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経済の「イロハ」を無視した政策が進むことの本当の怖さは、組織にブレーキがないということ☆メンバーシップ記事(ご加入で全部の有料記事が読めます)

 中の人は経済のプロではありません。でも、基本は知っています。そして、戦時下におけるお金の動きから、お金はただの紙切れであり、それに価値を載せているのは発行している国への信頼だけであるということも。

 そんな基礎知識をもって今の経済政策を見ますと、なぜこんな経済の基本を無視した行動がとれるのか、不思議になってきます。

 まず、基本のキですが、通貨は流通量が増えますと、それに見合うだけの経済の発展がない限り価値が下がり、インフレになります。逆に通貨の流通量を減らしますと、経済が縮小しない限り通貨の価値は高まります。このため、中央銀行は、景気が過熱してインフレになると、政策金利を引き上げてお金を借りる意欲を抑えて通貨の流通を抑え、景気が冷え込んでいると逆に下げて投資をしやすくして通貨の流通量を増やします。これが日本銀行の金利政策のごく基礎です。

 アベノミクスの低金利と日銀の国債引き受けで通貨の流通量が増え、一方で経済は伸びなかったことから、円の価値は下がり、行き過ぎた円安になっていきます。特にエネルギーと食糧を輸入に頼る日本では、これが生活物資の全面的な引き上げにつながっています。

 円の信頼は、政府財政の健全性とも関係があります。国の借金が大きく経済の規模に見合わなくなれば、通貨の信用は落ちます。これを解消するには、財政の健全化に向けた政策が必要です。

 しかるに、高市政権は、積極的な投資を行う「骨太の方針」を発表し、日銀の金利引き上げをけん制する表現まで入れました。これが「骨太ショック」となって、さらに円安に傾きます。そして、今度は予算の裏付けなく消費税減税を決定しています。当然、歳入減ですから、財政の健全化は遠のきます。その上8月31日、143兆円という新年度予算の概算要求をまとめます。過去最大規模の予算であり、しかも今後にさらに増加が見込まれるというものです。

 収入は減らし支出は増大させる。個人のお財布で考えても、収支の悪化を招くことは容易に想像できます。当然ですが、9月1日になって市場が反応し、満期10年の国債の金利が30年ぶりの高水準に跳ね上がります。つまり、10年も長く持っていても、その間に安定して価値が保証されるという見込みが薄ければ買われませんから、それなら利回りを上げてお得にしてやっと取引が成立するという状況になったということです。つまり、円の価値がまたまた下がったということです。9月2日付信濃毎日新聞では、表題写真のようにトップで利回りの上昇を伝え「政権に警鐘」と当然の見出しを立てた解説記事を載せていました。

 そのほかにも、この日の紙面には生ジャガイモの輸入に向けた動きや、ガソリン補助金が枯渇してきたため予備費から充当といった記事もありました。自給率に直結する問題や、先の見えない原油高騰を抑え込むため税金を注ぎ続けるという惰性のような政策が行われている現実に、大変不安を覚えます。

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