辛味の英才教育
インド産のレトルトの豆とほうれん草のカレーを買ってきた。豆カレー大好き。あんまり辛いものを食べるとお尻が心配なので、パッケージをよく見てマイルドと書いてあるやつをちゃんと選んだ。なぜか二人前。こういうのって一人暮らし向けじゃないのかな。
ご飯にかけてレンジで温めて、一口食べたら辛い。結構辛い。火を吹くほどではないけど、日本のカレーの中辛より辛い。マイルドって甘口じゃないの?
子供が一歳か二歳くらいの頃、家族でインド料理店に行った。インドの人がやってる、南インドの料理が食べられるとこ。子供はもう普通の食事も食べられるから、お店の人に子供向けの料理はありますか? って尋ねた。
お店の方はメニューを指さして、親切に教えてくれた。これは辛くないからおすすめって。
おすすめされた料理は白い蒸しパンのようなものとココナッツの何かだったように思う。スプーンを口に含んだ子供が、辛い! と叫んだ。
え? お子様向けの料理なはずだけど。赤ちゃんでもいけるよって、笑顔で言われたけど。
そう思ってひと匙食べてみると、うっすら甘い。でも、スパイシー。唐辛子、少し入ってる? それともマスタードシードなのかな。ピリリとするものが入ってた。胡椒を少し振っただけでも辛いと言う頃だったから、子供はそれを食べられなかった。何もつけない状態の蒸しパンみたいなのも拒否された。
結果、子供は白米やドーサというパンケーキみたいなやつの皮を食べてた。ドーサの中にはあんまり辛くないカレーが入ってたんだけど、カレーが一滴でも付くと食べるのを拒否してた。
薄々気がついていたけど、子連れでインド料理は無謀だったのかもしれない。でも、私と夫はカレーが食べたかったのよ。
幼少期から色んな国の人がやってる料理店に連れて行ったおかげで、我が子は見慣れないものでもとりあえず一口は食べてみる、というわりと使えるスキルを早いうちから習得した。出てくるものがほぼ辛いもの、とか、癖がありすぎる系の国の料理はさすがに避けてはいた。
食が細くない子で食物アレルギーがないからできることだとは思う。
知り合いでインドで暮らしたことのある人がいた。その人に聞いたら、インドの保育園では給食にカレーが出るらしい。そして、そのカレーは普通に辛い。最初は辛いって言って食べられなかったお子さんも、毎日のことなのでそのうち慣れたらしい。そして、最終的には日本のカレーの辛口ではスパイスの量が物足りなくなったとのこと。かっこいい園児だな。辛味に人は慣れるんだね。
インドではそうやって小さな時から辛味に強くなるような英才教育をしてるのだろうか。韓国の人は辛い料理を子供に分けるときは、飲み水のコップに突っ込んでわしゃわしゃ洗ってたけど、その人だけかな。迷いなく突っ込んでてなんかかっこよかった。でもキムチは洗えても、カレーは洗えないよね。少しずつ食べられるスパイスを増やしていくんだろうか。
私はもちろんそんな辛味の英才教育は受けて育たなかったから、そこまで辛いものは得意じゃない。四川料理はあんまり得意じゃないし、世界一辛いと言われるブータン料理は辛すぎて無理だった。ブータンの人、唐辛子は野菜という認識らしい。唐辛子とチーズを煮込んだ料理が有名らしいって聞いて頼んでみたら、辛過ぎて涙出た。ブータンには行ったことないんだけど、ニューヨークにブータン料理店があったのよ。あの街にあるいろんな国の移民がやってる料理店に行くのが好きだったのよ。
ブータンの子供は、どんなステップで辛味に慣れていくんだろ。最終的に唐辛子の煮込みを美味しく食べられるようになるってさ、目指すものがハイレベル過ぎて、何から始めればいいのか想像もつかないの。
とりあえずインドのレトルトカレーは泣くほどは辛くなくて美味しかった。子供も欲しがったので、分けてあげたらヒーヒー言いつつも食べてた。少量のカレーを大量のご飯と牛乳で消費するスタイル。唐辛子の辛さは、水でなく牛乳で紛らわせた方がいいって知ってるのよね。君も成長したな。
私は明日のお尻が心配。今私のお尻、思春期っていうか、ちょっとデリケートな時期なもので。
インドの辛味エリートたちは、お尻も鍛えられてるのかな。お尻も英才教育? そんなとこ、鍛えられる?
ところで、本格的なインド料理をたくさん食べた後の疲労感や軽い頭痛ってみなさんはない? 我が家ではスパイス疲れと呼んでるけど。あれ、癖になるのよね。
↓思春期を迎えた私のお尻にご興味があれば。
