月10万円で「豊か」に暮らす。私が手放して一番スッキリした支出
「月10万円で豊かに暮らす」——この言葉を聞いて、あなたはどんなイメージを抱きますか?
「そんなの無理」「我慢ばかりの生活じゃないの?」そう思う方もいらっしゃるかもしれません。かつての私も、そうでした。
お金を使うことが「豊かさ」だと信じて疑わず、むしろお金を使わない休日は「つまらない」とさえ感じていたのです。
しかし、50代を迎え、人生の大きな転機を経験する中で、私の「贅沢」の定義は大きく変わりました。そして、ある支出を手放したことで、心が驚くほどスッキリし、本当の意味での豊かさを手に入れることができたのです。
この記事では、私が手放して最も心がスッキリした支出と、それによって得られたお金では買えない本当の豊かさについて、私の実体験を交えながらお話ししたいと思います。
かつての私:お金で埋めていた心の隙間
私の人生は、決して順風満帆ではありませんでした。3度の離婚を経験し、一時は口座残高がマイナスになるほどのどん底も味わいました。そんな心の傷を癒すため、私は無意識のうちにお金を使うことで心の隙間を埋めようとしていたのかもしれません。
平日の仕事のストレスを解消するために、週末は必ずどこかへ出かけ、ランチに数千円を費やし、流行の服やバッグを買い漁る。ちょっとした遠出や旅行も頻繁で、気づけば休日で1万円近く使うことも当たり前でした。それが「充実した休日」であり、「自分へのご褒美」だと信じていたのです。
SNSで「いいね」をもらうために、おしゃれなカフェで写真を撮り、高価なレストランで食事をする。友人との付き合いも多く、断れない性格も相まって、無理をして交際費を捻出することも少なくありませんでした。常に誰かの評価を気にし、世間体や見栄のために消費を繰り返していたように思います。
しかし、どれだけお金を使っても、心の奥底にある満たされない感覚は消えませんでした。それどころか、減っていく貯蓄を見るたびに、将来への漠然とした不安が募るばかりでした。このままではいけない、そう思いながらも、どうすればこの消費のループから抜け出せるのか、当時の私には分かりませんでした。
転機:海辺の家と、新しい価値観との出会い
そんな私が大きく変わるきっかけとなったのは、53歳で海辺の一軒家を購入し、湘南に移り住んだことでした。都心での忙しい生活から一転、目の前に広がる海と、ゆったりと流れる時間。この環境の変化が、私の心のあり方を根本から見直すきっかけを与えてくれたのです。
以前の記事「お金をかけない週末が、いちばん贅沢だと気づいた話」でも書いたように、私は海辺での生活を通じて、お金をかけなくても心が満たされる「本当の贅沢」があることに気づきました。早朝の海岸を散歩し、波の音を聞きながら朝日を浴びる。庭で土いじりをし、植物の成長を見守る。そんな何気ない日常の中に、かけがえのない喜びがあることを知ったのです。
この変化の中で、私は自分自身に問いかけるようになりました。「本当に私に必要なものは何か?」「何が私を心から幸せにするのか?」と。そして、その問いの答えを探す中で、ある支出が私の心を最も重くしていたことに気づいたのです。
私が手放して一番スッキリした支出:見栄と承認欲求のための消費
私が手放して一番スッキリした支出、それは**「見栄と承認欲求のための消費」**でした。
具体的には、以下のようなものです。
• 高価なブランド品や流行の服: 「誰かにどう見られるか」を基準に選んでいたものです。新しい服を買っても、すぐに次の流行が気になり、満足感が長続きしませんでした。クローゼットは服で溢れているのに、「着るものがない」と感じる悪循環に陥っていたのです。
• SNSでの「いいね」を意識した外食や旅行: 「映え」を求めて、本当は行きたくない場所へ行ったり、食べたくないものを食べたりしていました。その瞬間は楽しいのですが、後には虚しさだけが残りました。誰かの評価のために行動している自分が、どこか滑稽に思えたのです。
• 付き合いでの無駄な出費: 職場の飲み会や友人との食事など、断るのが苦手で、気が進まない誘いにも無理して参加していました。そのたびに、時間もお金も消耗し、心身ともに疲弊していました。
これらを手放すことは、最初は大きな葛藤がありました。「周りからどう思われるだろう」「流行に乗り遅れてしまうのではないか」そんな不安が頭をよぎったのも事実です。しかし、一度手放してみると、そこには想像以上の解放感が待っていました。
「本当に欲しいもの」と「世間体」の区別がつくようになり、自分の価値観で物事を判断できるようになりました。誰かの目を気にすることなく、自分が心から「良い」と思えるもの、必要だと感じるものだけを選ぶ。このシンプルな行動が、私の心を驚くほど軽くしてくれたのです。
手放したことで得られた、お金では買えない豊かさ
見栄と承認欲求のための消費を手放したことで、私はお金では買えない、かけがえのない豊かさを手に入れることができました。
まず、心のゆとりと時間です。無駄な消費に費やしていた時間とエネルギーが、本当に大切なものに向かうようになりました。海辺の散歩で季節の移ろいを感じたり、庭で育てたハーブでハーブティーを淹れたり、ハンドメイドでアクセサリーを作ったり。そうした穏やかな時間が、私の心を深く満たしてくれるようになりました。
次に、自己肯定感の向上です。他人の評価ではなく、自分の価値観で生きる喜びを知ったことで、自分自身を肯定できるようになりました。ありのままの自分を受け入れ、自分の選択に自信を持てるようになったのです。これは、何よりも大きな心の財産だと感じています。
そして、人間関係の変化も訪れました。無理な付き合いをやめたことで、本当に心から繋がっていたい人との関係がより深まりました。表面的な関係ではなく、お互いを尊重し合える、質の高い人間関係を築けるようになったのです。
もちろん、お金との健全な関係も築けました。無駄な支出が減ったことで、貯蓄は着実に増え、将来への漠然とした不安は大きく軽減されました。月10万円という生活費の中でも、心は満たされ、むしろ以前よりもずっと豊かな気持ちで日々を過ごせています。まさに「お金をかけない週末」が、私の精神的な豊かさをもたらしてくれたのです。
おわりに:あなたも「手放す」ことで、新しい豊かさを見つけませんか?
「手放す」ことは、決して「我慢」ではありません。それは、自分にとって本当に大切なもの、心から求めるものを見つけるための、尊いプロセスだと私は考えています。
もし今、あなたが何かに縛られていると感じたり、漠然とした不安を抱えているのであれば、小さな一歩からで良いので、何か一つ「手放す」ことを考えてみてはいかがでしょうか。
高価なものや流行を追うことだけが豊かさではありません。自分の心と向き合い、本当に必要なものだけを選び取ることで、きっとあなたも新しい豊かさを見つけることができるはずです。
50代からでも、人生はいくらでも変えられます。私のように、過去の経験を糧に、自分らしい「豊かさ」を追求する生き方もあるのです。このnoteが、あなたの新しい一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
