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迎え火 オペラ

「待ってください探偵さん。確かに私はオペラグラスを手にしていた。熱い視線が焦点を結んで舞台を炎上させたというあなたの推理は一理ある。火はすでに点っていたのです私が見るより前に」
容疑者は目に埋み火をくすぶらせた。
強風による近隣の民家の迎え火と墓の線香と仏壇のロウソクからの飛び火と考えるのが自然だろうに。
助手が口をはさんだ。
「この日の演目は『ミュージカル・スーパーチューズデーに迎え撃て』『オペラ・オルレアンの乙女』『竹取物語』の三本立てでしたね。なぜ最後の演目の小道具がそこにあったのでしょう? まさか下から読んでもタケヤブヤケタがオチだとか? 誰かがかぐや姫役のカルロッタを陥れようとしたのです。犯人はジャンヌ・ダルク役のクリスティーヌを陰から見守る劇場に住む怪人です」
誰もきいていない。

「お取り込み中失礼します。〇〇火災の者です」焼けた物件の契約者は最初に疑われた男だった。

「実に面白い。やはり最初に登場したあなたが真犯人でしたか。だが動機は保険金ではない。愛娘クリスティーヌが勢いで殺害した元彼を迎え火で焼却しようとするのを止めて建造物ごと燃やそうと企てたのですね」
探偵の熱弁はXで配信された。

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