アニメ版(?)と劇場版
元々テレビ版が存在するアニメーション作品の映画を制作した関係で、多くの感想がXのタイムライン上に流れてくるのですが、そこで気になる点が一つあります。それは映画、いわゆる劇場版に対してTVシリーズを「アニメ版」と呼称する人が非常に多いという事です。自分の観測範囲では概ね9割方「アニメ版」もしくは「アニメ」と呼んでいる感じです。これは数年前から違和感があると特に業界の中で言われ始めていたと記憶していますが、昨今TVシリーズと劇場版が同時進行する作品が多い中で増えてきたように思います。業界の中でも若い人が使っているのを聞いたこともあります。
そもそも「アニメ版」という表現形式に対する言葉をメディアの違いを表す言葉に当てはめていることから生ずる違和感であり、「劇場版」との対比として「アニメ版」というのは、テレビドラマを映画化した時に元のテレビドラマの方を「実写版」と言うぐらいおかしな話です。(そもそもドラマ版というのもおかしいという人はいますが)他の分野含め世の中で分類が適当になりつつある事自体正直気になるところでもあります。よく使われるものとしてはギガが減る、カロリーが高い等ありますが、こちらは単位の問題なので単に間違えやすいものとしてある程度理解できます。
今やテレビで見るより配信が多い時代ですし実際、配信が増えてきた頃と「アニメ版」の用例が増え始めたのはシンクロしてるような気がしますし、TVでかかっていないものをどう呼ぶか?みたいな話は実際業界内でも語られることはあります。
しかし「劇場版」に対して何故に「TV版」や「シリーズ版」というような対応がなされないのかが不可解です。当初は単に「TVアニメ版」を省略した形かと思いましたがが、どうやらそうでもないっぽい。しかも年齢も関係なく中高年でも使っている人はいます。
「アニメ」という言葉が映画として公開されるアニメ作品以外を包括する概念になってるというのは理解できますが、その過程が謎です。大量の作品が供給され飽和した結果個々の作品の枠を壊し「TVアニメ」というジャンルそのものを「アニメ」と称するようになったのではないか?というのが現時点の自分の仮説ですが、どの段階でそれが起きたのか興味はあります。
自分の周囲はアニメに親和性の高い層が集まっているのでTV版と劇場版は明確に分離されたものとして扱われていましたが(そうでないと仕事に支障をきたすので)、SNSにより多くの人達がアニメについて語るようになり、アニメとの距離がある層の一般的な認識が可視化された可能性もあるかもしれませんね。
