽子を被ったモンブランを眺めながらエスプレッソを三口で飲み、ゴンドラ乗り場へ。
私の仲間(同じような雰囲気の登山者)が多く、嬉しくなる。やっぱり、山を愛する系統の人が好きである。それにしても日本人と違うのは、短パンなのである。バイクに乗るのだって一緒だわよ、転んで怪我でもしたらどうするんだい と日本人的には思うけど、彼らは身軽だ。
今回選んだコースは、La Flégèreからゴンドラで上がり、約1800mからスタート。2300m付近にあるLac blancという湖までは、歩いて往復3時間ぐらい。8キロくらいのコース。
歩き始めから終わりまでずっと絶景だから、得した気分である。展望がいいと疲れ方や時間の感じ方が全然違う。何も見えない樹林帯をひすら修行のように登り、最後にようやく展望という、割と自分がよくやってきたコースとは違う。
こりゃ、山デビューにもアルプスデビューにも、旅行者にもとてもいい場所だと思った。
私はLac blancだけの往復コースではなく、Lacs de Chéserysというもう一つの湖から周るコースにしたら、正解だったと思う。スタートは自分しかほとんどいなく、静かで独り占め。ゼルダの伝説・ブレスオブザワイルドの世界だ。途中ようやくすれ違う人に出会う、でも迷う心配や危険の無いルート。
なによりも良かったのは、皆が目指すLac blancよりもこちらのLacs de Chéserysのほうが秘境感があり、湖が鏡になり、モンブランも映り込んですごく胸を掴まれた。水面が風に静かに揺れ、キラキラしている。お気に入りの場所認定だ。今まで3年間、ここを知らずに生きてたのか。こんな簡単に来れるのに。
腰を下ろして、本を読んだ。一冊の本は必ず旅に持って行く。
私は、いろんなことに対して雰囲気に重きを置く。例えば、映画なら部屋で観るよりも映画館で見たり、飛行機の中で見るのが好き。
好きな人と過ごす時間は、どこにいるかとかよりも、その一緒にいる人たちが楽しそうにしているのを見ているのが好き。
音楽を聴くのは、車を運転中か、乗り物で移動している時が好き。
スキーに行く時の、冬の雰囲気が好き。
雨が止んだ後の空気とか、働いてる時の自分のレストランの雰囲気も
どこかに行く時も、シチュエーションごと、空気ごとが大事。カフェ、絶景、いろいろ。
世界中でそういうお気に入りの場所を見つけること、そこで過ごす雰囲気そのものが私の好きなことだ。
このLacs de Chéserysでの時間は、スナフキンになれたような気がした。
その分、その後に期待して行った本命だったLac blancは、人がたくさんいたからか(といっても普通の数)特に感動することもなかった。(もちろんとても綺麗ですよ)
下りもあっという間。こんなラクに絶景が見れる山旅があっていいのだろうかと思ったが、これまで、過去にあまりにも辛い山行をしすぎたのかもしれない。
帰りのバスまでだいぶ時間があって持て余すかと心配したが、シャモニーの中心部に戻ると、日曜日らしい路上でのマーケットやセールが行われていたり、教会前の広場で音楽があったり、街の人と一緒に路上に寝転がって聞いていた。天気が良いので、カフェにすら入る必要がない。
せっかくなので、郷土料理のタルティフレット(Tartiflette)を試すことにした。
じゃがいも・玉ねぎ・ベーコンに、地元サヴォワ地方のルブロションチーズをたっぷりのせて焼く、熱々のグラタン風料理である。
大好きなジンジャービアにはポップコーンまでおつまみが出された。
どどん!と出されたグラタンの器はデカく、でもシンプルで素朴でめちゃくちゃ美味しい! 明らかに食べ過ぎだが、美味しいから、そして山の帰りだから平らげた。しかし暑い。30度近くある日に食べるものではないかもしれない。真冬なら、ラクレットと同じく、さぞかしあったまるだろう。
日本のように温泉はないけれど、ちゃんとその土地の食べ物が楽しめる。
その後入ったカフェでは、私の注文が忘れられていて、お詫びにクッキーをサービスしてくれた。
帰りのバス停に乗り、日暮と共に浮かび上がる稜線はあの松本から新宿に帰るシチュエーションと全く同じだった。
日本とフランス、こんなにも離れてて、全く違う国なのに、どちらも同じ感覚なのが嬉しい。
東京(千葉)から日本の山へ、パリからフランス、ヨーロッパの山へ。これからの活動域が見えてきた。












